eぶらあぼ 2014.10月号
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8211/21(金)19:00 紀尾井ホール問 キョードー東京0570-550-799※他公演の情報は下記のウェブサイトでご確認ください。清塚信也 オフィシャル・ウェブサイトhttp://shinya-kiyozuka.comCD『KIYOZUKA☆LAND ~キヨヅカ☆ランド』日本コロムビア COZQ-956/7(CD+DVD)¥3600+税左:髙井羅人 右:清塚信也キヨヅカ☆ランド~清塚信也&髙井羅らん人どエキサイティングな“男の連弾”誕生!取材・文:飯田有抄Interview 圧倒的なテクニックと抜群の表現力をもつ、多芸多才なピアニスト清塚信也が、新たに“ピアノのエンターテインメント・パーク”を打ち立てた。名付けて「キヨヅカ☆ランド」。9月3日にデビューCD+DVDをリリースした連弾ユニットだ。連弾のパートナーは髙井羅人(らんど)。プロフィールには「謎のサラリーマン・ピアニスト」とある。「キヨヅカ☆ランド」とはどのようなユニットなのだろうか。 「僕らは中学生の頃から桐朋の音楽教室でピアノを学んできた同志です。将来のかかった試験やコンクールを一緒に受けてきた仲間として深い絆があります。2年ほど前に羅人が7年間留学していたドイツから帰国して再会。自然と『一緒に何かやろうよ!』という話になり、僕のコンサートでゲスト出演してもらいました。評判は上々。今回のCDデビューまで自然な流れで進みました」(清塚、以下K) 「僕は帰国してから楽譜出版社に就職し、物販、製本、編集などの仕事をしています。個人の音楽活動に寛容な会社ですが、練習時間の確保は課題ですね」(髙井、以下T) 2人は互いの音楽性や演奏の癖なども知り尽くしているという。 「僕は音楽の全体像を掴み、前へ前へと進めていくのが得意。羅人は一音の響きにとことん拘るタイプ。極端に個性の違うピアニストです」(K)「まったく異なる2人が組むからこそ、まったく新しい音楽が生まれる。それが連弾の醍醐味ですね」(T) 清塚はそれぞれの持ち味を活かしたオリジナル曲や、クラシック、洋楽、ジャズを含むアレンジ作品を書き下ろした。 「急速なテンポと超絶技巧が迫力のオリジナル曲『agitato!』や、チャールダッシュとカルメンを結合した『チャルメン』は、聴くだけでなく弾き姿を見ても楽しい連弾を目指しました。コンセプトは『ダサ格好良い』音楽。甲子園の応援団の太鼓が刻むリズムは、一聴するとダサい(笑)。しかし試合を見ながら聞いていると、どんどん格好良く感じられてくる。そのような音楽を作りたいと思いました。日本にはもともと大衆文化のもつ大きな力があります。キヨヅカ☆ランドは決して気取らずに、笑えて、泣けて、感動できる、エンターテインメント性豊かな音楽作りをしていきたいですね」(K) コンサートは、音楽ホールのほかライヴハウスでも行う。クラシックピアニストとして磨いた技術がふんだんに披露されるホール、照明や音響を含む総合的な演出を行うライヴハウス、どちらも魅惑溢れるステージになりそうだ。10/1(水)19:30 sonorium問 アジア・音楽友の会080-3801-5803 mail:tjetsin@zeus.eonet.jpジャーマン・ロマンティシズム 石せきよう陽(ヴァイオリン)&毛もう翔しょう宇う(ピアノ)才能の煌めきを小空間で体感する贅沢文:笹田和人毛 翔宇石 陽 小柄な身体に秘めた、大きな才能が開花する。弱冠13歳ながら、国際的に活躍するヴァイオリニストの石陽。日本に生まれた石は3歳でヴァイオリンを始め、6歳で中国への帰国後は上海音楽大学の重鎮らの薫陶を受けた。現在もさらなる研鑽を積む一方、上海大劇場の新年コンサートや上海交響楽団のステージに出演。2011年には人気ヴァイオリニストの五嶋龍と共演、翌年にはソロ・リサイタルでのデビューも果たした。今回は『ジャーマン・ロマンティシズム』と題した、生まれ故郷・日本でのステージ。共演する師の毛翔宇は、北京生まれでジュリアード音楽院に学び、国際的な活動を展開する一方、上海音楽院教授として後進の指導にも力を注ぐ実力派ピアニスト。名手のバックアップを得て、石はベートーヴェンのソナタ第5番「春」とブルッフの協奏曲第1番を弾き、毛がソロでブラームス「8つのピアノ小品 op.76」を添える。会場のsonoriumは、海外からの演奏家のコンサートも盛んな、美しい響きを誇る100席の小空間。才能の煌めきを、より身近に体感することができるだろう。

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