eぶらあぼ 2015.3月号
185/211

1922010年に難関で知られるミュンヘン国際音楽コンクール・チェロ部門で2位入賞を果たすなど、世界から熱い注目を浴びている俊英・横坂源。“45分で500円”のカジュアルさが魅力のランチタイムコンサートに、ピアノの魚谷絵奈と共に登場し、リムスキー=コルサコフ「熊蜂の飛行」など技巧的な難曲から、サン=サーンス「白鳥」やクライスラー「愛の喜び」など豊かな響きを堪能できる名旋律まで、多彩に聴かせる。桐朋学園大を経て、ポーランド国立ワルシャワ音楽院に学び、1995年のラジヴィーウ国際ピアノコンクールで優勝した浦山純子。思い入れ深い2人の作曲家に焦点を当てたリサイタルシリーズ第2弾は、「憧憬」と題して。まずはノクターン第7番や「華麗なる大ポロネーズ」などショパンをソロで披露。そして、セルビアの俊英ステファン・チリッチの共演で、組曲第2番と「ロシア狂詩曲」、ラフマニノフのピアノデュオ作品を。ピアノの岩崎洵奈は東京芸大を卒業後、2010年に第16回ショパン・コンクールでディプロマ賞を受賞するなど、多くの登竜門で実績を重ね、国際的な活動を展開する逸材。今回のリサイタルは、「旅」をテーマに。ヘンデルの組曲ニ短調(HWV437)や、シューマンがパガニーニ「カプリース」を基に書いた6つのエチュード、ショパン「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」など、時空を超えた旅へと誘う。ドラム缶から生まれた、カリブ海に浮かぶ小国トリニダード・トバゴ発祥の打楽器「スティールパン」。キラキラした音色に魅せられた中野優希は、発祥の地やアメリカに飛び、その奏法や表現を学んで、昨年帰国したばかり。初リサイタルでは、タブラの指原一登らの共演を得て、現代の作品やクラシックの佳品を中心に披露。南国イメージばかりではない、まったく新たなスティールパンの世界への扉を開く。松岡万希は京都市立芸大を経て東京芸大大学院に学んで渡伊、フィレンツェを拠点に演奏活動も行った実力派ソプラノ。帰国後はリサイタルやオペラ公演など、多方面で活躍を続ける。ピアノの服部容子を伴ってのリサイタルは、“魂”の意味を持つ女性名“Alma”を冠して。ブリテン「ミケランジェロの7つのソネット」にリスト「ペトラルカの3つのソネット」が共鳴し、團伊玖磨やドニゼッティなど名旋律が心を捉える。月の3ワンコイン・ランチタイムコンサート横坂 源(チェロ)浦山純子(ピアノ)「ショパン&ラフマニノフの世界」Vol.2〈憧憬〉岩崎洵奈(ピアノ)Voyage~旅~松岡万希(ソプラノ)アルマトウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ 第69回定期 革新と冒険―3人の作曲家による交響曲中野優希(スティールパン)3/3(火) 11:30秋川キララホール3/15(日) 14:00浜離宮朝日ホール3/7(土) 17:00かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール3/5(木) 19:00東京文化会館(小)4/28(火) 19:00兵庫県立芸術文化センター(小)3/15(日) 15:00三鷹市芸術文化センター3/13(金) 19:00東京オペラシティ リサイタルホール文:笹田和人 ©Akira Muto魚谷絵奈 ©Akira Muto横坂 源国内外の若手の精鋭らが結集し、1995年に設立されて以来、先鋭的な活動を展開するトウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ。今回は、バロックチェロの先駆者、鈴木秀美を指揮に迎えて。カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ「シンフォニア ニ長調」、その影響を受けたハイドンの交響曲第45番「告別」、その弟子ながら新たな地平を目指したベートーヴェンの交響曲第1番と、有機的に連なる3曲を披露する。 鈴木秀美中野優希松岡万希

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です