eぶらあぼ 2016.3月号
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1945月の見もの・聴きもの2016年5月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン芸術週間[会場:無印=ムジークフェライン大ホール(ウィーン)、(TA)=アン・デア・ウィーン劇場(ウィーン)](5月分/主要公演のみ)5月8(11:00)日 Z.メータ指揮ウィーン・フィルマーラー:交響曲第2番「復活」 独/C.ライスS、E.クルマンA5月9(19:30)日 A.ネルソンス指揮ボストン響ショスタコーヴィチ:ハムレット(組曲)、ラフマニノフ:12のロマンス〜美しい場所、チャイコフスキー:エフゲニー・オネーギン〜手紙の場、ドビュッシー:海、ラヴェル:ラ・ヴァルス 独/K.オポライスS5月10(19:30)日 A.ネルソンス指揮ボストン響 マーラー:交響曲第9番5月11(19:30)、13(19:30)日 P.ジョルダン指揮ウィーン響 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番、バルトーク:青ひげ公の城 独/P.L.エマールp、V.ウルマーナMs、G.ブレッツBs5月12(19:30)日 R.ブッフビンダーp ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第11番、第20番、第8番「悲愴」、第25番、第21番「ワルトシュタイン」◎5月19(19:30)日 K.ツィメルマンp ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番、シューベルトの作品★◎5月19(19:30)(TA)、20(19:30)(TA)日M.ヴァインベルク:旅行者(Die Passagierin)[プレミエ] 指/C.ゲトショルト、演出/A.ヴェーバー、演奏/フランクフルト・オーパー&ムゼウム管◎5月20(19:30)日 E=P.サロネン指揮ウィーン・フィル ベートーヴェン:シュテファン王〜序曲、ブラームス:ヴァイオリン協奏曲、シューマン:交響曲第3番「ライン」 独/L.バティアシュヴィリvn5月21(19:30)日 T.ソヒエフ指揮トゥールーズ・キャピトル国立管 ベルリオーズ:ローマの謝肉祭(序曲)、デュティユー:チェロ協奏曲「遙かなる遠い国へ」、ドビュッシー:海、ストラヴィンスキー:火の鳥組曲(1919年版) 独/G.カプソンvn5月23(19:30)、24(19:30)日 T.ソヒエフ指揮トゥールーズ・キャピトル国立管 ベルリオーズ:レクイエム 独/S.ピルギュT5月26(19:30)日 M.ホーネック指揮ピッツバーグ響 ハイドン:交響曲第93番、B.ハルトル:打楽器協奏曲、チャイコフスキー:交響曲第4番 独/M.グルービンガーpc5月27(19:30)日 M.ホーネック指揮ピッツバーグ響 ドヴォルザーク:謝肉祭(序曲)、リスト:ピアノ協奏曲第1番、チャイコフスキー:交響曲第5番 独/D.トリフォノフp5月28(15:30)日 M.ホーネック指揮ピッツバーグ響 ベートーヴェン:コリオラン(序曲)、ベルク:ヴァイオリン協奏曲、チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 独/L.カヴァコスvn5月30(19:30)日 D.ファソリス指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス演奏会 ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 独/G.キューマイヤーS、W.レームクールA、S.ダヴィスリムT、L.ピサロニBs◎5月31(19:30)日 M.ハーゼルベック指揮ウィーン・アカデミー管 シューベルト:交響曲第3番、メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番、モーツァルト:交響曲第39番 独/A.メルニコフpウィーン国立歌劇場5月1、5、8、12日 プッチーニ:トゥーランドット[16年4月プレミエ] 指/G.ドゥダメル、演出/M.A.マレッリ、出/L.リンドストローム、H.ツェドニク、J.ボータ5月3、7、11日 ベートーヴェン:フィデリオ 指/P.シュナイダー、演出/O.シェンク、出/E.シリンズ、R.D.スミス、A.シュヴァネヴィルムス、L.ヴォルト5月6、9、13、16日 ムソルグスキー:ボリス・ゴドゥノフ 指/M.レトーニャ、演出/Y.ココス、出/R.パーペ、N.エルンスト◎5月10、14、18、21日 ワーグナー:ローエングリン 指/J.ヴァン・ズヴェーデン、演出/A.ホモキ、出/ヨン・クヴァンチュル、B.フリッツ、C.ニュールンド、T.J.マイヤー◎5月17、20、23日 ヴェルディ:椿姫 指/M.アルミリアート、演出/J.F.シヴァディエ、出/M.レベカ、D.ポポフ、P.ドミンゴ5月22、25、29日 ヴェルディ:ドン・カルロ(4幕・イタリア語版) 指/チョン・ミョンフン、演出/D.アバド、出/R.パーペ、R.ヴァルガス、L.テジエ、A.ハルテロス◎5月24、27、30日 ヴェルディ:シモン・ボッカネグラ 指/M.アルミリアート、演出/P.シュタイン、出/D.ホロストフスキー、F.フルラネット、F.メリ、B.フリットリウィーン・フォルクスオーパー5月1(19:00)、5(19:00)、8(16:30)日 ミレッカー:乞食学生[16年4月プレミエ] 演出/A.プライスラー5月2(18:00)、3(11:00)、10(19:00)、11(19:00)、13(19:00)、15(19:00)、16(19:00)、20(19:00)、27(19:00)、28(18:00)、31(18:00)日 R.ロジャーズ:サウンド・オブ・ミュージック(ミュージカル) 演出/R.ドゥセ 5月4(19:00)、7(19:00)日 モーツァルト:魔笛 演出/H.ローナー 5月12(19:00)、14(19:00)、18(19:00)、19(19:00)、21(19:00)、22(19:00)、25(19:00)、26(19:00)、29(19:00)、30(18:00)日J.ボック:アナテフカ(ミュージカル) 演出/M.ダヴィッズアン・デア・ウィーン劇場◎5月2(19:00)日 R.シュトラウス:カプリッチョ[16年4月プレミエ] 指/B.ドゥ・ビリー、演出/T.ギュルバカ、演奏/ウィーン響★◎5月19(19:30)、20(19:30)日 M.ヴァ【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 5月は本来、引退したアーノンクールが手兵ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(CMW)とともにベートーヴェンの「第9」を演奏するという大注目公演があったのだが、スイスで古楽団体イ・バロッキスティを率いるディエゴ・ファソリスに指揮が代わった。CMWがいろいろな古楽指揮者とのマッチングを果たすという興味では面白い組み合わせではあろう。 さて「ウィーン芸術週間」(今年の開催担当ホールはムジークフェライン)では、上記CMWの他に、エサ=ペッカ・サロネンが久々にウィーン・フィルに登場するという注目公演がある。当初予定されていたプログラムのプロコフィエフ「ロメオとジュリエット」がシューマンの交響曲第3番「ライン」に変更されたのは個人的にはやや残念だが、ウィーンのオーケストラも聴衆もよくよく知り尽くしたシューマンの曲を敢えて取り上げるというのは、ある意味スリリングな挑戦で、これはこれで楽しみではある。なお、ウィーン芸術週間では、ここ数年注目を集めているポーランド出身の作曲家ミェチスワフ・ヴァインベルクのオペラ「旅行者」がアン・デア・ウィーン劇場で上演されるのも興味を惹く(プロダクションはフランクフルト歌劇場のもの)。 他の音楽祭では、ザルツブルク聖霊降臨祭音楽祭で、何とバーンスタインの「ウェスト・サイド・ストーリー」がバルトリの出演で上演されるというのが大注目。この音楽祭の今年のテーマ「ロメオとジュリエット」の一環としての企画であろう。ジンガレッリの「ジュリエッタとロメオ」もめったに聴けない1796年作のオペラ。また、本文では詳細を紹介できなかったが、「プラハの春」音楽祭で恒例のスメタナ「わが祖国」をチェコ・フィルとともに演奏するのはパーヴォ・ヤルヴィという異色の組み合わせになった。詳細はwww.festival.cz/en/programmeを参照。 一般のオペラ公演では、さすがに5月はワーグナー関係(ワーグナーの誕生日は5月22日)に注目公演が多い。まずは、ミュンヘン、バイエルン州立歌劇場でのキリル・ペトレンコ指揮の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。バイロイトでの「リング」の指揮をヤノフスキに譲り、やっとミュンヘンで大作に挑んでくれる。ティーレマンがドレスデン・ゼンパーオーパーで上演する「ローエングリン」にはエルザ役でネトレプコが出演予定のため、チケットは早々に完売。ネトレプコ人気は相変わらずだ。ライプツィヒ歌劇場で上演される「リング」ツィクルスはゴールデン・ウィークに絡めて旅行するには絶好の演目だが、こちらのチケットもだいぶ厳しくなっているらしい。ワーグナー以外では、ベルリン州立歌劇場でバレンボイムの振るマルティヌー「ジュリエッタ」、コーミッシェオーパーのH.K.グルーバー「ウィーンの森の物語」、ケルン歌劇場のリーム「メキシコ征服」(コンヴィチュニー演出)、ハンブルク州立歌劇場のウェーバー「魔弾の射手」(これもコンヴィチュニー演出。久しぶりの再演)、パリ・オペラ座(バスティーユ)のライマン「リア王」(ビエイト演出)、ヘンゲルブロック指揮・演出のパーセル「ディドとエネアス」(バルタザール・ノイマン・アンサンブルの項を参照)、チェルニアコフ演出のドビュッシー「ペレアスとメリザンド」とクリスティ指揮のヘンデル「オルランド」(共にチューリッヒ歌劇場)、スカラ座でのミンコフスキ指揮のラヴェルなど枚挙にいとまがない。ケルンのフィルハーモニーで5月上旬に開催される現代音楽系の「アハト・ブリュッケン音楽祭」も要注目。オーケストラでは、バイエルン放送響をラトルが振るハイドンの「四季」、ピアノではドレスデン音楽祭でエマールが演奏するメシアンの「鳥のカタログ」が特に注目。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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