eぶらあぼ 2016.12月号
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52Photo:角田修一宮本笑里 ヴァイオリンリサイタル12/18(日)14:00 第一生命ホール(エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ03-5545-9743)、12/24(土)14:00 神戸朝日ホール(キョードーインフォメーション0570-200-888)、2017.2/19(日)15:00 福山市沼隈サンパルホール(084-987-1866)、3/18(土)18:00 宗次ホール(052-265-1718)http://www.emirimiyamoto.com/宮本笑里(ヴァイオリン)ヴァイオリン・ソナタの名作で“原点回帰”取材・文:東端哲也Interview ヴァイオリニストの宮本笑里が2017年にデビュー10周年を迎える。クラシック・ファンはもちろん、様々なメディアに登場して多岐にわたって活躍する姿が幅広い層から支持を集めている。 「ずっと目の前のことに必死で取り組み続けてきたのであっという間の10年間でした。デビュー・リサイタルでは、ひとりで長いプログラムを最後までやり遂げられるか不安だったのですが、客席からパワーをいただいて何とかやり遂げることができたことを覚えています。その気持ちはその後もずっと変わらずにいて、今でも皆さんに支えられていることが自分の原動力だと感じます」 この12月から記念の年にかけてのリサイタルでは、原点回帰のような王道ヴァイオリン・ソナタ2本を軸にしたプログラムを組んだ。 「フランクのソナタは、2009年のアルバム『dream』で第4楽章をレコーディングしたり、演奏会でも何度もとりあげてきました。しかし今回は出産後、母親になってから初めて弾くということもあり、これまでとは違った目線で新しい自分を音色で伝えてみたいです。ふだんから楽譜に何でも書き込むタイプなので、それこそフランクの楽譜なんてもう真っ黒なのです。この機会にまっさらな新しい楽譜を用意してステージに臨もうと思っています」 もうひとつの柱はデビュー時にサントリーホール(小ホール)で演奏して以来となるモーツァルトのソナタ第28番。 「自分から演奏したいと提案した曲なのですが、以前の私にとっては手に余る曲で、精一杯背伸びをして乗り切った思い出があります。あらためて楽譜を開いて、当時書き込んだ指使いについてのメモを見たら今のものとは違っていたので、それが成長の証しなのかもしれないと思っています」 一方、これまでにJ-POPを始め、数多のアーティストとTV番組での共演や楽曲コラボなどを重ねてきた。 「コラボは毎回、未知の世界ですが、スイッチをうまく切り替えるようにして飛び込んでいます。今はいろんな世界で演奏できることが楽しいです。クラシック音楽とヴァイオリンの魅力を沢山の人にアピールできますので」 現在、2歳半の女の子の母親として育児でも奮闘中。 「仕事で疲れた後でも、帰ったら育児やるぞ~って気になるんです。とにかくあきらめない、やればできるって思うようにしています。何かと忙しい師走ですが、ぜひお母さんたちにもコンサートホールまで足を運んで貰えたら嬉しいですね」2017.1/20(金)18:30 日経ホール問 日経ミューズサロン事務局  03-3943-7066http://www.nikkei-hall.com/第456回 日経ミューズサロンハンスイェルク・シェレンベルガー(オーボエ)と仲間たちオーボエ四重奏の極意に触れる一夜文:笹田和人ハンスイェルク・シェレンベルガー ©Gerhard Winkler ベルリン・フィル首席として名を馳せ、現在も“世界最高のオーボイスト”として君臨する一方、近年は指揮者としても、卓越した手腕を発揮しているハンスイェルク・シェレンベルガー。選りすぐりの名手を結集して、日経ミューズサロンのステージでオーボエ四重奏の極意を披露する。共演には、ニューヨークを拠点に国際的に活躍するヴァイオリニスト松山冴花、フィラデルフィア管で活躍した名ヴィオリストのクリスティアン・オイラー。そして、1991年に難関ジュネーヴ国際コンクールを制し、ミュンヘン音大教授を務めるチェリストのウェン=シン・ヤンという豪華な顔ぶれだ。 ステージでは、まず、この編成のために書かれた作品の中でも、“王道の名曲”ともいうべきモーツァルトのオーボエ四重奏曲を披露。そして、若書きながら、名品として知られるブリテンの「幻想曲」を。さらに、本来は弦楽四重奏のためのハイドン「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」を、オーボエ四重奏版による一味違った響きで聴かせる。

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