eぶらあぼ 2015.2月号
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61 ウォルトンの協奏曲を演奏する杉田は、桐朋学園大などを経て、現在はベルリン芸大とハノーファー音大に在籍。ソリストとして国内外の一流楽団と共演を重ねる一方、12年にはARDミュンヘン音楽コンクールの弦楽四重奏部門で特別賞を獲得するなど、室内楽奏者としても評価が高い。プロジェクトQ 第12章 若いクァルテット、シューベルトに挑戦するいよいよシューベルトの世界に挑む文:笹田和人明日を担う音楽家たち 文化庁在外研修の成果俊英たちの華麗なる競演文:笹田和人シューベルト弦楽四重奏曲演奏会① 2/7(土)13:00シューベルト弦楽四重奏曲演奏会② 2/7(土)18:00上野学園 石橋メモリアルホール問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 http://www.tvumd.com2/13(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 日本オーケストラ連盟03-5610-7275 http://www.orchestra.or.jp 若い弦楽四重奏団の発掘と育成を目的に、2001年から開催しているクァルテット振興運動『プロジェクトQ』。第12章となる今回は、シューベルトの弦楽四重奏曲のうち、6曲をテーマに。昨年11月からヴォーチェ弦楽四重奏団やゲヴァントハウス弦楽四重奏団、原田幸一郎(ヴァイオリン)ら名匠の薫陶を受けた6つの弦楽四重奏団が、本番のステージで真価を問う。 同プロジェクトでは毎年、20歳前後のメンバーによる弦楽四重奏団を対象に、秋から世界の名手による公開レッスンを実施。年明けの試演を経て、2月の演奏会で成果を発表している。これまでベートーヴェン全曲をはじめ、バルトーク、モーツァルトなどをテーマに据えてきたが、シューベルトを取り上げるのは今回が初めて。 演奏会は、2つのステージに分けて。第1のステージ(13:00)では、本プロジェクト受講をきっかけに結成された「クラルス弦楽四重奏団」が第4番、東京芸大卒業生により組織された「クァ 音楽界の未来を拓く若手演奏家たちが、文化庁の新進芸術家のための海外研修制度を通じての研鑽の成果を披露する『明日を担う音楽家たち』。今回は、玉木優(トロンボーン)、挾間美帆(作曲・ピアノ)、伊藤あさぎ(サクソフォン)、杉田恵理(ヴィオラ)という4人の俊英が、矢崎彦太郎指揮の東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団をバックに、鮮烈な響きを紡ぐ。 20世紀スウェーデンの作曲家フルメリの協奏曲を披露する玉木は、京都市立芸大を経て、スイス・ベルン芸大に学び、最優秀で修了。現在は南デンマークフィルハーモニー管弦楽団の副首席奏者を務め、サイトウ・キネン・オーケストラに参加、後進の指導にも力を注ぐ。 自作の「Suite ‘Space in Senses’」から「Pentagram Puzzle Interlude Big Dipper」を演奏する挾間は、国立音大を卒業し、主要オーケストラなどに楽曲を提供。2012年には米マンハッタン音楽ルテット・レオニス」が第9番、2012年に桐朋学園大学や桐朋女子高校音楽科の学生で結成された「アイリス弦楽四重奏団」が第13番「ロザムンデ」を取り上げる。 そして、第2のステージ(18:00)では、桐朋女子高校音楽科(共学)在学生の院大学院を優等で卒業、演奏家としても録音やライヴ活動を展開する。 グラズノフの協奏曲を吹く伊藤は、東京芸大や同大学院、パリ国立高等音楽院、パリ市立地方音楽院を経て、現在はブリュッセル王立音楽院教育課程に在籍。国内外で精力的な演奏活動の一方、国際コンクールでの受賞も多い。男女4人によって構成される「シュエット弦楽四重奏団」が第10番、12年に桐朋学園大に在籍するメンバーで結成された「リュミエール・クァルテット」が第14番「死と乙女」、小澤国際室内楽アカデミー受講をきっかけに組織された「クァルテット奥志賀」が第15番を披露する。クラルス弦楽四重奏団クァルテット・レオニスアイリス弦楽四重奏団シュエット弦楽四重奏団リュミエール・クァルテットクァルテット奥志賀玉木 優挾間美帆 ©Miho Aikawa伊藤あさぎ杉田恵理

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