eぶらあぼ 2014.10月号
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308牧阿佐美バレヱ団 『白鳥の湖』セェリバレエシアター『くるみ割り人形』カンパニー・フィリップ・ジャンティ『忘れな草』 マリインスキー・バレエからゲスト出演芳賀望が王子役で出演!歌・ダンス・マイムのマジカルな世界文:石村紀子文:石村紀子文:高橋彩子 整然とした美しさが魅力の牧阿佐美バレヱ団『白鳥の湖』。世界中で踊られているこの名作は19世紀後半にロシアのマリインスキー・バレエで踊 神奈川県相模原市を拠点に30年以上にわたり活動しているセェリバレエシアター。付属のセェリ・アカデミー・ド・バレエではグローバルなダンサーの育成を目指し、海外研修などにも積極的に取り組んでいる。毎年行われる定期公演は今回で32回目。今回の上演は『くるみ割り人形』全幕だ。金平糖の精を踊るのは同アカデミーの卒業生で、2011年から東京バレエ団のダンサーとして活躍している髙浦由美子。王子は芳賀望(元Kバレエカンパニーおよび新国立劇場バレエ団)だ。くるみ 「舞台の魔術師」と称されるフィリップ・ジャンティが主宰するカンパニー・フィリップ・ジャンティ。文楽に学んだられたものが原型となっている。今回の公演の主役はそのマリインスキー・バレエから今、注目を集めているふたりがゲスト出演。オデット/オディール役のエカテリーナ・コンダウーロワは手足が長く、プリマになるために生まれたような美しいラインの持ち主で、完璧な白鳥のフォルムを体現してくれる。ジークフリード王子役のティムール・アスケロフはダンスール・ノーブル割り人形は同団の芸術監督でもあるアレクサンドル・ブーベル(元ベラルーシ国立ミンスクボリショイバレエ団プリンシパル)が務める。『くるみ割り人形』はバレエ団によってさまざまな演出があるが、同団の作品は正統派の演出で、舞台装置や人形をはじめ、演劇、ダンス、マイム、マジックなどの技法を駆使したユニークな舞台は世界中で愛され、昨年には創立40年を迎えた。日本では1988年以来、来日を重ねており、この秋、14回目の日本公演として『忘れな草』を上演する。ソリに乗った“思い出収集人”が吹雪の大草原を駆け抜けたかと思うと、やがて舞台上には、幼年期・思春期・熟年期といった人生の様々な景色としての資質を備え、王子は適役。思わず溜息が出るような正統派の美しい踊りを見せてくれるはずだ。ハリウッド映画の衣裳デザイナーとして活躍するボブ・リングウッドが手がけた豪華な装置と衣裳も舞台を華やかに彩る。一糸乱れぬ白鳥たちの群舞や、民族色豊かなディベルティスマンで魅せる牧阿佐美バレヱ団のダンサーたちにも期待したい。衣裳も豪華で美しく、見ごたえがある。バレエは観たいけれど都内まで足を運ぶのはちょっと…という神奈川近郊在住の人はこの機会を逃さずに!が展開する…。この作品は93年に日本初演されているが、今回、ノルウェーの俳優達が登場し、北極の大平原での歌という要素を盛り込むなど、リニューアルして贈る。ハイテクノロジーを用いず、身体と、紙や布といった身近な素材で、ファンタジックにしてユーモラスな世界を繰り広げる同カンパニー。その舞台には、表現の尽きせぬ魅力・可能性を見ることができるだろう。10/18(土)17:00、10/19(日)15:00 ゆうぽうとホール問 牧阿佐美バレヱ団0570-03-2222 http://www.ambt.jp12/13(土)18:30 杜のホールはしもと問 セェリバレエシアター042-760-0266 http://www.cerri-theater.com10/16(木)~10/26(日) パルコ劇場問 パルコ劇場03-3477-5858 http://www.parco-play.com ※全国公演については上記ウェブサイトでご確認下さい。©Claire Marie Lerouxカテリーナ・コンダウーロワティムール・アスケロフアレクサンドル・ブーベル芳賀 望髙浦由美子

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