eぶらあぼ 2015.4月号
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19220世紀日本を代表する作曲家・三善晃のエッセイ集が、ファンの声を受けて新装版となって復刊。新聞の読者のために書かれたこれらの随筆の話題は、音楽以外にも料理、旅行のほか、当時の様々な出来事までと幅広い。今は亡き三善の目を通して、「二度とない日常の面白さ」を追体験できる。ヤマガラ日記(新装版)三善 晃 著カワイ出版 ¥2500+税クラシック新刊情報フランスのジャーナリストで、オルガニスト、チェンバロ奏者、テノールとしても活躍する著者が、自身の音楽人生を通してクラシック音楽を語るにふさわしい音楽用語を選出。著者の個人的な体験も交えながら、基礎用語から一般的な音楽事典では見られないが有用な言葉など100語がアイウエオ順に並べられる。100語でわかるクラシック音楽【文庫クセジュ】ティエリー・ジュフロタン 著岡田朋子 訳白水社 ¥1200+税クラシック音楽を聴き始めて40年、システムエンジニアである著者が、クラシック音楽の魅力は同じ曲を異なる演奏者で聴き比べる醍醐味であるとし、それぞれの演奏家によってまったく違う曲として捉えられる楽しみを著述。また、独自の見解により「薬=心が和む」または「毒=仕事をしたくなくなる」の度合いを5つ星で評価する。クラシック音楽の毒と薬芳野達司 著文芸社 ¥600+税作詞家・松本隆が、シューベルトの音楽とミュラーの詩に魅了され、魂を込めて創りあげた「冬の旅」の現代口語訳。1992年の発表以来20年以上の時を経て今年、新たに鈴木准のテノールと三ツ石潤司のピアノでCDブック化。写真家 竹内敏信がとらえた美しいヨーロッパの風景写真と詩集付。CD BOOK 冬の旅松本 隆 著・訳学研パブリッシング ¥3500+税ピアニスト仲道郁代が、自身のピアノ人生を改めて振り返る。幼少期からピアノへの時間と情熱を積み重ね、ピアノを弾くための必要な条件がようやく揃ってきたと語る仲道が、ちょっと真面目に考えてみた「ピアニスト」という職業。清々しく、神聖な気持ちで日々ピアノの音に向かい合う自身の想いを丁寧に綴る。ピアニストはおもしろい  仲道郁代 著春秋社 ¥2000+税「私たちは、この楽器に何を託すのか?」…『音楽の友』で連載されていた作曲家でピアニストの野平一郎のピアノ論が、加筆修正され出版。二つの顔を持つ野平独自の視点から、ピアノを取り巻く作曲家・楽器・作品の関係を描き出すと同時に、これからのクラシック音楽界を鼓舞する。作曲家から見たピアノ進化論野平一郎 著音楽之友社 ¥2000+税前書「ドイツ・リートへの誘い」を出版してから10年、同著者によるドイツ歌曲の歌詞と音楽の結びつきを考え表現するための音楽論。ドイツ語の発音から歌曲の背景など「作品の原点」と「演奏のポイント」で分かりやすく説明し、修練を積んだ技術とともに、心から歌う感性も必要であると教授する。続「ドイツ・リートへの誘い」ドイツ・リート名曲案内〜より楽しむための理論と実践梶木喜代子 著音楽之友社 ¥3800+税洋舞を自己流に昇華し時代を牽引した石井漠、小森敏ら邦人舞踊家12人の足跡を中心に、日本の現代舞踊の成立過程を読み解いた一冊が、新国立劇場「ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2015」の上演にあわせて刊行。写真・図表等を収録し学術的な価値もありながら、一般書としても楽しめる。日本の現代舞踊のパイオニア―創造の自由がもたらした革新性を照射する―片岡康子 監修・著新国立劇場情報センター ¥700+税

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