eぶらあぼ 2017.3月号
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76グランドサロン・シリーズ 鈴木秀美 KLASSIKの世界 Vol.4古典派作品の金管楽器の魅力を存分に文:笹田和人アプリコ・アフタヌーン・サロン「大作曲家の恋文」~大作曲家と恋する方法、教えます名曲を“恋愛エピソード”とともに味わう文:宮本 明3/26(日)15:00 パルテノン多摩問 チケットパルテノン042-376-8181 http://www.parthenon.or.jp/Vol.1 4/20(木)、Vol.2 7/4(火)各日14:00 大田区民ホール・アプリコ問 大田区文化振興協会03-3750-1555 http://www.ota-bunka.or.jp/ バロック・チェロの世界的な第一人者である鈴木秀美が、音楽監督と指揮を務めるオリジナル楽器による「オーケストラ・リベラ・クラシカ(OLC)」。主に古典派を軸に活動し、楽壇に新しい風を吹かせている。そんな精鋭集団が続けているシリーズ『鈴木秀美 KLASSIKの世界』。第4弾では、“ナチュラル・ホルン”にスポットを当て、ハイドンとモーツァルトの佳品を披露する。 「便宜的に“ナチュラル・ホルン”と呼ばれていて、何の装置もついておらず、唇と、ベルの中に入れた手のみで音程を作るのが、古典派時代のホルン。現代の楽器よりも軽く、明るい音がします」と鈴木は説明。今回のステージでは、ハイドンの交響曲第31番「ホルン信号」、モーツァルトの交響曲第25番とセレナーデ第9番「ポストホルン」を取り上げる。 「ふたつの交響曲はホルンを4本使うゴージャスな曲ですが、ハイドンとモー 大田区民ホール・アプリコにて平日午後を音楽で優雅に楽しむことができる“アプリコ・アフタヌーン・サロン”が4月から始まる。第一弾のテーマは「大作曲家の恋文」だ。 第1回は「ロマン派の巨匠たちと恋の大追跡劇」がテーマ。19世紀のパリを中心に、芸術家のパトロン貴族たちのサロンと、そこに集ったご婦人方と作曲家たちとの恋愛模様に焦点を当てる。出演はパリ在住のピアニスト、児玉麻里・桃姉妹。前半はソロ演奏とともに画像資料、ヨーロッパで活躍の児玉姉妹ならではのステージトークを交える。後半は、「パトロンつながり」という視点になるのだろう、チャイコフスキーの三大バレエ音楽を2台ピアノで。これは児玉姉妹のデュオが昨年リリースしたCDの収録曲。編曲がドビュッシー(白鳥の湖)、ラフマニノフ(眠れる森の美女)、アレンスキー(くるみ割り人形)という注目盤だ。ツァルトとでは、使い方が全く異なっています」と鈴木。そして、「ホルン信号」とセレナーデでは、珍しい“ポストホルン”も使用する。「19世紀に入っても郵便配達夫が使っていたもので、特徴的な信号の音型があって、両方の曲にそれが登場します。また、特にセレナーデでは、19世紀初頭に作られた、オリジナルの楽器を使います」と話す。 「ハイドン初期の生き生きと楽しい交響曲、モーツァルトの激しいト短調、そして、管楽器が百花繚乱のごとく活躍するセレナーデ。これらの作品をオリジナル楽器で聴く機会はめったにありません。どうかお聞き逃しなく!」 シリーズ第2回は7月4日。「リストと運命の女たち~禁断の恋愛~」をテーマに、クラシック音楽史上最初のアイドルとして当時の女性たちを失神させたリストを主役に行なわれる。プログラムはリスト「《リゴレット》による演奏会用パラフレーズ」や「バラード第2番」などで、若手人気ピアニストの福間洸太朗が出演する。 同シリーズにはその後も仲道郁代、近藤嘉宏、高橋多佳子らが登場。ナビゲーターは4回とも文化芸術プロデューサーの浦久俊彦が務める。こうした好企画のコンサートに、世界の第一線で活躍するピアニストたちが次々と登場するのはなんと有意義なことだろう。鈴木秀美 ©K.Miura児玉 桃 ©Marco Borggreve福間洸太朗 ©Marc Bouhiron児玉麻里 ©Vincent Garnier

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