eぶらあぼ 2015.6月号
197/213

254創立60周年記念公演Ⅱ 牧阿佐美バレヱ団『リーズの結婚』バレエで魅せるラブコメディ文:高橋森彦日生劇場ファミリーフェスティヴァル2015 バレエ『シンデレラ』家族といっしょに楽しむファンタジーの世界文:石村紀子6/13(土)17:00、6/14(日)15:00 ゆうぽうとホール問 牧阿佐美バレヱ団公演事務局0570-03-2222 http://www.ambt.jp8/21(金)~8/23(日) 日生劇場 5/27(水)発売問 日生劇場03-3503-3111 http://www.nissaytheatre.or.jp 『リーズの結婚』の原題は「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」。フランスで生まれ、ロシアで愛されてきたコメディ・バレエを“英国バレエの父”フレデリック・アシュトンが趣向を凝らし味わい深く仕上げた傑作である。牧阿佐美バレヱ団は本作を1991年に日本のバレエ団として初めて上演し以後再演を重ねてきた。“鉄板”といっていい看板演目だ。 舞台はフランスの農村。農家の一人娘リーズは愛する農夫コーラスとの結婚を願っている。しかし、母親で未亡人のシモーヌは、リーズを金持ちの農場主トーマスの息子で一風変わったアランと結婚させようとするが…。若い男女の微笑ましい恋模様を軸にユニークで愛すべき人物たちが登場し一騒動繰り広げる―。 他愛ない筋立てが、アシュトンの魔法にかかると、ユーモラスで感動的な物語に大変身する! 登場人物たちに寄り添い雰囲気を盛り上げる音楽(フェルディナン・エロール作曲/ジョン・ランチベリー編曲)にあわせ、鶏たちの軽やかな踊り、リーズとコーラスのパ・ド・ドゥ、村 毎夏、日生劇場で開催されるファミリーフェスティヴァル。クラシック・コンサートやミュージカル人形劇、寄席などの本格的な舞台芸術に親子で触れることのできる人気のイベントである。 今年のバレエはスターダンサーズ・バレエ団による『シンデレラ』。テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ(指揮:田中良和)による生演奏での上演となっている。同団の『シンデレラ』は、ちょっぴり現代風にアレンジされた演出が特徴。仕事で忙しく家のことは妻に任せきりの父と、夫に振り向いてもらえない寂しさを募らせるあまり継子であるシンデレラにつらく当たってしまう母。そんな中、希望を捨てず、家族の絆を紡ごうとする心優しいシンデレラの姿が丁寧に描かれている。 家族愛や人を思いやる心とは何かを問いかける上質のファンタジーとなっており、親子で鑑賞するにはうってつけの作品といえるだろう。シンデレラ人が踊るメイポール・ダンス、シモーヌが披露する木靴の踊りなど多彩な踊りが続き、片時も目が離せない。 リーズとコーラスはダブル・キャスト。青山季可(13日)と菊地研(14日)はカンパニーの顔といえる存在で華の心の友として登場する着ぐるみのねずみたちも非常に可愛らしく、子どもたちのハートをつかむに違いない。 また上演前には、初めてバレエを観る子どもや、バレエを習い始めた人が楽しめるよう作品解説が行われ、ロビーではダンサーによる「ミニ・ミニ・麗に“魅せる”踊り手だ。技が冴え渡り好調の清瀧千晴(13日)と奔放な踊りを持ち味とし今回初主役となる中川郁(14日)のフレッシュな2人も楽しみ。アランの細野生、シモーヌの保坂アントン慶ら芸達者にも注目したい。ワークショップ」も開催。作品内で登場するマイムやステップを体験できるので、早めに会場に到着して存分に楽しみたい。シンデレラ役は林ゆりえと渡辺恭子、王子には吉瀬智弘と加地暢文を配役。夏休みの思い出に、家族で出かけてみてはいかがだろうか。©A.I Co.,LTD©A.I Co.,LTD

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です