eぶらあぼ2017.8月号
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51日本橋オペラ特別公演オスカー・ヒッレブランド(バリトン) & 福田祥子(ソプラノ) デュオリサイタル東西の名歌手2人で聴くヴェルディとワーグナーの名曲文:岸 純信(オペラ研究家)8/27(日)14:00 日本橋劇場(中央区立日本橋公会堂4F)問 マエストロ045-349-6540 東京メトロ水天宮前駅から徒歩2分、中央区立日本橋公会堂内にある「日本橋劇場」は、400席強の程よいサイズ。内装も美しく、落ち着いた空間である。 さて、このホールを根城とする団体〈日本橋オペラ〉が、来る8月下旬に特別公演を開催。内容は、2人の“ドラマティックな声音を誇る名歌手”が、イタリアのヴェルディとドイツのワーグナーのオペラの名曲を歌い上げるデュオリサイタル。夏の終わりを飾る華々しい演奏が繰り広げられるだろう。 まず、ウィーン在住の福田祥子は、欧州や日本で《トスカ》や《蝶々夫人》を歌う一方で、ワーグナーの楽劇のヒロインも務める実力派ソプラノ。筆者が観劇した際も、《神々の黄昏》のブリュンヒルデを逞しく歌い切り、客席を圧倒した覚えがある。今回も、持ち前の豊かな声量と引き締まったフレージングで《ドン・カルロ》や《トリスタンとイゾルデ》の名場面を熱唱するに違いない。 続いて、ドイツの宮廷歌手の称号を有するバリトン、オスカー・ヒッレブランドは、かのドミンゴと《タンホイザー》の録音で共演している大ベテラン。ひときわ滑らかな声音の持ち主なので、イタリア・オペラも得意とし、今回も《オテロ》の〈イアーゴの信条〉や《さまよえるオランダ人》の主役のモノローグなど、幅広い音域を駆使して劇的に歌い上げることだろう。オペラ指揮者としても活躍中のピアニスト、ペーター・ヴァレントヴィッチの表現力も交えて、それぞれの熱演ぶりを大いに期待したい。福田祥子第59回熊本県芸術文化祭オープニングステージ ヤマカズが贈る 新・オーケストラ新作から「千人の交響曲」まで多彩で意欲的なステージ文:林 昌英8/27(日)15:00 熊本県立劇場コンサートホール問 熊本県立劇場096-363-2233 http://www.kengeki.or.jp/ 熊本県最大規模の文化の祭典『熊本県芸術文化祭』が、今年も8月から12月にかけて開催される。その幕開けを飾る「オープニングステージ」は、「芸術を高め、文化を広め、次世代へつなぐ」という同文化祭のコンセプトを具現化するものと位置づけられ、2015年からは指揮者の山田和樹を同ステージ芸術監督として迎え、毎回ユニークな企画で、音楽の新たな可能性を追求し続けている。今年は「新・オーケストラ」をテーマに、山田が音楽監督を務める横浜シンフォニエッタが参加、さらに地元の演奏家で特別編成された芸文祭オーケストラほか、様々な形態のオーケストラ演奏で8作品が披露される。 今回の注目は、なんといっても、マーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」より第1部が演奏されることだろう。前記2団体の合同オケに、九響合唱団と一般公募による芸文祭合唱団、ソリストには熊本県出身の佐々木典子をはじめ日本トップクラスの歌手が揃い、きわめて壮麗な舞台になる。もちろん、6月に日本フィルとのマーラー・ツィクルスを完遂したばかりの山田による「千人」、という観点からも期待は大きい。 そのほか、平成音楽大学学長の出田敬三の新作マリンバ協奏曲(独奏:出田りあ)や、日本舞踊と芸文祭オーケストラのコラボレーションによるラヴェル「ダフニスとクロエ」第2組曲、さらに県内のこどもたちのオーケストラも3曲披露。アマチュア団体との共演を大切にし続けている山田のもと、音楽の喜びと熱気あふれるステージになるはずだ。左より:山田和樹 ©Marco Borggreve/出田りあ ©R.Aratani/横浜シンフォニエッタ ©Shuhei Aritaオスカー・ヒッレブランド

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