eぶらあぼ 2014.12月号
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273『テラスキニ』KENTARO!!・小こ㞍じり健太『ブエノスアイレス午前零時』異色コンビが再登場森田剛が魅せる情熱のアルゼンチンタンゴ文:小野寺悦子文:小野寺悦子 2013年3月にアーキタンツ・スタジオ パフォーマンスシリーズvol.3として初演を迎え、好評を博した『テラス 第119回芥川賞に輝く藤沢周のベストセラー小説『ブエノスアイレス午前零時』を初舞台化。演出は映画『世界キニ』。小㞍健太とKENTARO!!という異色コンビのデュオ作品が、この秋待望の再演を迎える。 ネザーランド・ダンス・シアターのメンバーとして数々のコンテンポラリー作品を踊ってきた小㞍健太と、HIPHOP のテクニックを基に独自のスタイルを構築するKENTARO!!。同じダンスという世界に生きながら、ベースとなる身体性やキャラクター、歩んできた道程の中心で、愛をさけぶ』で知られる行定勲が、脚本は第53回岸田國士戯曲賞を受賞した気鋭・蓬莱竜太が手がける。主演を務めるのは、蜷川幸雄や、いのうえひでのりら名演出家たちの作品に出演し、舞台俳優としての評価も高いV6の森田剛。本作では都会で挫折し故郷で働く男・カザマと、ブエノスアイレスのマフィア・ニコラスという初のひとり二役に挑む。さえも異なるふたり。しかしその相反する個性のかけ合いこそ、本作における最大の見どころであり魅力の所以といえよう。各々の語彙を持ち寄り、対峙し、響き合う。両者の感性がひとつのステージに向かい合うとき、作品は何より強靱な力を宿す。一年半余りの時を経た今回の再演で、またどんな進化をみせるのか。映画「スタンド・バイ・ミー」のようなダンスと評された本作。ふたりの男が描き出す、切なくもほろ苦いドラマの続きを見届けたい。11/28(金)20:00、11/29(土)19:30 スタジオ アーキタンツ 問 スタジオ アーキタンツ03-5730-2732 http://www.a-tanz.com11/28(金)~12/21(日) 新国立劇場(中)、12/25(木)~12/29(月) シアターBRAVA! 問 パルコ03-3477-5858 http://www.parco-play.com 物語の舞台は、ひなびた温泉宿のダンスホール。ある日、宿の従業員・カザマは社交ダンスツアーの客として来たミツコと運命の出会いを果たす…。ストーリーの重要なカギとなるのが、劇中で森田が踊るアルゼンチンタンゴ。抜群の身体性をもって披露する、情熱の舞に注目したい。相手役の若きミツコを演じるのは、舞台初挑戦となる女優の瀧本美織。その他、橋本じゅん、千葉哲也、原田美枝子ら、実力派俳優陣が脇を固める。瀧本美織森田 剛原田美枝子『TARO』~俺たちが救う!!~5人の「TARO」と「鬼」が舞う痛快活劇文:小野寺悦子 桃太郎に浦島太郎、金太郎、三年寝太郎、竜の子太郎と、「TARO」の名を持つ5人のヒーローが世界のトラブルを解決する痛快活劇。振付・ステージングを目下人気急上昇中のダンスユニット・梅棒の伊藤今人が手がけ、かつてないエンターテインメント・ショーを作り上げてゆく。 「TARO」の宿敵「鬼」に扮するのは、ジャズダンスにコンテンポラリー、ミュージカル、ストレートプレイと多彩な舞台を駆けるダンサーの舘形比呂一(たてがたひろかず)。作中はその磨き抜かれた肉体を駆使し、「鬼」というダークヒーローに底知れぬ魅力を注ぐ。また5人の「TARO」役には、川隅美慎、山本一慶、加藤真央、緑川睦、岡崎大樹と、若手新進俳優陣がズラリ。飛躍を続ける彼らが繰り出す迫力のパフォーマンスと、パワフルなダンスも見逃せないところ。 日本人なら誰もが知るお馴染みのストーリー、と思いきや、あっと驚く仕掛けが…。予測不能な五人の「TARO」と「鬼」の行方に、最後まで目が離せない。2015.1/21(水)~1/25(日) CBGKシブゲキ!!  問 カンフェティチケットセンター0120-240-540 http://shichifukujin-stage.com/taro舘形比呂一

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