eぶらあぼ 2016.7月号
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188オペラ指揮の第一人者であり、藤沢市民オペラ芸術監督を務める園田隆一郎が、とっておきのオペラの愉しみ方を“伝授”する人気シリーズ。第3弾では、イタリアの大家ロッシーニを特集する。ソプラノの高橋薫子とメゾソプラノの脇園彩を迎え、園田のピアノで《ラ・チェネレントラ》《セミラーミデ》などの傑作から、アリアや二重唱の旋律を選りすぐって披露。トークを交えつつ、その魅力の真髄へ迫る。日本楽壇の発展に貢献したドイツ人ピアニスト、レオニード・クロイツァーの功績を称え、毎年、ゆかりの3大学出身の優秀な若手ピアニストに贈られる「クロイツァー賞」。今回は、東京芸大出身の梅田智也がシューマン「ウィーンの謝肉祭の道化」など、国立音大大学院出身の伊藤明子がリスト「詩的で宗教的な調べ」から3曲、武蔵野音大出身の福井敬介(きょうすけ)がスクリャービン「詩曲」など、受賞者が熱演を披露する。エフゲニー・ザラフィアンツは、ロシア出身のピアノの名匠。6歳でピアノをはじめ、グネーシン音楽学校など名門校を首席で卒業するも、旧ソ連政権下で不本意な出来事にあい、活動を制限される身に。しかし、1993年のポゴレリッチ国際コンクール準優勝を機に、国際的な名声を得た。今回はベートーヴェンのソナタ第11番・第26番に、ショパンのバラード第1番やノクターン第16番ほか、2人の大作曲家を軸に。芥川也寸志の遺志を継ぎ、2002年の活動開始以来、邦人作品の紹介に力を注ぐオーケストラ・ニッポニカ。今回は野平一郎指揮、すみだ少年少女合唱団ほかの共演で、反戦の願いを込めた作品を特集。野平の「ある科学者の言葉」や間宮芳生「子供の領分」、諸井三郎「こどものための小交響曲」、1940年に日本政府からの委嘱でブリテンが作曲したが、日本初演までかなりの時間を要した「シンフォニア・ダ・レクイエム」を取り上げる。クラシックのテクニックをベースに、洋楽アーティストの名曲を鮮烈にカヴァーして話題を呼ぶ、ヴァイオリンの松浦梨沙と花井悠希、チェロ林はるか、ピアノ江頭美保による人気女性グループ「1966カルテット」。ちょうど50年前、ビートルズが“伝説”の日本武道館での公演を行い、グループ名の由来でもある1966年7月2日の熱狂に思いを馳せ、「イエスタデイ」「ヘイ・ジュード」など珠玉の名曲を披露する。ヴァイオリンの巨匠ピエール・アモイヤルが、世界中から若く優秀な演奏家を選りすぐり、2002年に結成した弦楽合奏団「カメラータ・ド・ローザンヌ」が初来日、鮮烈な調べを紡ぐ。浜離宮朝日ホール公演は、バッハ「2つのヴァイオリンのための協奏曲」で幕開け。ショスタコーヴィチ「弦楽八重奏のための前奏曲とスケルツォ」を挟み、後半では小品集や「フィレンツェの思い出」など、チャイコフスキーを特集する。月の71966カルテットビートルズ・クラシックス・コンサートクロイツァー記念会 第40回例会クロイツァー賞受賞者による演奏会エフゲニー・ザラフィアンツ(ピアノ)園田隆一郎のオペラを100倍楽しむ方法 Vol.3この胸のときめきを~ロッシーニの魅力~カメラータ・ド・ローザンヌオーケストラ・ニッポニカ 第29回演奏会 こどもの領分・反戦の願い7/2(土)14:00行徳文化ホール I&I7/10(日)14:00東京文化会館(小)7/9(土)18:00東京文化会館(小)7/3(日)15:00湘南台文化センター市民シアター7/11(月)19:00浜離宮朝日ホール7/10(日)14:30紀尾井ホール文:笹田和人園田隆一郎脇園彩©井村重人高橋薫子梅田智也福井敬介伊藤明子

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