eぶらあぼ 2014.8月号
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221ボリショイ・バレエ『白鳥の湖』『ラ・バヤデール』『ドン・キホーテ』京都バレエシアター『海賊』新進スターに注目フィリピエワとマトヴィエンコ、2大スター登場!文:渡辺真弓文:渡辺真弓 12月にリニューアル・オープンする東京文化会館の開幕を飾るボリショイ・バレエ。その舞踊手の層の厚さには定評があるが、今回2年ぶりの来日公演では、新たなキャスティングに注目が集まっている。スヴェトラーナ・ザハーロワ、マリーヤ・アレクサンドロワ、デヴィッド・ホールバーグら看板スターたちと並んで、主役級を踊るのは、オリガ・スミルノワを筆頭にクリスティーナ・クレトワ、デニス・ロヂキンといった新進スターたち。今や日の出 京都に本拠を置く寺田バレエ・アートスクールは、1975年ウクライナ共和国のキエフ・バレエ学校と姉妹校の関係を結んで以来、40年近くにわたって京都とウクライナとの文化交流に尽力してきた。その寺田バレエを母体とする京都バレエシアターが、この夏、冒の勢いのスミルノワは『白鳥の湖』と『ラ・バヤデール』に主演。一方新顔のクレトワはクレムリン・バレエやモスクワ音楽劇場を経て2011/12年シーズンにボリショイ・バレエに移籍した実力派で、キトリとガムザッティ役で至芸を披露する。ロヂキンは、前回の来日で『ライモンダ』の吟遊詩人ベランジェなどを好演。最近ではスパルタクス役に抜擢された期待の星で、今回はロットバルトやエスパーダなど個性的な役柄で大いに活躍するだろう。険とロマンが織りなす大作『海賊』全幕を上演する。演出・振付は同バレエ・アートスクールの2代目・寺田宜弘。日本人初の留学生としてキエフ国立バレエ学校で学び、95年に卒業後キエフ・バレエ団のソリストとして活躍。現在キエフ国立バレエ学校と京都バレエシアターの芸術監督を兼任する。 今回の大きな見どころは、主役にキエフ・バレエが世界に誇るプリマ、エレーナ・フィリピエワとマリインスキー・バレエのプリンシパル、デニス・『白鳥の湖』11/26(水)13:00/19:00 Bunkamuraオーチャードホール ※11/20(木)24(月・休)は完売『ラ・バヤデール』12/3(水)18:30 12/4(木)12:00/18:30 東京文化会館『ドン・キホーテ』12/6(土)12:30/18:30 12/7(日)14:00 東京文化会館問 ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 http://www.japanarts.co.jp/bolshoi20148/10(日)18:00 びわ湖ホール 問 寺田バレエ・アートスクール075-751-7944 http://www.teradaballet.orgマトヴィエンコの2大スターが扮すること。マトヴィエンコはつい最近までキエフ・バレエの芸術監督を務めていたが、現役としても絶好調で、可憐なフィリピエワとの息の合ったパートナーシップに定評がある。ふたりを中心に、京都バレエシアターのソリストである岩崎純子や石川直実のほかキエフ・バレエ団のメンバーが脇を固めるなど、見応えある舞台となりそうだ。 『海賊』とともにウクライナの民族舞踊『ゴパック』が上演されるのも文化交流にふさわしく、舞台に華を添えてくれることだろう。デニス・マトヴィエンコ ©テス大阪エレーナ・フィリピエワ ©テス大阪デニス・ロヂキン©Damir Yusupovクリスティーナ・クレトワ

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