eぶらあぼ2017.7月号
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178CDCDSACDCD出逢ひ。~未来へのトビラ~/kyo-coベートーヴェン:クロイツェル・ソナタ~世紀を超えた二つの響き~/桐山建志Tango―魅惑のタンゴ/徳永二男Hope/リベラkyo-co:序章~プロローグ~、出逢ひ。、七夕。、ハジメマシテ。、こどものための小品「夢」、こどものための変奏曲「星」 他kyo-co(田澤恭子)(ピアノ、コーラス)多久和三津子(フルート、リコーダー、オカリナ)山田幸隆(歌)ベートーヴェン:クラヴィーアとヴァイオリンのためのソナタ第9番「クロイツェル」(ピリオド楽器による)、同(モダン楽器による)桐山建志(ピリオドヴァイオリン、モダンヴァイオリン)小林道夫(フォルテピアノ)江川智沙穂(モダンピアノ)京谷弘司:シエンプレ・ア・ブエノスアイレス/ヘラルド・マトス・ロドリゲス:ラ・クンパルシータ/アストル・ピアソラ:ブエノスアイレスの夏、アディオス・ノニーノ 他徳永二男(ヴァイオリン)京谷弘司(バンドネオン)淡路七穂子(ピアノ)田辺和弘(ベース)シューベルト(プライズマン編):サルヴェ・レジナ/チャップリン(コーツ編):スマイル/村松崇継:天使のくれた奇跡/ホルスト(プライズマン編):ジュピター~未来への光(浅田真央プロデュース) 他リベラ(合唱) 他BeltàレコードYZBL-1049 ¥2500+税コジマ録音ALCD-1166 ¥2800+税オクタヴィア・レコードOVCA-00025 ¥3200+税LIBERA RECORDSLIBE-8 ¥2800+税ピアノ演奏と作曲及び編曲、作詞まで手掛けるアーティスト「kyo-co」として2005年からマルチな活動を展開している、愛知県豊田市出身の田澤恭子のソロ・デビューアルバム。全編オリジナルで“愛”をテーマにひとつのストーリーとして構成。ピアノ曲が中心だがフルートやリコーダー、オカリナなどによる器楽アンサンブルを起用した4作品に、男性ヴォーカルをフィーチャーした印象的な3作品(そのうち1曲では自らコーラスも担当)も含む。すべての作品に言葉による前向きで誠実なメッセージが添えられている(歌曲はそれがそのまま歌詞になる)のも本盤の特徴だ。 (東端哲也)「クロイツェル・ソナタ」を、まずはクラシカル仕様のヴァイオリンとヴァルター製作のフォルテピアノで。そして、同じ曲を今度はモダン・ヴァイオリンとスタインウェイで。この様なコンセプトの録音は過去にもあったが、日本が誇る名手・桐山建志だけに、通り一遍の聴き比べに終わらせない。発音やフレージングひとつにも、それぞれの楽器の特性を生かすよう心を配り、その美点を現出。特に右手によるボウイング表現の変化は、つぶさに感じ取れよう。最終楽章のテンポ取りの大きな違いの意図も、きっと理解できるはず。2人の共演者の対照的な持ち味も、絶妙のスパイスとなっている。 (寺西 肇)昨年演奏活動50周年を迎えた重鎮ながら、ますます旺盛な活動を繰り広げる徳永二男。ここ10年近くはタンゴにも情熱を注ぎ、その成果といえるアルバムが誕生した。バンドネオンの京谷弘司をはじめ、日本の代表的なタンゴの名手たちと共に、セッション録音ながらわずか一日で全曲を弾きこなし、ステージの空気感そのままのパフォーマンスで、タンゴ・ヴァイオリンの真髄に迫る。徳永はあくまで真摯なスタンスで臨みつつ、タンゴ独特の情熱と色気にも欠くことはない。要所における技巧と歌心の聴かせ方はさすが。有名ナンバーから近作まで、タンゴの流れをたどれる選曲も楽しい。(林 昌英)サウスロンドンの下町っ子をベースに結成され、何代にもわたって世界中に“天使の歌声”を届けてきたボーイ・ソプラノ・ユニット、6年ぶりのスタジオ録音盤。“希望”をテーマにクラシック曲から新作オリジナルまで、今回も統制のとれた美しいハーモニーの中から、それぞれの個性がちらりと顔を覗かせる絶妙さは健在だ。プロデューサーのプライズマンが信頼を寄せる村松崇継が作曲した話題のUSJタイアップ曲や、浅田真央プロデュースによるエキシビション使用曲(彼女の書き下ろし日本語歌詞付き)など日本のファンには嬉しいトラックがいっぱい。(東端哲也)

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