eぶらあぼ 2016.4月号
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72カール=ハインツ・シュッツ(フルート)フルート界最高峰の卓越した音楽性文:笹田和人アルカスSASEBO オリジナル「Mプロジェクト」武満徹の音楽を多角的に見つめ直す文:宮本 明4/28(木)19:00 フィリアホール問 パシフィック・コンサート・マネジメント03-3552-3831 http://www.pacific-concert.co.jp他公演4/26(火)いずみホール(06-6944-1188)、4/27(水)宗次ホール(052-265-1718)5/8(日)15:00 エマニュエル・パユ with フレンズ・オブ・ベルリン・フィル7/2(土)19:00 武満徹 映画音楽の世界9/22(木・祝)15:00 池辺晋一郎&N響団友オーケストラ*12/3(土)15:00 アルカス・クァルテット 第6回定期演奏会アルカスSASEBO 中ホール *9/22のみ 大ホール問 アルカスSASEBO 0956-42-1111 http://www.arkas.or.jp※各公演の発売日を含む詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。 「現代フルート界を代表する名手」と言い切っても、誰も異論はないだろう。ウィーン国立歌劇場管弦楽団とウィーン・フィルの首席奏者を務め、ソロやウィーン・リング・アンサンブルなど数々の室内アンサンブルでも、骨太かつ温かな美音を披露して、わが国でもファンの多いカール=ハインツ・シュッツ。 オーストリア出身で、オーレル・ニコレら錚々たる巨匠に師事。1999年のクラクフ国際コンクールをはじめ数々の名門コンクールを制し、ソリストとして名門オーケストラと共演を重ねる一方、シュトゥットガルト・フィルやウィーン響の首席奏者も歴任。2011年にはウィーン・フィルの首席に就任した。日本では、パシフィック・ミュージック・フェスティバルなどで、後進の指導にも力を注いできた。昨年12月にはバッハ父子の作品を集めた無伴奏アルバム アルカスSASEBOは、長崎県・佐世保駅にほど近い、2000席の大ホールと500席の中ホールを中核とする公共の文化施設。同ホールの新企画『Mプロジェクト』は、発信者のやる気を感じさせる意欲的な仕掛けが満載。1年間、複数の主催公演にまたがって、一人の作曲家に注目したプログラムを組む。初回の2016年度は、没後20年の武満徹がテーマ。各公演の“タケミツ”色は多彩で、個展もあれば、他の作曲家との音楽的関わりに着目したプログラムもあり、さまざまな視点から遠近法的に武満の音楽が浮かび上がる。 5月はフルートの名手エマニュエル・(カメラータ・トウキョウ)を発表。「フルートの新たな可能性を切り拓く名演」と話題を呼んでいる。 今回の来日リサイタルは、パリで長年研鑽を積んだピアニストの長崎麻里香と共演。フルート・ソナタの名作であるプーランクの「ソナタ」、ブーレーズ「ソナチネ」、モーツァルト「ヴァイオリン・ソナタ第25番」のフルート版、自らの編曲によるプロコフィエフの組曲「ロメオとジュリエット」を軸に据えた。ここへ、ゴーベール「ソナタ第3番」と最新アルバムにも収録したC.P.E.バッハ「無伴奏ソナタ イ短調」が配される。至福の時間が、お約束できよう。パユとベルリン・フィル・メンバーの室内楽。パユが独奏曲「ヴォイス」を吹く。彼の師であるオーレル・ニコレに献呈された作品だ。7月は武満の映画音楽特集。奏者が豪華。coba(アコーディオン)、渡辺香津美(ギター)、鈴木大介(ギター)、ヤヒロトモヒロ(パーカッション)。武満ファンなら「おおっ」と唸る、カーネギーホールなどでも実績のあるセッションだ。9月にはおなじみ池辺晋一郎指揮のオーケストラ公演で「3つの映画音楽」が披露される。12月にはレジデントのアルカス・クァルテットが登場。武満の「ア・ウェイ・アローン」を軸に、彼の創作に影響を与えた作品を並べる。©Armin Plankensteiner鈴木大介池辺晋一郎アルカス・クァルテットエマニュエル・パユ©Josef Fischnaller licensed to EMI Classics

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