eぶらあぼ 2015.10月号
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22412月の見もの・聴きもの2015年12月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場12月1、4日 フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル[15年11月プレミエ] 指/P.ランゲ、演出/A.ノーブル、出/A.エレート、J.ベヒレ、M.プルンマー、V.ナフォルニタ12月2、5、8日 プッチーニ:トスカ 指/D.エッティンガー、演出/M.ヴァルマン、出/M.セラフィン、R.アラーニャ、M.フォッレ12月3日 モーツァルト:フィガロの結婚 指/J.ガフィガン、演出/J.L.マルティノーティ、出/A.プラチェトカ、O.ベズスメルトナ12月6、11、16、19日 R.シュトラウス:ばらの騎士 指/A.フィッシャー、演出/O.シェンク、出/A.ハルテロス、P.ローズ、R.フレンケル/S.ハウツィール(16/19日)12月7、10日 R.シュトラウス:サロメ 指/D.R.デイヴィス、演出/B.バルロク、出/H.ペコラロ、C.ウィルソン、L.リンドストローム、T.コニエチュニ★◎12月13、15、18、20、23日 ヤナーチェク:マクロプーロス事件[プレミエ] 指/J.フルシャ、演出/P.シュタイン、出/L.エイキン、R.トロスト、M.グリツコヴァ、M.マルクァルト、N.エルンスト、H.ツェドニク12月22、26、29日 ロッシーニ:チェネレントラ指/M.ギュトラー、演出/S.E.ベヒトルフ、出/A.シラグーザ、A.アルドゥイーニ、A.コルベッリ、R.フレンケル◎12月31日 ヨハン・シュトラウス:こうもり 指/S.ゾルテス、演出/O.シェンク、出/A.エレート、P.M.シュニッツァー、J.シュメッケンベッヒャー、P.ザイフェルトウィーン・フォルクスオーパー12月1(19:00)、3(19:00)、9(19:00)、12(19:00)、15(19:00)日 モーツァルト:ドン・ジョヴァンニ[15年11月プレミエ] 演出/A.フライヤー12月2(19:00)、31(19:00+13:30)日 ヨハン・シュトラウス:こうもり 演出/R.ヘルツル、新校訂演出/H.ツェドニク12月4(19:30)、7(19:00)、14(19:30)日 ベナツキー:白馬亭にて[15年9月プレミエ]演出/J.E.ケプリンガー12月5(18:00)、6(11:00)、11(18:30)、17(19:00)、27(17:00)、29(18:00)日 H.アーレン:オズの魔法使い 演出/H.メイソン 12月16(19:00)、21(19:00)、30(19:00)日E.カールマン:チャールダーシュの女王 演出/R.ヘルツル◎12月19(19:00)、26(19:00)日 プッチーニ:ラ・ボエーム 演出/H.クップファー12月23(18:00)、25(17:00)、28(18:00)日フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル 演出/K.デンヒアン・デア・ウィーン劇場★◎12月12(19:00)、14(19:00)、16(19:00)、20(19:00)、22(19:00)日 ブリテン:ピーター・グライムズ[プレミエ] 指/C.マイスター、演出/C.ロイ、出/K.シュトライト、A.アイヒェンホルツ、H.シュヴァルツ、演奏/ウィーン放送響◎12月13(19:30)日 J.C.スピノージ指揮アンサンブル・マテウス ロッシニマニア(ロッシーニ、モーツァルトのアリア・コンサート) 独/M.N.ルミューA◎12月18(19:00)日 リュリ:アルミード(演奏会形式) 指/C.ルセ、出/H.ル・コル、M.C.シャピュイ、M.A.アンリ、A.フィグエロア、D.ウィリアムズ、J.ヴェロネース、P.カボンゴ、演奏/レ・タラン・リリク12月31(19:30)日 ジルヴェスター・ガラ 独/A.キルヒシュラーガーMs、A.S.フォン・オッターMs 共/R.カイデロン指揮ウィーン室内管ウィーン・フィル[会場:ムジークフェライン(ウィーン)]◎12月12(15:30)、13(11:00)日 C.ティーレマン指揮 ウェーバー:オベロン〜序曲、リスト:ピアノ協奏曲第2番、チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 独/Y.ブロンフマンp◎12月30(11:00)、31(19:30)日 M.ヤンソンス指揮(プレ・ニューイヤー・コンサート(30日)/ジルヴェスター・コンサート(31日)) シュトラウス・ファミリーの作品、他ウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(L)=ブルックナーハウス(リンツ)]12月2(19:30)(MV)、3(19:30)(MV)、4(19:30)(MV)日 S.ヴァイグレ指揮 シューマン:ピアノ協奏曲、ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(1878/80年版)独/C.パークp12月11(19:00)(KH)、12(19:30)(KH)、14(19:30)(L)日 V.ペトレンコ指揮 シベリウス:ポヒョラの娘(12日のみ)、メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲(11/12日)/チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲(14日)、シベリウス:交響曲第5番 独/J.ベルvn◎12月19(19:30)(MV)、20(15:30)(KH)日 M.ヤノフスキ指揮 シューマン:交響曲第3番「ライン」、ワーグナー:神々のたそがれ〜ジークフリートのラインの旅・ジークフリートの死と葬送行進曲・ブリュンヒルデの自己犠牲独/C.フォスターS12月30(20:00)(KH)、31(19:00)(KH)日P.ヘラス=カサド指揮 ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 独/S.カルトホイザーS、C.ストーティンMs、W.ギューラT、M.ローズBs【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 今月は、まず注意事項を一つ。11月7日に5年越しの改装工事を経て再開場となるはずであったケルン歌劇場のリオープンが延期となった。新しいスケジュールについては、ぜひ、劇場HP(http://www.oper.koeln/)でこまめに状況を確認されたい。 もう一つ、予定通り公演が行われるかどうか分からないという12月中の演奏会を紹介しておこう。フランスのトゥールーズ・キャピトル国立管のHPによると、12月18日にジョルジュ・プレートルが同オケを振ると記述されている(http://onct.toulouse.fr/spectacles/-/spectacle/1403184-18-decembre-2015)。演奏会の趣旨(チャリティ?)も曲目も分からない公演だが、もしも予定通りにプレートルが登壇するとすれば、事実上引退状態となっている生けるレジェンドの登場として、これは見逃せない出来事だ。 なお、この流れで、もう一つだけ注意事項のお知らせ。11月末から12月上旬にかけて、例のキリル・ペトレンコがバイエルン州立歌劇場で振る予定であった「ワルキューレ」は、指揮者がシモーネ・ヤングに変更になっているのでご注意いただきたい。ただし、12月後半の「神々のたそがれ」や年末年始の「こうもり」は予定通り振るようなので、あくまでスケジュール調整(仕事の入れすぎ?)とは思われる。ひょっとしたら、この時期ベルリン・フィルを振る予定のハイティンクがキャンセルして、ペトレンコが登場するのではないかという淡い期待も持ったりするが、それは強引な妄想に過ぎよう。 さて、やっと本来の12月の注目公演についてだが、まず、ウィーン国立歌劇場のヤナーチェク「マクロプーロス事件」のプレミエに注目。この公演は、もともとは前音楽監督のウェルザー=メストが振るはずのものであったが、ご承知のとおりメストが任期途中で退任してしまったため、急遽ヤクブ・フルシャに白羽の矢が立ったという曰く付きの公演。このため、フルシャはすでに決まっていた都響定期と第九公演の出演をキャンセルし、お詫びのコメントが去年12月頃、会員宛に通知されたのはご記憶にある方も多いだろう。まずは、フルシャの成功に幸あれ…というところだろうか。 同じウィーンでは、アン・デア・ウィーン劇場が依然として企画好調。定評ある古楽系の指揮者(12月はスピノージとルセ)を常時登場させて手堅い公演を続けている。今シーズンはベートーヴェンの交響曲全曲演奏会に挑むというアーノンクールが、12月には久々バッハのカンタータをまとめて演奏してくれるのが嬉しい。ヤノフスキ指揮ウィーン響で「ブリュンヒルデの自己犠牲」を歌うフォスターは、今やバイロイト音楽祭の看板ソプラノ。来年のヤノフスキの同音楽祭登場への「はなむけコンサート」といった趣か。模擬バイロイトという意味ではネルソンス指揮コンセルトヘボウ管の「ローエングリン」演奏会形式上演は、まさしくバイロイトの再現。 一方、ベルリンでは、ラトルがドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」をピーター・セラーズ演出(ハーフ・ステージ形式)で上演するベルリン・フィルが聴きもの。ドレスデン聖十字架合唱団が共演するベルリン・コンツェルトハウス管のクリスマス宗教曲集もこの季節に相応しい。大晦日コンサートでは、ティーレマン指揮のシュターツカペレ・ドレスデンも注目だが、わが大野和士のリヨン国立歌劇場でのコンサートも魅力満載。12月にバッハのクリスマス・オラトリオを演奏する団体は多いが、ヘンゲルブロック指揮バルタザール・ノイマン・アンサンブルはその中でも期待度最高。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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