eぶらあぼ 2016.9月号
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68小曽根 真 & ゴンサロ・ルバルカバ “Jazz meets Classic” with 東京都交響楽団キューバの至宝ピアニストと“空前絶後”の共演文:藤本史昭billboard CLASSICS 西本智実の第九世界に向けて響かせる「歓喜の歌」文:笹田和人10/1(土)17:00 東京文化会館10/2(日)15:00 オリンパスホール八王子問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 http://www.t-bunka.jp9/24(土)14:00 兵庫県立芸術文化センター問 大阪アーティスト協会06-6135-05039/28(水)19:00 東京文化会館問 オフィスTEN 03-3593-3221http://billboard-cc.com どうやら彼にとって今年は“2台ピアノの年”であるようだ。5月に行われたチック・コリアとのデュオ・ツアーも記憶に新しい小曽根真が、今度は「“Jazz meets Classic” with 東京都交響楽団」で、キューバの至宝ピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバと共演する。 幼時からクラシックを学び、10代半ばからプロとして活動していたゴンサロが、巨匠ディジー・ガレスピーに見出されて“西側デビュー”を果たしたのは1985年のこと。強靱なテクニックに裏打ちされた、躍動と静謐が同居するオリジナルな音楽はまたたく間に人々を魅了し、のちに4度のグラミーに輝くことになる。 ジャンルに囚われない越境性という点では共通するスタンスを持つ小曽根とゴンサロ。そんな彼らが今回選んだのはバルトークの「2台ピアノと打楽器のための協奏曲」だ。ピアノの打楽器的側面とソノリティの妙を追求したこ 国際的な活躍を続ける指揮者の西本智実と、彼女が芸術監督兼首席指揮者を務めるイルミナートフィルハーモニーオーケストラ、イルミナートヴァチカン合唱団が、今年もカトリックの総本山で行われるヴァチカン国際音楽祭からの招請を受け、11月に楽聖ベートーヴェンの孤高の傑作「第九」こと交響曲第9番「合唱付」を演奏する。これに先立ち、世界に向けての「歓喜の歌」を響き渡らせる。 名門・ロシア国立響や同国立歌劇場の指揮者を外国人として初めて歴任、英ロイヤル・フィルやリンツ・ブルックナー管など世界30ヵ国のオーケストラと共演を重ねてきた西本。2013年にヴァチカン国際音楽祭から招請を受け、枢機卿ミサで長崎・平戸に伝わる「オラショ」の原曲となるグレゴリオ聖歌を455年ぶりに復元演奏した。以来、毎年、ローマ教皇代理ミサでの演奏の模様はヴァチカンTVによって世界35ヵ国へ中継。今年もサン・ピエトロ大聖堂での同ミサでの演奏の作品に、音楽の可能性にチャレンジし続ける2人がどのような新しいパースペクティヴをもたらすのか、期待は高まるばかり。また後半のジャズ・セッションも見逃せない。「ピアノで表現すること」にかけては互いに引けを取らない矜恃を胸に秘めているであろう彼らが繰り広げる世界は、まちがいなを予定している。 兵庫県立芸術文化センターと、東京文化会館でのステージは、まさにその“壮行会”と言えるかもしれない。西本は兵庫公演で大阪交響楽団、東京公演では手兵イルミナートフィルを振り、ソプラノ熊本佳永、アルト野上貴子、テノール二塚直紀、バリトン桝貴志(兵庫)・田中勉(東京)という豪華なソリスト陣を迎えて、有志で組織されたイルく空前絶後となるはずだ。 なおこのコンサートに先駆けて小曽根真のワークショップ「自分で見つける音楽 Vol.4」(9/21)が、またプラチナ・シリーズとしてゴンサロのソロ公演(10/6)もおこなわれるので(いずれも東京文化会館小ホール)、こちらも要チェックのこと。ミナートヴァチカン合唱団と共に熱演を展開。現地でも披露する、モーツァルトの「戴冠式ミサ」なども併せて演奏される。ゴンサロ・ルバルカバ ©Yasuhisa Yoneda小曽根 真 ©Yow Kobayashi西本智実 ©塩澤秀樹

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