eぶらあぼ 2015.10月号
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90ドレスデン聖十字架教会合唱団 クリスマス・コンサート名門合唱団が聴かせる聖なる調べ文:加藤浩子活動30周年千住 明 個展コンサート 2015 with Orchestra人気曲の数々を豪華ゲストを迎えて文:宮本 明12/1(火)13:30 東京オペラシティ コンサートホール問 ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 http://www.japanarts.co.jp9/25(金)18:30 愛知県芸術劇場大ホール問 プランディール音楽事務所052-955-560610/8(木)18:30 フェスティバルホール問 キョードーインフォメーション0570-200-88810/21(水)19:00 Bunkamuraオーチャードホール問 キョードー東京0570-550-799 世界中から、一流のオペラやオーケストラが訪れる音楽大国日本。そんな日本で、残念ながらまだ欠けているもの、それは教会で営まれる音楽だろう。日々の礼拝や、クリスマスや復活祭のような祝日に演奏される音楽~それは、ヨーロッパの音楽生活の深々とした根っこである。教会に通い、オルガンの響きや聖歌隊の歌に触れ、時に自分たちも唱和する、それは、オペラやコンサートが盛んになる遥か前から、繰り返されている人々の営みなのだ。 ドレスデン聖十字架教会合唱団は、そのようなヨーロッパ音楽の伝統を、最も美しいかたちで今に伝える名少年合唱団である。ラテン語学校の合唱団として創設されて以来、およそ800年に及ぶ歴史を持ち、「ドイツ音楽の父」と呼ばれる大作曲家ハインリッヒ・シュッツをはじめ多くの巨匠の薫陶を 映画・ドラマの音楽からCM、純音楽まで、作曲家・プロデューサーとして活躍する千住明が、活動30周年を記念して、東京、名古屋、大阪で個展コンサートを開く。3公演それぞれ趣向が盛り沢山の内容で、豪華ゲストとの共演をゴージャスなオーケストラ・サウンドが彩る。各公演とも前半は、「風林火山」「アルジャーノンに花束を」等々、ドラマや映画、アニメなど映像作品のための音楽。そして後半のゲストがすごい。 名古屋では、大貫妙子と石井竜也(米米CLUB)という二人のヴォーカリストが登場。30年前、慶應を中退して東京芸大に入学した千住の最初の仕事が大貫妙子のアルバム『アフリカ動物パズル』だった。千住編曲による「君がいるだけで」の初のフルオーケストラ・ヴァージョンも。 大阪のゲストは谷村新司と辛島美登里。名曲「いい日旅立ち」「サイレント・受けてきた。ドレスデンの旧市街に堂々とそびえる聖十字架教会の音響効果抜群の堂内で、聖十字架教会合唱団の歌声に接することは、ドイツ音楽の原点を体験することに他ならない。 今回のプログラムは、クリスマスを待つ待降節のために作曲された音楽が中心だが、「ハレルヤ」やバッハ(グイブ」が千住マジックで装い新たなサウンドをまとう。 そして東京公演には千住真理子と千住博が登場。実に15年ぶりという3兄妹の共演だ。次兄・明のヴァイオリン協奏曲「リターン・トゥ・ザ・フォレスト」を妹が弾き、長兄・博が初挑戦のプロジェクション・マッピングで加わる。そしてさらに、ピアノの若林顕がゲスト出演。ドラマ『砂の器』(2004)の劇中で重要な役割を果たしたピアノ協奏曲「宿命」を披露する。 できれば3都市追っかけて全部聴きたい、楽しく華やかなお祝いになりそうだ。ノー編)「アヴェ・マリア」のようなポピュラーな名曲に加え、「菩堤樹」や「ローレライ」などのドイツ民謡も含まれている。礼拝同様に、オルガンがコンサート導入を飾るのも嬉しい。ドレスデン市民から愛されるカントール、ローデリッヒ・クライレの暖かな指揮ぶりに触れられるのも楽しみだ。千住 明 Photo:Yoshihiro Kawaguchi

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