eぶらあぼ2017.8月号
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64音楽堂アフタヌーン・コンサート山田和樹(指揮) 東京混声合唱団 特別演奏会合唱とバレエが織り成すユニークなコラボレーションが実現文:伊藤制子8/29(火)14:00 神奈川県立音楽堂問 チケットかながわ0570-015-415 http://www.kanagawa-ongakudo.com/ 唱歌から現代音楽までを歌う高度なテクニックと表現力で、我が国の合唱シーンで欠かせない存在になっている東京混声合唱団。昨年、創立60周年を迎え、その活動は円熟味を増している。この夏、2014年から同団音楽監督をつとめ、今もっとも注目を浴びている指揮者の山田和樹とタッグを組んで、ユニークな演奏会を神奈川県立音楽堂で開催する。 声の織りなす美しいハーモニーの世界にバレエがコラボレーションするという視覚と聴覚の両方を喚起する企画だ。演奏会前半は、谷川俊太郎の詩による合唱作品二作、木下牧子の「地平線のかなたへ」に加え、気鋭の作曲家・上田真樹の「遠くへ」というプログラムである。 そして後半は草野心平の詩による上田の新作(神奈川県立音楽堂による委嘱)でバレエの針山愛美との共演が実現する。針山はロシア留学後、数多くの国際コンクールでの受賞歴をもち、世界各地で活躍してきた実力派バレリーナ。ベルリン国立バレエ団での活躍もめざましく、13年にはバーデン・バーデン音楽祭でベルリン・フィルと共演している。 今回はピアニストとして萩原麻未が登場するのも楽しみのひとつだ。10年ジュネーヴ国際コンクールでの優勝以来、その豊かな音楽性で高い評価を受けている萩原。ソロはもちろん、近年ではアンサンブルでの評価も急上昇しており、チェロの重鎮・堤剛とのデュオで話題をさらった。萩原の共演も晩夏の合唱の響きに華を添えてくれることだろう。東京混声合唱団 ©青柳 聡ガスパール・ドゥエンヌ(ピアノ)ヨーロッパで話題の逸材がいよいよ来日!文:飯田有抄 フランスが生んだ新星ガスパール・ドゥエンヌが初来日する。1987年生まれ、5歳でピアノを始めたドゥエンヌの母親は、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭などを通じて広い層から人気を集めるピアニスト、アンヌ・ケフェレックである。ドゥエンヌはパリ国立高等音楽院、ザルツブルク・モーツァルテウムで名教師のもと研鑽を積み、アラン・マリナロ国際コンクール優勝を含む多数のコンクール歴を持つ。すでにフランス国内の数々の音楽祭から引っ張りだこの彼は、室内楽のアンサンブルにも力を注ぐ音楽家だ。ヨーロッパの国々はもとより、モロッコ、ニューカレドニア、中国でもその演奏を披露してきた。 日本初のリサイタルで彼が聴かせるプログラムは、ソロ・デビュー・アルバム『ファンタジー』(仏・1001NOTESレーベル)のリリースを記念して、J.S.バッハ(BWV903)、ハイドン(Hob.ⅩⅦ-4)、 ©Laurent Bugnetシューマン(op.17)、スクリャービン(op.28)の幻想曲を並べる。古くはルネサンス時代の鍵盤音楽にその歴史をさかのぼる「ファンタジー」とは、もとは即興を含む高度で巧みな作曲技法を指す言葉であった。時代とともに作曲家たちの自由な発想が盛り込まれていくこのジャンルの変遷を、ドゥエンヌはバッハからスクリャービンまで、クリアなタッチと生き生きとしたリズムで鮮やかに聴かせる。リサイタルでは、CDに収められていないリストの「スペイン狂詩曲」も演奏予定で、その華麗なるピアニズムへの期待も高まる。9/8(金)19:00 王子ホール問 パシフィック・コンサート・マネジメント 03-3552-3831http://www.pacific-concert.co.jp/萩原麻未 ©Akira Muto針山愛美山田和樹 ©平舘 平
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