eぶらあぼ 2016.8月号
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142■大野和士が新国立劇場オペラ部門 芸術監督就任へ 指揮者の大野和士が、新国立劇場の2018/19シーズンからのオペラ部門次期芸術監督予定者として芸術参与に就任することが6月21日に開催された新国立劇場運営財団理事会で決まった。芸術参与就任は2016年9月1日。芸術監督の任期は18年9月1日〜22年8月31日の4年間を予定している。 就任に際し大野は「今までのオペラ劇場での経験を生かし、今、旬を迎えている演出家の方々の招聘、海外の歌手の皆さんと共に、日本の実力者の方々を交えたキャステイングの実現などにも工夫をこらしたい」としながら、20年のオリンピック、パラリンピック開催への機運が高まるなか「今日に息づくオペラを作り上げ、日本の文化的な発信力をアピールすべく、新国立劇場が果たす役割は大変大きい。しっかりしたビジョンを持ち、20年へ向けての高揚が一過性のものにならないよう、将来を見据えていかなければなりません。課題は多いと思いますが、じっくりと仕事に取り組みたい」とのコメントを寄せている。 また、同理事会では尾﨑元規・理事長の再任(16年6月21日〜18年度に開催する定時評議員会終結時)、大原永子・舞踊部門芸術監督の再任(〜20年8月31日)のほか、小川絵梨子が2018/19シーズンからの演劇部門次期芸術監督予定者として芸術参与大原永子小川絵梨子 ©加藤 孝に就任することがあわせて発表された。小川の芸術参与就任は16年9月1日。芸術監督の任期は18年9月1日〜22年8月31日の4年間を予定している。新国立劇場http://www.nntt.jac.go.jp■「第24回 渡邉曉雄音楽基金」 受賞者が決定 「第24回(2016年度)渡邉曉雄音楽基金」音楽賞・特別賞の授賞式と記者会見が7月1日に都内で行われ、アレクサンドル・ラザレフ(指揮)、池辺晋一郎(作曲)、井上道義(指揮)が特別賞を受賞した。音楽賞は該当者なし。同基金は、指揮者の故・渡邉曉雄氏が戦後の日本音楽文化に残した業績を後世に引き継ぐため、1992年に創設。毎年、次代の音楽界を担う優秀な指揮者、およびオーケストラ界に貢献した関係者の顕彰を行っている。[顕彰理由]アレクサンドル・ラザレフ:日本フィルの首席指揮者としてプロコフィエフ、ショスタコーヴィチをはじめとするロシアの作曲家の作品への取り組みを通じて、「ロシアの魂」を楽団に刻み込み、オーケストラの機能を飛躍的に向上させるなど日本の楽団への多大な貢献が評価された。池辺晋一郎:現代日本を代表する作曲家の一人。作品は多岐にわたり、日本の音楽文化の牽引者として音楽界全体に多大な貢献を果たしている。また、音楽活動の振興、発展に大いに寄与しており、海外作品の紹介や、邦人作曲家作品の海外発信、後進の育成など、現代日本の作曲界に刻まれた足跡が評価された。井上道義:新日本フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢、大阪フィルハーモニー交響楽団の主要ポストを歴任し、日本オーケストラ界の発展に多大なる貢献を果たしてい左より、佐藤正治(井上道義代理 KAJIMOTOプロジェクト・アドバイザー)、池辺晋一郎、アレクサンドル・ラザレフ Photo:H.Yamada/Tokyo MDE大野和士 ©Rikimaru Hotta

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