eぶらあぼ 2014.7月号
49/197

4646sonorium おと と おと と Vol.5 シューベルト歌曲集シリーズ7/13(日)14:00 sonorium問 音音(おとね)工房090-6171-3808sonorium おと と おと と Vol.5 シューベルト歌曲集シリーズ 美しき水車小屋の娘親密な空間で詩と音楽を味わう文:笹田和人大沼 徹朴 令鈴第120回 ダグラス・ボストック(指揮) 9/28(日)14:00第121回 シズオ・Z・クワハラ(指揮) 11/22(土)14:00第122回 トーマス・ザンデルリンク(指揮) 2015/1/17(土)14:00第123回 大井剛史(指揮) 2015/4/26(日)14:00第124回 大井剛史(指揮) 2015/6/12(金)19:00 東京芸術劇場コンサートホール シーズンチケット:7/2(水)/1回券:7/9(水)発売問 東京佼成ウインドオーケストラチケットサービス0120-692-556 http://www.tkwo.jpトップ楽団が新体制でおくる充実のラインナップ取材・文:柴田克彦東京佼成ウインドオーケストラ定期演奏会 2014/15シーズン 特に声楽との共演で、卓越した表現力を発揮してきたピアニストの朴令鈴(ぱく・りんりん)が企画・構成する、ドイツ歌曲を核に据えたサロン・コンサート『おと と おと と』。今回は、オペラの檜舞台で大役の経験を重ねている二期会の俊英バリトン、大沼徹を迎えてのシューベルトの歌曲集「美しき水車小屋の娘」をおくる。大沼とは昨年10月に「冬の旅」で共演して好評を得ており、今回は『シューベルト歌曲集シリーズ』の第2回。その舞台に選んだのは、まるで異空間のように住宅街に佇む100席の小ホールsonorium。「シューベルティアーデさながら、間近で詩と音楽を楽しんでもらえる響きの美しい空間を探していました。内装の柔らかな質感と、天窓から差し込む神様の微笑みのような光が決め手となりました」と朴。「親しみやすく優しいメロディが、ともすれば“中二病”的な青年のナイーブな心を美しく高め、表現します。大沼さんの存在感ある豊かな美声とナチュラルなドイツ語歌唱が、一層の共感を呼ぶでしょう」と語る。  ジャンル分けなど必要ない。極上の響きは耳のご馳走、素敵な音楽は心の滋養となる——そう思わせるのが、最高水準の技倆で世界に名高い吹奏楽団・東京佼成ウインドオーケストラだ。このほど彼らの2014/15シーズン定期演奏会のラインナップが発表された。今年は、育ての親ともいえるフレデリック・フェネルの生誕100年&没後10年。これを機に、正指揮者が大井剛史、首席客演指揮者がトーマス・ザンデルリンク他の新体制に変わり、定期も年4回から5回に増えるなど、意欲的な充実が図られている。 幕開けの9月は、フェネルの後任として2010年から10年間常任指揮者を務めたダグラス・ボストックによる「英国の薫り」。グレインジャー、ヴォーン・ウィリアムズなどフェネルも好んだイギリスの名作を、欧州の第一線で活躍する同国出身の名匠が、ノーブルに描く。 11月は、08年のショルティ国際指揮コンクールの優勝者で、フェネルゆかりのイーストマン音楽院でも学び、現在、米・オーガスタ響音楽監督を務める期待の若手、シズオ・Z・クワハラが初お目見え。自身のバックボーンである「アメリカ」に因んだプログラムで、鮮烈な才能を示す。「ラプソディ・イン・ブルー」のピアノを、13年にN響との共演で絶賛を博した本場の名手ステュワート・グッドイヤーが弾くのも嬉しい話題。 2015年1月は、ザンデルリンクが就任後初登場。11年のショスタコーヴィチの交響曲第5番の快演以来久々に共演する。演目は十八番のロシアもので、「展覧会の絵」などに加えて、何とハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲(!)を披露。独奏は、神奈川フィル・ソロ・コンサートマスター石田泰尚。ザンデルリンクの王道解釈ともども大注目だ。 4月は、正指揮者・大井剛史が贈る「邦人オリジナル」曲集。日本の吹奏楽界をリードする作曲家の6作が、耳を清新に潤す。またトップ・サックス奏者でかつてのコンマス・須川展也が、ソリストとして帰還。この共演は実にエキサイティングだ。吹奏楽を熱愛する大井の丹念なアプローチも聴きもの。 6月は、大井が神様、アルフレッド・リードの没後10年を記念したプログラムを指揮。1982年の定期でリード自身が振った「春の猟犬」「交響曲第2番」などの名品で、氏直伝の音楽遺産を再確認する。また数々のコンクールで入賞を果たした当楽団クラリネット奏者・太田友香の定期でのソリストデビューも要注目。この2回では、就任初年度からオリジナル曲に力を注ぐ大井の正指揮者としての矜持も、名演を後押しするに違いない。 いずれもコンセプトが明確な公演ばかり。この豊穣な音楽世界を、ぜひ幅広いファンに堪能して欲しい。須川展也 ©Masanori Doi大井剛史 ©K. Miuraトーマス・ザンデルリンクシズオ・Z・クワハラダグラス・ボストック

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です