eぶらあぼ 2016.5月号
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54第6回 立川オペラ愛好会 ガラコンサート名歌手たちの夢の饗宴トップスターたちが集結しての華麗なるステージ文:宮本 明ウィーン・スペシャル・ガラウィーン・フィル3人の首席による至高のモーツァルト文:笹田和人7/10(日)14:00 たましんRISURUホール(立川市市民会館)問 立川オペラ愛好会事務局090-8842-5852(渡辺)ウィーン・スペシャル・ガラ6/5(日)13:30 Bunkamuraオーチャードホール問 サンライズプロモーション東京0570-00-3337ウィーン・フィル トップメンバーによる室内楽の夕べ6/4(土)19:00 東京文化会館(小)問 パシフィック・コンサート・マネジメント03-3552-3831 http://www.pacific-concert.co.jp これは楽しみ。今年で6回目を迎える『立川オペラ愛好会 ガラコンサート~名歌手たちの夢の饗宴』は市民の愛好家団体が主催するコンサートなのだが、看板に偽りなし。豪華出演者たちが一堂に会する、滅多にお目にかかれない、まさに“夢の饗宴”だ。出演者は砂川涼子、光岡暁恵(以上ソプラノ)、谷口睦美(メゾソプラノ)、福井敬、村上敏明、望月哲也(以上テノール)、牧野正人、森口賢二(以上バリトン)、河原忠之(ピアノ)。なんといってもテノールがすごい。50歳代の福井、40歳代の村上と望月は、そ 2011年にウィーン・フィル170年の歴史で初の女性コンサートマスターに就任して、一躍“時の人”となったアルベナ・ダナイローヴァ。同フィルの首席ソロ・ヴィオラ奏者を務めるトビアス(トバイアス)・リー、首席ソロ・フルート奏者でソリストとしても大活躍のカール=ハインツ・シュッツと共に初夏の日本で、“夢の競演”を果たす。 ブルガリア生まれのダナイローヴァは、バイエルン州立歌劇場管やロンドン・フィルのコンサートマスターを経て、08年にウィーン国立歌劇場管、3年後からはウィーン・フィルのコンマスも兼任し、“女人禁制”だった名門に、新たな歴史を刻んでいる。その一方で、美音と音楽性に恵まれた、優れたソリストとしても注目を集めている。 そんな彼女を筆頭に、3人の首席奏者をソリストに迎えて、美しい音色を堪能するのが、『ウィーン・スペシャル・ガラ』。飯森範親指揮の東京交響楽団の共演れぞれの世代で現在の日本のテノール界のトップランナーと呼ぶべき実力の持ち主たち。これ以外で彼ら3人が声を競う機会があるとすれば、お正月の番組用公開コンサートぐらいしかないのでは。 また、今回彼らがソロで歌うのは、望月が〈オシアンの歌〉~《ウェルテル》と〈人知れぬ涙〉~《愛の妙薬》、村上が〈花の歌〉~《カルメン》、そして福井の〈誰も寝てはならぬ〉~《トゥーランドッで、ダナイローヴァはリーと共にモーツァルトの協奏交響曲を、シュッツがフルート協奏曲第1番を披露。さらに、飯森と東響が、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」を添える。 また、その前夜、名手たちは『室内楽の夕べ』にも出演。ベートーヴェン「セレナード ニ長調 op.25」など3人が顔を揃えての佳品はもちろん、ダナイローヴァが同じくソナタ第5番「春」、シュッツがシューベルトの「しぼト》。どうして聴き逃すことができるだろうか。いやできない。そしてもちろん、砂川、光岡という藤原歌劇団プリマの美しき若手ツートップ、天が二物を与えた美貌の実力派大型メゾ谷口睦美、バロックからロマン派オペラまで卓越した歌唱力を持つ牧野正人、豊かな声に類い稀なショーマンシップも併せ持つ森口賢二、そして名人・河原忠之のピアノががっしりと支える布陣も完全無欠だ。める花」による序奏と変奏曲、リーがブラームスのソナタ第2番と、ピアノの加藤洋之を伴い、それぞれのソロもたっぷりと聴かせる。望月哲也 ©Kohei Take砂川涼子谷口睦美光岡暁恵福井 敬村上敏明カール=ハインツ・シュッツ ©Armin Plankensteinerトビアス(トバイアス)・リーアルベナ・ダナイローヴァ

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