eぶらあぼ2017.8月号
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44實川 風 ピアノ・リサイタル7/20(木)12:00 ルネこだいら問 小平市文化振興財団042-345-5111http://www.runekodaira.jp/CD『實川 風/プレイズ・ショパン』アールアンフィニ(ソニー・ミュージックダイレクト/ミューズエンターテインメント)MECO-1040(SACDハイブリッド盤)¥3000+税 7/19(水)発売©ミューズエンターテインメント實川 風かおる(ピアノ)ショパンの本質に近づいた新鋭の“いま”を聴く取材・文:長井進之介Interview ロン=ティボー=クレスパン国際コンクールの第3位、第77回日本音楽コンクールピアノ部門第3位など、国内外で数々の輝かしい受賞歴を誇る實川風。ソロはもちろん、室内楽の分野でも著名な演奏家から厚い信頼を得る彼が、昨年のデビュー盤に続き、オール・ショパン・プログラムによる新譜をリリースする。 「ショパンは内側にありとあらゆる多様性と奥行きを秘めた作曲家なので、難しさを感じていました。ただ、彼の作品にはこれまで最も多くの時間を費やして取り組んできましたし、最も敬愛する作曲家の一人です。現時点でのベストの演奏を残そう、という思いで今回の録音に臨みました」 ショパンの中でも、「『雨だれ』の前奏曲」や「エオリアン・ハープ」「英雄ポロネーズ」など、いわゆる“名曲揃い”のアルバムとなり、性格小品が多いためか、全体的に物語性や世界観が映し出された構成となっている。どのような意図で選曲したのだろうか。 「全ての曲が滑らかに一つのつながりを持つように調性の配列をよく考慮して選曲・配置しました。どの曲もすでに多くの名ピアニストの演奏がたくさん残されているので、録音には勇気が必要でしたが、これらの作品には、親しみやすさと、何度聴いてもありふれたものにはならない奥行きがあるので、作品の魅力を引きだす演奏ができれば、と取り組みました」 ショパンならではのリズム感や感性が込められたマズルカ、ワルツ、そしてポロネーズはいずれもその特有なリズム感を掴むのが難しい。しかし實川の演奏はとてもしなやかに、これらを手中に収めている。 「日本人である私がマズルカやワルツなどを弾くのは、外国の方が盆踊りを踊るのと同じようなものですから、とにかく身体がそのリズムになじみ、勝手に動くようになるくらいまで努力しました。実は、マズルカはショパンの全作品の中で一番好きなジャンルでもあるのです」 實川の演奏は明晰な音楽づくりが魅力的で、今回のショパンにもそれがよく活かされているが、レコーディングを通して気づかされたことがあったという。 「ショパンは誰かに聴かせるためではなく、自分自身のために日記を綴るように作曲をしたのではないか、と改めて感じました。それからは以前よりもショパンの音楽に自然に寄り添えるような感覚になったのです。“伝えよう”というエゴのようなものから解放されてフレキシブルな気持ちで取り組むことで、ショパンに近づけた気がします」 自身と対峙することでショパンの音楽の本質に近づいた實川の“いま”を記録したショパンアルバムからは、耳馴染みのある名曲たちから新たな空気や香りを感じることができるはずだ。8/28(月)19:00 東京文化会館(小)問 インターミューズ・トーキョウ  03-3475-6870http://intermuse.lolipop.jp/傘寿記念 平井丈一朗 チェロ演奏会縁の曲とともにバースデーを祝う文:笹田和人 「芸術家に年齢はない」との一心で、“平和に繋がる音楽の創造”に身を捧げる人生だ。巨匠パブロ・カザルスの後継者として国際的に活躍を続け、今年で80歳の傘寿を迎えた名チェリスト、平井丈一朗。その記念となるステージは、前半でピアノ、後半でオーケストラと共演し、豊かな音色で、思い入れ深い旋律の数々を紡ぎ上げる。 1957年から5年間、カザルスの薫陶を受け、巨匠自身から「私の後継者」と明言された平井。71年にカザルスが“95歳誕生演奏会”で演奏予定だったものの、体調不良で果たせず、急遽、平井が師の楽器で代わって弾いたベートーヴェンの第3番など、チェロ・ソナタの名品を、二男の元喜のピアノと共に。 そして、平井が51年前に日本初演して以来、わが国で急速に知られるようになったハイドンの協奏曲ハ長調を、自らの手によるカデンツァを交えて。さらに、93年の皇太子ご成婚の折に作曲した「祝典序曲」など、チェロをソロに据えた自作も披露。長男の秀明が指揮する、特別編成の“ジュビリー・オーケストラ”が共演を務める。

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