eぶらあぼ2017.8月号
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61カティア・ブニアティシヴィリ(ピアノ)自在に紡がれる美しきピアノ・ワールド文:柴田克彦11/6(月)19:00 サントリーホール問 ミュージックプラント03-3466-2258 http://www.mplant.co.jp/ 天衣無縫とはまさにこのことだ! そう思わせるのが、カティア・ブニアティシヴィリ。1987年ジョージア(グルジア)生まれの美貌のピアニストである。6歳でソリストとしてデビュー。ウィーン国立音大でマイセンベルクに師事し、ホロヴィッツ国際、ルービンシュタイン国際等のコンクールで入賞後は、プレトニョフ、アシュケナージ、チョン・ミョンフン等の指揮者や、パリ管、イスラエル・フィル、フィラデルフィア管、ミュンヘン・フィル等と共演し、リサイタルや室内楽でも世界的に活躍している。特にパーヴォ・ヤルヴィの信頼が厚く、たびたび共演。クレーメルやアルゲリッチからも才能を認められ、彼らが主宰するアンサンブルや音楽祭でも光を放っている。ソニー・クラシカルからリリースした、リストやショパン、そして個性的な小品集『マザーランド』なども注目の的。クレーメルとの共演をはじめ日本でも公演を重ね、2016年にはパーヴォ・ヤルヴィ&N響とのシューマンの協奏曲でインパクトを与えた。 その演奏は、驚異的な技巧で軽やかに駆け抜け、エモーショナルな感情を爆発させたかと思えば、あえかな弱音で柔らかく歌う。とにかく全てがスリリング。絶妙なタッチと淀みない流れで作品に生気を与える彼女の“ワールド”は、聴衆の耳目をいやがおうにも惹きつける。 今回のリサイタルは、ベートーヴェンの「熱情」ソナタ、リストの「スペイン狂詩曲」、チャイコフスキー、ストラヴィンスキーのバレエ音楽の編曲が並んだ、類のないプログラム。「熱情」がいかように表現されるのか? CDにも収められた「展覧会の絵」等で衝撃を与えたロシアものがどのように響くのか?…ともかく足を運ばないことには始まらない。©Julia Wesely横浜みなとみらいホールライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 & ウィーン交響楽団歴史を誇る2大名門オーケストラの醍醐味文:飯尾洋一ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 11/9(木)19:00ウィーン交響楽団 11/26(日)15:00 横浜みなとみらいホール問 横浜みなとみらいホールチケットセンター045-682-2000 http://www.yaf.or.jp/mmh/ この秋、横浜みなとみらいホールにヨーロッパから2つの名門オーケストラがやってくる。 ひとつは250年以上の歴史を誇るライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団。歴代のカペルマイスター(楽長)にはフルトヴェングラーやニキシュといった伝説の名指揮者たちに加えて、大作曲家メンデルスゾーンも名を連ねる。今回の公演で指揮を務めるのは名誉指揮者であるヘルベルト・ブロムシュテット。今年90歳を迎える、日本でも人気の高い巨匠である。さらにソリストとして世界最高峰のひとりであるヴァイオリニスト、レオニダス・カヴァコスが加わる。これ以上はないというほどの完璧な布陣が敷かれた。 曲はブラームスのヴァイオリン協奏曲とシューベルトの交響曲第8番「ザ・グレート」。どちらも同楽団が初演したゆかりの名曲であり、この楽団だからこそ意味のある選曲だ。 もうひとつのオーケストラはウィーン交響楽団。こちらもR.シュトラウスやフルトヴェングラー、カラヤンといった大指揮者を迎えてきた歴史を誇る。今回は現・首席指揮者フィリップ・ジョルダンとともに来日する。パリ国立オペラの音楽監督も兼任する今もっとも勢いのある指揮者のひとりである。 プログラムはベートーヴェンの交響曲第5番「運命」とマーラーの交響曲第1番「巨人」。メイン・プログラムになりうる2曲を一度に聴けるというぜいたくな公演だ。オーケストラを聴く醍醐味を味わいたい。フィリップ・ジョルダン ©Johannes Ifkovitsヘルベルト・ブロムシュテット ©Martin U.K. Lengemann
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