eぶらあぼ 2015.8月号
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びわ湖ホールチケットセンター077-523-7136 https://www.biwako-hall.or.jp/滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールは、関西随一のオペラ劇場として、一流のオペラやバレエに加えオーケストラ・コンサートも開催。また、国内外の実力派アーティストが充実したアンサンブルやソロも披露しています。このコーナーではびわ湖ホールで行われる注目公演をご紹介します。びわ湖ホールPreviewベートーヴェン ピアノ・ソナタ・ツィクルス〜俺のベートーヴェンいよいよシリーズも佳境に突入!文:飯田有抄第7回 関本昌平 9/21(月・祝)第8回 田村 響10/17(土)第9回 稲垣 聡 11/21(土)第10回 野平一郎 12/6(日)びわ湖ホール(小)各14:00 ベートーヴェンが長年にわたり書き続けた32曲のピアノ・ソナタ。彼の革新的な音楽芸術のエッセンスが、このジャンルに凝縮されているといえる。その全曲を10人のピアニストが手掛けるツィクルスが、ついに完結する。題して『俺のベートーヴェン』。 びわ湖ホールでのこのシリーズは、沼尻竜典芸術監督の監修のもと2013年11月からスタート。第7回から最終回までが、9月から月1回のペースで開かれる。 第7回、第8回に登場するのは、輝かしいキャリアを誇る若手実力派の2人、関本昌平と田村響だ。関本はショパン国際ピアノコンクール第4位に、田村はロン・ティボー国際コンクール優勝に輝き、注目を浴びてすでに久しい。関本は長年のレパートリーとして思い入れが強いという第26番「告別」、第4、19番を演奏する。田村はベートーヴェンの3大ソナタの一つ第8番「悲愴」のほか、初披露となる第6、16、20番を取り上げる。第9回を務めるのは近現代作品に定評のある中堅ピアニスト、稲垣聡。ソナタの出発点である第1、2番、そして第12番「葬送」を、故郷のホールでたっぷりと聴かせる。そしてツィクルスの最終回を飾るのはベテランのピアニスト・作曲家の野平一郎だ。2楽章構成による最後のソナタ第32番、そして演奏機会の少ない第22、25番を知的な演奏で聴かせる。初期と最後のソナタを含むラスト4回を聴くことで、大作曲家の音楽人生に思いを馳せることができるだろう。稲垣 聡 ©相愛大学マリインスキー・バレエ『白鳥の湖』(全3幕)琵琶湖のほとりで観る『白鳥の湖』文:渡辺真弓11/23(月・祝)15:00びわ湖ホール 海外から相次いでバレエ団が来日する中、世界の最高峰として見逃せないのが、今秋ロシアの芸術の都サンクトペテルブルグから来日するマリインスキー・バレエである。 3年ぶりの今回は、『白鳥の湖』『愛の伝説』『ロミオとジュリエット』『ジュエルズ』の4演目を携えて東京はじめ5都市で公演。中でも十八番の演目として人気が高いのがチャイコフスキー作曲の『白鳥の湖』だ。ちなみに今年はこの偉大な作曲家が生まれて175周年。さらに1895年マリインスキー劇場でプティパ=イワーノフによる振付版が上演されてちょうど120年に当たり、実にタイミングが良い。今回上演されるセルゲーエフ版は1950年初演の由緒ある版で、一糸乱れぬコール・ド・バレエの美しさを引き立てるなど伝統の香気を今に伝える。悪魔の呪いによって白鳥に姿を変えられたオデットと悪魔の娘オディールを演じ分けるのはバレリーナの試金石。 前回来日の際に彗星の如く登場した新進オクサーナ・スコーリクは、今回、バレエ団初のイギリス人団員であるザンダー・パリッシュと共演、フレッシュな組み合わせに注目したい。このペアが、ここ大津のびわ湖ホールでも『白鳥の湖』に出演する。専属の管弦楽団を伴っての公演は、作品の真髄に迫る感動的なものとなるだろう。ザンダー・パリッシュオクサーナ・スコーリク『白鳥の湖』 Photo:N.Razina田村 響 ©武藤 章関本昌平野平一郎

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