eぶらあぼ 2014.10月号
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76川瀬賢太郎 ©Yoshinori Kurosawaシーヨン・ソンチャン・ヴォン・タック10/5(日)15:00 ホーチミン市交響楽団10/6(月)19:00 キョンギ・フィルハーモニー管弦楽団10/7(火)19:00 名古屋フィルハーモニー交響楽団東京オペラシティ コンサートホールホーチミン市響&名古屋フィル合同演奏会10/8(水)18:30 名取市文化会館問 日本オーケストラ連盟03-5610-7275 http://www.orchestra.or.jpアジア・オーケストラ・ウィーク 2014シンフォニーでアジアをつなぐ文:飯尾洋一 広大で多様な文化が息づくアジア。そのアジアの大きさをオーケストラを通して感じることができるのが『アジア・オーケストラ・ウィーク』(AOW)だ。2002年に始まって以来、アジア太平洋地域の各国から、計15ヵ国46団体のオーケストラが参加している。今年も東京オペラシティ コンサートホールを舞台に、ホーチミン市交響楽団(10/5)、キョンギ・フィルハーモニー管弦楽団(10/6)、名古屋フィルハーモニー交響楽団(10/7)の3つのオーケストラが招かれる。 ベトナムのホーチミン市交響楽団は1994年に創立されたホーチミン市初のプロ・オーケストラで、2008年の初来日に続いての参加となる。指揮は創設以来同楽団の首席指揮者を務めるチャン・ヴォン・タック。ヴァイオリンを専攻した後、ベルギーのリエージュ王立音楽院とオランダのマーストリヒト音楽院で指揮を学んだという経歴を持つ。プログラムはド・ホン・クァン作曲によるオーケストラのための夜想曲「こだま~いにしえからの~」、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、ベートーヴェンの交響曲第7番。お国ものと超有名曲との組合せは、AOWならでは。チャイコフスキーで独奏を務めるグエン・フー・グエンは、パリで学び、現在フランス国立管弦楽団の第2ヴァイオリン首席奏者という実力者だ。 韓国からはキョンギ・フィルハーモニー管弦楽団が来日する。1997年創設のソウル近郊のスウォン市を本拠とするオーケストラだ。指揮は今年より音楽監督に就任したシーヨン・ソン。女性音楽監督は韓国では初めてだとか。2006年サー・ゲオルク・ショルティ国際指揮者コンクール優勝、07年グスタフ・マーラー指揮者コンクール最上位の経歴を持ち、ボストン交響楽団ではジェームズ・レヴァインのもとでアシスタント・コンダクターを3年間にわたって務めている。欧州でも活躍の場を広げており、注目度は高い。プログラムはルトスワフスキの「小組曲」、ショパンのピアノ協奏曲第1番(独奏:ウィリアム・ヨン)、ブラームスの交響曲第4番。 名古屋フィルは気鋭、川瀬賢太郎の指揮のもと、藤倉大の「トカール・イ・ルチャール」、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番(独奏:田村響)、ラフマニノフの交響曲第2番を披露する。評判の川瀬&名古屋フィルのコンビを東京で聴く貴重なチャンスだ。また、名古屋フィルはホーチミン市響と宮城・名取市で合同演奏会を開催する(10/8)。こちらではベートーヴェンの交響曲第7番などが演奏される予定だ。10/28(火)19:00 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 http://www.hakujuhall.jp堀米ゆず子(ヴァイオリン) J.S.バッハ/ブラームス プロジェクト at Hakuju Vol.32人の“B”は音楽作りの原点文:笹田和人堀米ゆず子 ©T.Okura 「バッハは背骨のよう。ブラームスは心のひだ。この2人の作曲家は過去30年の演奏生活において、感情表現の基本であり、私の音楽作りの核となっています」。我が国を代表するヴァイオリンの名手、堀米ゆず子は語る。彼女が愛してやまない、そんな2人の偉大な作曲家の佳品を特集する意欲的な全6回シリーズ『堀米ゆず子 J.S.バッハ/ブラームス プロジェクト at Hakuju』。第3弾となる今回は、1982年に難関・ミュンヘン国際コンクールで最高位入賞を果たしたクラリネットのチャールズ・ナイディックを迎える。国際的な活躍の一方、名門ジュリアード音楽院で後進の指導も行う名手だ。そこに、山口裕之(ヴァイオリン)、佐々木亮(ヴィオラ)、ユリウス・ベルガー(チェロ)と堀米の盟友が加わり、ブラームスのクラリネット五重奏曲を紡ぐ。そして、後半はもちろんバッハ。鍵盤楽器のための「インベンションとシンフォニア」を弦楽三重奏版で披露し、最後は堀米のソロによる無伴奏パルティータ第1番で締め括る。

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