eぶらあぼ2017.7月号
69/201

6611/11(土)18:00 ヤマハホール問 ヤマハ銀座ビルインフォメーション03-3572-3171http://www.yamahaginza.com/hall/イサオ・ナカムラ “打楽器の世界”未知なるパーカッションの世界を愉しもう!文:唯野正彦 シュトックハウゼン、ケージ、ノーノ、カーゲル、ラッヘンマンなど、現代の最先端を行く作品を多く世界初演。1986年にはダルムシュタットのクラーニッヒ・シュタイナー音楽賞を受賞するなど、ドイツを中心に活躍、現在はカールスルーエ音楽大学教授も務める打楽器奏者、イサオ・ナカムラがヤマハホールに初登場する。 本公演では、5台のティンパニ、小太鼓、マリンバ、コンガ、ハイハットシンバル、ビリンバウ(ブラジルの民族楽器で打弦楽器の一種)…と様々な打楽器を駆使し、フランク・トメー、ディーター・シュネーベルらがナカムラのために作曲した作品を世界初演するほか、彼の音楽のルーツでもあるサンバミュージックも披露される。 サンバのリズムにあわせて来場者とナカムラが一緒に演奏するコーナーもあるというから、当日はぜひ、シェーカー(ガンザ)、パンディーロ、タンボリンなど、小物打楽器を持参し楽しみたい。©Kevin Hatt7/10(月)18:30 日経ホール問 日経ミューズサロン事務局03-3943-7066 http://www.nikkei-hall.com/第462回日経ミューズサロン チャールズ・ナイディック(クラリネット)独自の選曲で聴く達人の至芸文:笹田和人 しなやかな美音と卓越した技巧で、「もはやクラリネット奏者の域を超えている」とまで形容されるアメリカの名手、チャールズ・ナイディック。日経ミューズサロンのステージに登場し、自作を含めた近現代の佳品の数々を、たっぷりと聴かせてくれる。 7歳で父親からクラリネットの手ほどきを受け、イェール大学で文化人類学を修めた才人。1982年に“最難関”で知られるARDミュンヘン国際コンクールで最高位入賞を果たした。現在は世界的ソリストとして、国内外の一線楽団と共演。歴史的クラリネットの遣い手としても知られ、ピリオド管楽器アンサンブル「モッツァフィアット」を創設した。 今回は、妻のクラリネット奏者・大島文子(あやこ)の姉でもあるピアニストの大島直子と共演。コープランドとプロコフィエフ、2つの名ソナタにベルク「4つの小品」を。さらに、本邦初演となる自作「スケルツィーノ」を披露。さらに、文子を迎え、これも自作となる「2本のクラリネットのためのテンペスト」を、阿吽の呼吸で演奏する。Music Program TOKYO プラチナ・シリーズ2 御喜美江 & 大田智美~クラシック・アコーディオン 知られざる深遠な世界~10/6(金)19:00 東京文化会館(小)問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 http://www.t-bunka.jp/御喜美江(アコーディオン) & 大田智美(アコーディオン)“小さなオーケストラ”が誘う時空を超える旅文:林 昌英大田智美 ©Ryoichi Aratani アコーディオンをクラシック音楽の世界に拡げた世界的名手、御喜美江。その御喜に師事し、彼女に続く存在と目される大田智美。師弟にして、日本のクラシック・アコーディオン界の最先端を走り続けるふたりによる、注目のデュオ・コンサートが開催される。 「知られざる深遠な世界」と題された今回のステージでは、林光、J.S.バッハ、グリーグ、クシャノフスキー、ドヴォルザーク、シュトックハウゼン、そしてピアソラと、多様な時代と国の楽曲が並ぶ。バッハとピアソラは同楽器にとって馴染みのある作曲家だが、他の曲ではそれぞれどんな響きが現出するのか、興味がつきない。ことにシュトックハウゼンの「TIERKREIS(黄道十二宮)」(抜粋)は貴重で、無二の神秘的な世界に誘われるはず。 「他のソロ楽器とは一味違ったキャラクターを最大限に表現したい」と御喜が語る通り、繊細さから重厚感、癒しから熱狂まで、アコーディオンの限りない可能性と深い魅力を、ふたりのトップ奏者が余すところなく体験させてくれる。御喜美江©Marco Borggreve

元のページ  ../index.html#69

このブックを見る