eぶらあぼ 2014.12月号
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168■大分県立美術館が来春開館、記念事業 として『大分オペラフェスティバル』開催 2015年4月24日(金)、大分県立美術館(以下、OPAM)が開館する。OPAMは、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞し、世界的に注目を集める建築家・坂茂が設計を担当、館長は新見隆・武蔵野美術大学教授。「五感で楽しむことができる」「自分の家のリビングと思える」「県民とともに成長する」美術館をコンセプトに掲げ、春の『別府アルゲリッチ音楽祭』、秋の『国東半島芸術祭』と、世界的レベルの文化イベントを開催している大分から、世界に向けてメッセージを発信していく新たな拠点となる美術館を目指す。 10月23日、都内で行われた記者会見で坂は設計コンセプトについて、大分らしい特色を生かし、隣接するiichiko総合文化センターやOASISひろば21と一体の施設になるようにしてほしいとの県からの要望をふまえ「場所柄、地域性を重視し、大分県の杉を使用するなど、町と一体化し、どこからでも入れる、開かれた美術館」を目指したと説明、新見は「大分にしかない、世界で唯一無二のものがここにある。世界性のある美術館」だとし「新しいタイプのライフスタイルを提案する文化施設」との方向性を示した。 開館に先がけ11月23日から『OPAM誕生祭』を開催、iichikoグランシアタ・ジュニアオーケストラによる演奏で開幕し、「序曲、出会いと五感の交響楽=大分」と題して、気鋭の作曲家、安野太郎の音楽を美術作品とともに愉しむ企画や、能と現代音楽を結びつけ独自の世界を追及する青木涼子ほかによる「能×現代音楽」など多彩なプログラムが披露される。 また、関連事業として、隣接するiichiko総合文化センターと美術館が一体となって、来年1月から大分県立美術館開館記念『大分オペラフェスティバル』を開催、《フィガロの結婚》《リゴレット》《オテロ》を上演する。《フィガロ》では大分県立芸術文化短期大学と大分二期会が、《リゴレット》では東京二期会が、《オテロ》では大分県芸術文化スポーツ振興財団、東京二期会、びわ湖ホール、神奈川芸術文化財団、京都市音楽芸術文化振興財団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団がそれぞれ協力し、大分県立美術館の機運を盛り上げる。大分県立美術館(OPAM) https://www.opam.jpiichiko総合文化センター http://www.emo.or.jp■第26回高松宮殿下記念世界文化賞 会見 第26回高松宮殿下記念世界文化賞の記者会見が、同賞の絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像部門の受賞者らが出席して、10月14日に都内のホテルで行われた。同賞は芸術文化の発展に寄与した世界の優れた芸術家を顕彰する目的で設立され、今回の音楽部門では作曲家のアルヴォ・ペルトが受賞した。ペルトは会見で受賞への感謝を以下のように述べた。 「ここ東京に、今回の受賞者が5人揃って座っていることは奇跡的なことかもしれません。栄誉とは、偉大で深遠なものであるべきです。かつてバッハがいみじくも『私は神の栄誉のために作品を作った』と言っているように、最大の栄誉は創造主の神にあると思います。栄誉に対して、ひとは永遠に責任を持たなくてはなりません。ですから、この賞の受賞者は賞に対して一生責任を負うことになります。また、栄誉はお互いに対する感謝でもあります。受賞者たちは、選んでくださった方々に感謝の意を表しながら、ここにいるのです。そして、真の栄誉は世界文化賞に属します。この賞の光の中にいる機会を与えられたのです。世界文化賞はまるで父母のように受賞者を包み込んでくれています。われわれはこの賞の息子であり、娘であります」高松宮殿下記念世界文化賞http://www.praemiumimperiale.orgアルヴォ・ペルト Photo:M.Otsuka/TokyoMDE美術館全景。水平折戸が全開した状態 ©Hiroyuki Hirai平野敬子、工藤青石(コミュニケーションデザイン研究所/大分県立美術館 デザイン)による、大分県立美術館のシンボルマークとロゴ。

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