eぶらあぼ 2014.10月号
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309国東半島芸術祭「パフォーマンスプロジェクト」コンドルズの遊育計画大分発・国東半島を舞台に贈る、地域密着型プロジェクト遊びながら身体能力を高めよう文:小野寺悦子文:高橋彩子 大分県・国東半島を舞台に、この秋開催される国東半島芸術祭。「サイトスペシフィック」「パフォーマンス」「レジデンス」の3つのプロジェクトを軸に、ツアーやトークなど多彩な趣向を盛り込んだ地域密着型の一大アートプロジェクトである。うち「パフォーマンスプロジェクト」には、KARASを率いる勅使川原三郎と、タイのダンサーであり振付家のピチェ・クランチェンが出演。勅使川原が上演するのは、『何処から誰が』。作 踊り、映像、音楽、コント、影絵、人形劇などを詰め込んだ賑やかな舞台で人気を集める、近藤良平主宰の「コンドルズ」。ダンスを誰もが楽しめるものにする彼らの活動が、劇場外にも広がっているのは周知の通りだ。特に、NHK 総合『サラリーマン NEO』内「サラリーマン体操」や、NHK連続テレビ小説『てっぱん』オープニングのダンス、NHK教育『からだであそぼ』内「こんどうさんちのたいそう」など、NHKとのタッグから生まれたダンスはお茶の間に新風を吹き込み、さらにテレビを飛び出したイベントにもなった。 そんな彼らにまたまた新展開が。この秋、NHKエデュケーショナルとコンドルズと新宿文化センターが協力して行う『コンドルズの遊育計画』だ。「遊育(あそいく)」とは、遊びを通して身体の基本動作を身につけ、また、コミュニケーション能力を高めるという意味の造語。「とぶ」「ささえる」「まわる」な品は仏教音楽・聲明(しょうみょう)とのコラボレーションからなり、ダイナミックかつ荘厳なパフォーマンスを国東の大地に描き出す。一方ピチェ・クランチェンは、『Tam Kai〈Following the Chicken〉国東半島ヴァージョン』を発表。タイ伝統音楽演奏集団〈Fong ど36種類の動作をベースに繰り広げる、客席参加型の公演になるという。参加は、大人も子供も可。未就学児も保護者同伴で入場でき、子供を抱っこして観覧する(座席を使わない)場合、子供分のチケット購入は不要であるなど、保護者にも嬉しいシステムだ。Naam〉のブルース・ガストンが参加し、ダンスと伝統音楽、そして国東の大自然との融合を図る。パフォーマンス単体での鑑賞はもちろん、観光・山歩き・昼食がセットになったバスツアーも実施。この機会に、国東の奥深い魅力も体感したい。『Tam Kai』10/18(土)、10/19(日)各14:00 国見町千燈 山中『何処から誰が』11/8(土)、11/9(日)各18:30 並石ダムグリーンランド問 国東半島芸術祭実行委員会事務局0978-25-5627 http://kunisaki.asia10/25(土)11:00/15:00 新宿文化センター問 新宿文化センター03-3350-1141 http://www.regasu-shinjuku.or.jp©HARU 企画の発端には、子供の運動能力やバランス感覚の低下 (顔から転んでしまう、坂道でひっくり返るなど) があるもよう。とはいえ、そこはコンドルズのこと。観客は教育的なミッションを超え、日頃の鬱憤を忘れさせるような、楽しいひとときを過ごせるに違いない。ピチェ・クランチェン作品より勅使川原三郎『ガラスノ牙』より ©飯島 篤

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