eぶらあぼ 2014.8月号
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224沖縄ノンバーバル・パフォーマンス『TEE!TEE!TEE!』宮本亜門 X 仲宗根梨乃の沖縄文化エンターテインメント!文:長谷川あや 言葉や世代、性別の壁を超えて誰もが楽しむことができる、セリフを使わない「ノンバーバル」な舞台が今、世界的に注目を浴びている。そのノンバーバルなパフォーマンスで、沖縄が誇る文化・芸能・生活・風土をテーマにストーリーを展開しようというのが、本作だ。演出を務めるのは、ノンバーバルの舞台は初挑戦となる宮本亜門。沖縄に移住し17年目を迎えた宮本は、沖縄が発祥とされる空手のかつての呼び名「手てぃ」(TEE)をテーマに、自分に自信が持てず、好きな女の子にアプローチすることもできない青年を主人公とした、ファンタジー色あふれる物語を紡ぎだした。 振付は、ダンサーであり、AKB48やSMAP、K-POPなどの振付も手がける、沖縄出身の仲宗根梨乃が担当。空手や琉球舞踊など、ふんだんにオキナワンテイストを盛り込んだ。野外の大型テントを会場に、最新の映像技術や観客参加型の演出を駆使。芝居でもダンスでも伝統芸能でもない、新しい7/6(日)~9/1(月) 沖縄 新都心公園多目的広場、奥武山公園補助競技場、北谷公園野球場、21世紀の森 ※公演日ごとに会場が異なります 問 シュガートレイン098-882-3123 http://teeteetee.jp「沖縄文化エンターテインメント」が間もなくヴェールを脱ぐ。仲宗根梨乃宮本亜門『Lost Memory Theatre』音楽家・振付家・歌手・役者の“協演” 文:高橋彩子 ダンサー・振付家として独自の世界を確立している森山開次。鬼気迫るソロで観客を魅了する一方、演劇やミュージカルなどでも幅広く活躍。近年は、能楽師・津村禮次郎をはじめとする日本の古典芸能畑の才能とのコラボレーション、インドネシアやベトナムでの文化交流大使としての活動なども、精力的にこなしている。常に新たな出会いや発見を求めているかに見える彼が、またしても刺激的な公演に参加。演出家・白井晃が音楽家・三宅純のアルバムを舞台化する『Lost Memory Theatre』 だ。「廃墟となった劇場に残る記憶」をテー8/21(木)~8/31(日) KAAT神奈川芸術劇場 問 チケットかながわ0570-015-415 http://www.kaat.jp9/6(土)15:00、9/7(日)14:00 兵庫県立芸術文化センター (中) 問 芸術文化センターチケットオフィス0798-68-0255マに、生演奏の音楽と演劇とダンスが展開するという。出演は山本耕史、美波、江波杏子、そして森山のほか、バレエダンサー4名。森山は振付も担当し、白井のイメージを具現化する。敢えて、言葉による明確な物語が存在せず、出演者の表現方法も同一ではない地点から出発し、イメージを共有・構築する試みは、実にチャレンジング。未知の表現に挑む彼らの成果に注目したい。森山開次ミュージカル 『Once ダブリンの街角で』トニー賞8部門受賞の話題作文:長谷川あや 2012年のトニー賞で作品賞を含む計8部門を獲得し、現在もブロードウェイで上演中の『Once ダブリンの街角で』が初来日を果たす。ベースとなるのは、アカデミー賞で歌曲賞を受賞した同名のアイルランド映画。ダブリンを舞台に、アイルランド人のストリート・ミュージシャンと、チェコ移民の女性が、音楽を通して心を通わせていく姿を美しく、繊細な楽曲にのせて綴る。 大規模なオーケストラやバンドはない。キャスト自身がピアノ、ヴァイオ11/27(木)~12/14(日) EXシアター六本木 8/2(土)発売問 キョードー東京0570-550-799 http://once-musical.jpリンなどの楽器を演奏しながら歌やダンスを披露し、音楽が作られる過程を丁寧に描いているのが本作の特徴であり、見どころといっていいだろう。アイリッシュバーを模したシンプルな舞台は、机や椅子の配置を動かしたり、キャスト自らが小道具を入れ替えることで多彩な表情を見せ、観る者の想像力を心地よく刺激する。開演前には観客が舞台のセットのバーで、飲み物を購入することも可能。作品の世界観にとことん浸ってみたい。ONCE Tour Company © Joan Marcus

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