eぶらあぼ2017.8月号
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滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールは、関西随一のオペラ劇場として、一流のオペラやバレエに加えコンサートも開催。また、国内外の実力派アーティストが充実したアンサンブルやソロも披露するほか、講座なども開催しています。このコーナーではびわ湖ホールが主催する注目の公演をご紹介します。びわ湖ホールPreviewびわ湖ホールチケットセンター077-523-7136 https://www.biwako-hall.or.jp/マリエッラ・デヴィーア文:横原千史ベルカントの女王たちの華麗なるステージ、そしてメシアン畢生の大作を沼尻竜典オペラセレクション ベッリーニ:歌劇《ノルマ》(びわ湖ホール・日生劇場・川崎市スポーツ・文化総合センター・藤原歌劇団・東京フィルハーモニー交響楽団 共同制作)指揮:沼尻竜典 管弦楽:トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア出演:マリエッラ・デヴィーア、ラウラ・ポルヴェレッリ、ステファン・ポップ 他 10/28(土)14:00 びわ湖ホール 大ホールエディタ・グルベローヴァ ソプラノ・リサイタル指揮:ペーター・ヴァレントヴィッチ 管弦楽:大阪交響楽団 10/29(日)14:00 びわ湖ホール 大ホールメシアン:歌劇《アッシジの聖フランチェスコ》(びわ湖ホール・読売日本交響楽団共同主催)指揮:シルヴァン・カンブルラン 管弦楽:読売日本交響楽団出演:エメーケ・バラート、ヴァンサン・ル・テクシエ、ペーター・ブロンダー 他 11/23(木・祝)13:00 びわ湖ホール 大ホール問 びわ湖ホールチケットセンター077-523-7136 https://www.biwako-hall.or.jp/今回も藤原歌劇団との共同制作で、粟國 淳の手堅い演出やびわ湖ホール声楽アンサンブルと藤原歌劇団合唱部の深々とした合唱も楽しみだ。何よりも、ここのところワーグナーでその手腕を遺憾なく発揮している沼尻竜典の指揮が、この劇的な振幅の大きい傑作を見事に統御してくれることだろう。いまから待ち遠しい。 デヴィーアの《ノルマ》に続き、その翌日にグルベローヴァが聴ける。なんとも贅沢な耳へのご馳走ではないか。この魅力的な“連続公演”はびわ湖ホールのみ実現した。エディタ・グルベローヴァといえば、70歳を超え、半世紀近いキャリアを持つ。驚くべきコロラトゥーラの超絶技巧で名を馳せ、繊細なベルカントでも大向うを唸らせる。1970〜80年代には向かうところ敵なし、世界中のオペラハウ びわ湖ホールこの秋の最大の呼び物は、間違いなく、沼尻竜典オペラセレクション《ノルマ》であろう。作曲者のヴィンチェンツォ・ベッリーニは、ショパンやワーグナーらに愛され賞賛されたベルカント・オペラの第一人者であり、その彼の最高傑作が《ノルマ》である。このオペラを成功に導く鍵は、ベルカント技法の極致ともいえる主役ノルマにかかっていて、その役に現代最高の呼び声の高いマリエッラ・デヴィーアを迎える。それだけでワクワクするのに、デヴィーアは日本におけるオペラ公演はこれが最後という。彼女のオペラの集大成との意気込みもあるだろう。これはますます聴き逃せない。これにステファン・ポップ(ポリオーネ)とラウラ・ポルヴェレッリ(アダルジーザ)が加わる。極上のベルカント・アンサンブルが聴けるに違いない。沼尻竜典オペラセレクション《ノルマ》スで引っ張りだこの売れっ子だった。その後、オペラ全曲の出演は少なくなり、「もう最後?」と言われつづけたが、なんども復帰し続けた。得意曲のリサイタルも少なくなったとはいえ、まだまだ現役である。昨年の来日公演のリサイタルは特に評判がよかった。今回のリサイタルもその驚異的な歌声が味わえるだろう。昨年も共演したペーター・ヴァレントヴィッチの指揮する大阪交響楽団のサポートも大いに期待できる。 この秋のもうひとつのオペラ注目公演は、メシアンの超大作《アッシジの聖フランチェスコ》の全曲日本初演である。休憩時間を入れて5時間を超すのは、ワーグナーの《パルジファル》や《神々の黄昏》に匹敵する。9人の独唱者に10声の合唱、7管編成の木管に、3台のオンドマルトノ、約40もの打楽器という大編成も驚きだ。今回は読売日本交響楽団との共同主催による演奏会形式の上演。指揮のシルヴァン・カンブルランは、この作品を世界各地で最多の24回も指揮してきたスペシャリストである。題材はアッシジのフランチェスコが奇蹟を起こして、聖人となる半生を描くものだが、我々にも共感できる点が見つかるであろう内容であり、何よりもメシアンの音楽が素晴らしい。これを聴き逃すと次に聴くチャンスはいつ訪れるかわからない。それほどの大イベントと言える。メシアン:歌劇《アッシジの聖フランチェスコ》エディタ・グルベローヴァ ソプラノ・リサイタルステファン・ポップエディタ・グルベローヴァ ©www.lukasbeck.comシルヴァン・カンブルラン
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