eぶらあぼ 2016.6月号
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40レナード・スラットキン(指揮) フランス国立リヨン管弦楽団共演:ルノー・カプソン(ヴァイオリン)6/30(木)19:00 サントリーホールグレイテスト・ヒッツ:J.ウィリアムズの映画音楽The Magical World of John Williamswith Personal Talk by Leonard Slatkin6/27(月)19:00 フェスティバルホール6/29(水)19:00 NHKホール問 カジモト・イープラス0570-06-9960http://www.kajimotomusic.com※全国公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。 アメリカの名匠レナード・スラットキンが、フランス国立リヨン管弦楽団と2度目の日本ツアーを行う。2014年の前回は色彩的かつ造形確かな演奏を展開。音楽監督就任5年を経た今回は、さらなる名演への期待十分だ。 11年就任時と現在のリヨン管は「かなり違う」という。 「就任前のリヨン管は、意外なことにフランスものをあまり演奏していませんでした。私は最初の先生がフランス人で、この国の音楽も若い時に叩き込まれています。そこでベルリオーズから現代曲まで多くの作品を取り上げ、ラヴェルの録音プロジェクトも進めました。このほか様々なレパートリーを通じて、柔軟性が増したと思います。また優れた奏者が入り、町との関係も密になりました。何より凄いのは5年間で来客数が4割増えたこと。これは私も誇りに思います」 今回の演目の内、力を注ぐラヴェルの名曲は当然の聴きもの。そして「私が手を加えたバージョンで演奏する」ラヴェル編の「展覧会の絵」が要注目だ。 「ムソルグスキーのピアノ原曲により近づけました。例えば『ビドロ』。ラヴェル版ではソフトに始まりますが、ピアノ版同様に音を強くし、テューバにホルンを重ねています。ラヴェルが割愛した中間の『プロムナード』も冒頭と似た感じで加え、全体に彼が変えた音を原曲通りに直しました」 ブラームスの「悲劇的序曲」などのドイツものは意外だが、「フランスのオーケストラがドイツものを演奏するのは、今では普通のこと」との由。加えて、フランスの名ヴァイオリニスト、ルノー・カプソンが、やはりドイツものだが、艶美な持ち味に合ったブルッフの協奏曲を弾く。 「エネルギーのある素晴らしいヴァイオリニスト。何度も共演していますし、今回同行してくれて嬉しいですね。ブルッフは初共演ですが、ツアー前にリヨンで演奏します」 もうひとつの話題は、ジョン・ウィリアムズの映画音楽監督として最後の来日を、渾身のプログラムで飾る取材・文:柴田克彦音楽の公演。当初スピルバーグ作品のみだったが、『スター・ウォーズ』『ハリー・ポッター』などを含む有名曲総登場の内容に変更した。公演ではマエストロのトークも入る。 「こうした企画はリヨンではよくやっています。リヨンはリュミエール兄弟による映画発祥の地であり、私もハリウッド出身。映画音楽は交響曲やオペラ同様に大切です。今回は皆さんに楽しんでもらえるプログラムを組みましたし、ウィリアムズに関する面白い話も披露したいと思います」 こう話すように、彼はウィリアムズと非常に親しい関係にある。 「父も母も叔父もハリウッドで有名な音楽家でしたから、様々な著名人が家に来ていて、彼とは1950年代後半からの付き合い。ロスに行くと必ず会います。現在彼ほど高いレベルの映画音楽を書いている人はいないでしょう。『運命』は最初の4音で曲がわかりますが、『ジョーズ』は2音、『スター・ウォーズ』にいたってはたった1音でわかります。これは凄いことです」 『インディ・ジョーンズ』『E.T.』といったスピルバーグ映画の名曲も、もちろん演奏される。 「スピルバーグも親しい友人です。彼は、『E.T.』の最後の場面をウィリアムズの音楽に沿って編集し直したのです! そんなことは普通絶対有り得ません。だからこそ観客が涙を浮かべる。私もこの部分が一番好きです」interview レナード・スラットキンLeonard Slatkin/指揮©Niko Rodamel

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