eぶらあぼ2017.7月号
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209コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報ぶらPAL今月の注目公演公演情報「一度聴けば、虜になる」。ヴァイオリニストの佐藤久成の快演は、こう評される。東京芸術大学からベルギーやドイツに学び、数々の登竜門で実績を重ね、ソロに室内楽にと多彩に活躍。ライフワークは、音楽史の彼方に埋もれた作品を発掘、鮮烈な感性で新たな命を与えること。今回も、サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」など有名曲に、シンディングのソナタ第3番はじめ、ゴダール、ベディンガーなど、知られざる佳品を交えて。1年半にわたる埼玉会館の改修が完了し、好評企画も復活。朝岡聡の案内で、飯森範親指揮の東京交響楽団の演奏と共に、“ドキドキの国”へ出発しよう。前半は、ディズニーの旋律に乗せての楽器紹介や、地元在住の中学生ピアニスト、西本裕矢の独奏でラフマニノフの協奏曲第2番から第3楽章など。後半では指揮者体験や、好きな楽器で演奏に参加できるコーナーも。魅力ある旋律と音色が溢れるステージだ。「もしも音楽が『ここではない、どこか別の世界』に行くための芸術ならば、リサイタルはひとつの旅のようなものでしょう」。26歳の若さにして、繊細かつ知的なプレイで“鬼才”と称されるピアニスト、北村朋幹は言う。今回は、ドビュッシー「前奏曲集」第2巻が核。ショパンの「前奏曲 op.45」と「舟歌」、リスト「3つのペトラルカのソネット」に、リスト編曲のワーグナー「イゾルデの愛の死」を弾く。1995年に三鷹市出身の指揮者・沼尻竜典の呼びかけで名手が結集して組織され、幾多の名演を生んできたトウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ。昨年から「トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア」と改称、新スタートを切った。今回の定期は、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」にオネゲル「夏の牧歌」を。そして、沼尻の弾き振りによるモーツァルト・ピアノ協奏曲全曲演奏の第15弾として、「第18番」が披露される。特に室内楽の分野で実績を重ねるピアニストの大須賀恵理が、2015年春に完結したシリーズ「Andiamo」の好評を受け、同「Part 2」をスタート。初回は、ヴァイオリンのスヴェトリン・ルセフ、ヴィオラ佐々木亮、チェロ岡本侑也と、国際的に活躍する、世代を超えた名手と共に。モーツァルトとブラームス、2つの「ピアノ四重奏曲第1番」に、ルセフと佐々木によるヘンデル=ハルヴォルセン「パッサカリア」が披露される。今年で演奏活動55周年の節目を迎えた、日本を代表するヴァイオリンの名手・前橋汀子。なお高みを目指す彼女が、愛用の名器グァルネリ・デル・ジェスを駆り、バッハの無伴奏作品の悠久なる宇宙へ、再び対峙する。今回は、ソナタ第3番に始まり、パルティータ第3番、ソナタ第1番、パルティータ第2番を。40年を経て熟成された音楽文化会館の響きも、前橋と名器が紡ぐ美音と、幸せな化学反応を起こすだろう。佐藤久成(ヴァイオリン)北村朋幹(ピアノ) 午後のうるおいコンサート大須賀恵里(ピアノ)Andiamo Part 2飯森範親(指揮) 東京交響楽団夏休みオーケストランド!沼尻竜典(指揮) トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア 第75回定期前橋汀子(ヴァイオリン)無伴奏オール・バッハ・プログラム Ⅰ7/29(土)18:00 五反田文化センター 音楽ホール7/25(火)14:00 相模女子大学グリーンホール7/21(金)19:00 浜離宮朝日ホール7/29(土)14:00 埼玉会館7/29(土)15:00 三鷹市芸術文化センター 風のホール7/21(金)19:00 新潟市音楽文化会館沼尻竜典大須賀恵里©篠山紀信飯森範親 ©川崎 領 ©TAKUMI JUN

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