eぶらあぼ 2016.3月号
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70抜メンバーによるこの日限りのオーケストラ)によるコンサートは、神奈川フィル常任指揮者を務め、大胆なアプローチと綿密な楽譜の読み込みで高い評価を受けている川瀬賢太郎の指揮で、映画音楽の第一人者ジョン・ウィリアムズの「オリンピック・ファンファーレとテーマ」、『スター・ウォーズ』組曲を演第6回 仙台国際音楽コンクール若い才能たちがコンチェルトで火花を散らす文:高坂はる香第10回 オーケストラの日オーケストラを“観て、聴いて、知る”文:長井進之介【ヴァイオリン部門】予選:5/21(土)~5/23(月) セミファイナル:5/27(金)~5/29(日)ファイナル:6/2(木)~6/4(土) 入賞者記念ガラコンサート:6/5(日)【ピアノ部門】予選:6/11(土)~6/13(月) セミファイナル:6/17(金)~6/19(日)ファイナル:6/23(木)~6/25(土) 入賞者記念ガラコンサート:6/26(日)日立システムズホール仙台コンサートホール(仙台市青年文化センター)問 仙台国際音楽コンクール事務局022-727-1872 http://simc.jp3/31(木) 11:00~無料イベント 15:00 オーケストラの日祝祭管弦楽団コンサート文京シビックホール問 日本オーケストラ連盟03-5610-7275 http://www.orchestra.or.jp 2001年に創設され、今年第6回目の開催を迎える仙台国際音楽コンクール。5月21日~6月5日にはヴァイオリン部門が、6月11日~26日にはピアノ部門が行われる。ヨーロッパの歴史あるものに比べれば若いコンクールだが、課題曲を協奏曲中心とする特色のため、初回から実力ある出場者が集って注目された。彼らにとって、コンクールの早いラウンドからプロのオーケストラと共演できることは大きな魅力なのだ。過去の入賞者に、ピアノ部門ではユジャ・ワンやヴァディム・ホロデンコ(ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝)、ヴァイオリン部門では松山冴花やクララ・ジュミ・カンなどがいる。 今回の開催の特徴をいくつか見ていこう。まず、ヴァイオリン部門の審査委員長には新たに堀米ゆず子が就任、ファイナルではギドン・クレーメルも審査委員を務める。また、両部門ともファイナルの協奏曲はこれまでの1曲から2曲となり、より聴きごたえが増す。日本のプロ・オーケストラが加盟する公益社団法人日本オーケストラ連盟は2006年、3月31日を「オーケストラの日」と制定した。「ミミにいちばん!」との語呂合わせによるものだ。以降、毎年3月31日には、全国各地域でオーケストラを身近に感じるために、質の高い演奏によるコンサートと、様々な無料イベントを行っている。 東京の文京シビックホールでは、首都圏のプロ・オーケストラが参加したイベントが開催される。オーケストラを紹介する「オーケストラ広場」、感動のステージの裏側を探る「バックステージツアー」(要整理券)、様々な楽器の音色を楽しむ「楽器体験」や普段見ることのできない最終リハーサルの様子を見ることができる「ゲネプロ公開」など、オーケストラを、“観て、聴いて、知る”ためのイベントが目白押しである。メインとなる「オーケストラの日祝祭管弦楽団」(首都圏のプロ・オーケストラの選 共演する指揮者は、ヴァイオリン部門が広上淳一、ピアノ部門がパスカル・ヴェロ。ヴェロは06年の仙台フィル常任指揮者就任以来、意欲的なプログラミングで同オーケストラを牽引する存在でもある。二人のベテラン指揮者が、コンクールという特殊な状況で若者とどんな音楽を創りだすのかも興味深い。 審査は公開で実施され、演奏はネットでも配信される。予選から聴いていけば、自分だけのお気に入りの若手奏者と出会えるかもしれない。 出場者は2月15日に発表されたばかり。本大会を楽しみに待ちたい。奏する。さらに2009年のエリザベート王妃国際コンクールで、圧倒的な評価を得て最年少優勝したレイ・チェンをソリストに迎え、ブルッフの「ヴァイオリン協奏曲第1番」も披露。オーケストラの魅力を多角的に味わえる一日限りのスペシャルイベントで、とびきり贅沢な時間を堪能しよう。前回の模様(ピアノ部門優勝のソヌ・イェゴン) 写真提供:仙台国際音楽コンクールオーケストラの日祝祭管弦楽団 レイ・チェン ©Chris Dunlop川瀬賢太郎 ©Yoshinori Kurosawa

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