eぶらあぼ 2016.6月号
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202N響首席オーボエ奏者の茂木大輔による指揮と楽しいトークが好評の、“大人のための音楽鑑賞教室”。その第12弾はドヴォルザークをテーマに、「アメリカからの望郷」と題して。名手たちで特別に編成された「もぎオケ交響団」の演奏で、スイス在住のチェロの新星・新倉瞳をソリストに迎えての協奏曲や、交響曲第9番「新世界より」など不朽の名曲にスポットを当て、そこに隠された秘密を解き明かしてゆく。大貫裕子は東京芸大からウィーン市立音楽院に学び、在学中にベルギー・アントワープ歌劇場でデビューを果たし、国内外の檜舞台で活躍を続ける実力派ソプラノ。ピアノの木村裕平の共演によるリサイタルでは、シューマン「女の愛と生涯」や山田耕筰「風に寄せてうたへる春のうた」各全曲をはじめ、ドニゼッティ、グノー、プーランク、ヘンデルのオペラ・アリアなど多彩に。さながら、歌の花束のよう。ベートーヴェン生誕250年となる2020年に向けたプロジェクト第5弾に、知的な感性と高い音楽性で国際的に活躍するピアノの小菅優が登場。ソナタ全曲の録音とツアーを終えた名手が、新たな“ベートーヴェン詣”へと旅立つ。今回は、ヴァイオリンの川久保賜紀、ヴィオラの川本嘉子、チェロの趙静という豪華な“同行者”との2つのピアノ四重奏曲に、ソナタ第1、17番を披露。西原稔・桐朋学園大教授が案内役を務める。ソロはもちろん、デュオや室内楽、ステージや録音を通じて、深みある独創的な響きの世界を構築しているピアノの石田多紀乃。1994年から毎年開いているリサイタルも、20回を超えた。今回は、ドイツ東部の古都ライプツィヒがテーマ。ここで後半生を過ごしたバッハの「半音階的幻想曲とフーガ」をはじめ、メンデルスゾーン、シューマン、グリーグと“音楽の聖地”にゆかりの作曲家の手になる佳品を共鳴させてゆく。「今までで最も印象深い経験となりました」。昨年開かれた浜松国際ピアノコンクールで、第3位に入賞したアレクセイ・メリニコフは振り返る。モスクワ音楽院に学び、数々の登竜門で実績を重ねた俊英ピアニスト。再び日本の聴衆の前に降り立ってのステージでは、リストの大作ソナタとムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」に、バッハの小品2曲を添えて。「会場でお会いできるのを楽しみにしています」と話す。たった一挺のチェロで、これほど奥深い世界が構築できるとは! チェロの新たな可能性を拓く先鋭的な企画を打ち出し、ソロや室内楽、主要楽団の首席客演と多彩に活躍する丸山泰雄。今回はバッハの組曲第1番、コダーイのソナタを軸に、ブリテン、カサド、黛敏郎と無伴奏の地平に挑む。「これは、チェロ演奏の水準を飛躍的に高めた巨匠たちへのオマージュでもある」と丸山。驚きの向こうに、真の音楽がある。月の6カワイコンサート2016アレクセイ・メリニコフ(ピアノ)大貫裕子(ソプラノ)石田多紀乃(ピアノ)第11回小金井音楽談話室 おひとり様ですが何か?丸山泰雄 無伴奏チェロ・ライヴ!!茂木大輔のオーケストラ・コンサートNo.12「アメリカからの望郷:ドヴォルザーク」第29回 くにたち兼松講堂 音楽の森コンサート小菅 優の“ベートーヴェン詣”6/3(金)19:00渋谷区文化総合センター大和田さくらホール6/12(日)14:00王子ホール6/4(土)15:00王子ホール6/3(金)19:00小金井 宮地楽器ホール(小)6/12(日)16:00りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館6/12(日)14:00一橋大学兼松講堂文:笹田和人 ©T.Osato 小菅 優 ©Marco Borggreve新倉 瞳©ミューズエンターテインメント茂木大輔

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