eぶらあぼ 2014.7月号
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234ロイヤル・エレガンスの夕べ 2014小林紀子バレエ・シアター『マクミラン・トリプルビル』谷桃子バレエ団『ジゼル』英国のバレエ団、渾身のプログラム満を持して挑むマクミランの3傑作次代を担う新人ダンサーをいち早く文:渡辺真弓文:渡辺真弓文:石村紀子 英国バレエの伝統と現在を伝える〈ロイヤル・エレガンスの夕べ〉が、前回2012年からさらにパワーアップして再登場。今回来日するのは、英国ロイヤル・バレエのラウラ・モレーラ、サラ・ラム、スティーヴン・マックレー、ネマイア・キッシュ、崔由姫、リカルド・セルヴェラ、平野亮一、これにバーミンガム・ロイヤル・バレエの佐久間奈緒とツァオ・チーを加えた9名で、いずれも現代英国を代表するトップダンサーだ。プログラムも、古典の名作『眠れる森の美女』や『ディアナとアクティオン』 長年にわたって英国バレエの巨匠ケネス・マクミラン作品に取り組んで 谷桃子バレエ団が2012年に始めた「若手育成のための新シリーズ公演」。1949年の創立以来守り続けてきた同団のDNAを、若手に伝承することを目的とした公演だ。2回目となる今回は、名プリマ・谷桃子の代名詞ともいわれた『ジゼル』を上演する。配役はダブルキャストで、今回初めて主役に抜擢されたのは植田綾乃。2011年ローザンヌ国際バレエコンクールのセミファイナリストで、リスボン国立コンセルヴァトワールに留学後、12年に入団した期待の新人だ。パートナーを務のパ・ド・ドゥから、英国バレエの歴史を築いたアシュトンの『真夏の夜の夢』やマクミランの『レクイエム』、気鋭のマクレガー、ウィールドン、スカーレット、マクナリー、タケット、ペイジに至るまで珠玉の振付作品が集結。半数近くが世界初演及び日本初演というからダンサーたちの意気込みのほどがうかがえる。真夏のひととき、英国バレエの真髄をじっくりと味わってみたい。きた小林紀子バレエ・シアターが「マクミラン・トリプルビル」を上演する。マクミランと言えば、『ロミオとジュリエット』や『マノン』といった物語バレエがよく知られているが、今回バレエ団初演となる『Winter Dreams ~三人姉妹~』はチェーホフの戯曲に基づいたもの。1991年に初演された巨匠の晩年の名作で、チャイコフスキーの繊細なピアノ曲に乗せて三人姉妹を巡る人間模様が鮮やかに描かれ、ドラマティック・バレエの真価を伝える。 ほかにショスタコーヴィチ曲『コンチェルト』とジョプリンのラグタイム・ミュージックによる『エリート・シンコペーションズ』を再演。ゲストに、ミラノ・スカラ座バレエのアントニーノ・ステラとイングリッシュ・ナショナル・バレエのジェームス・ストリーターを迎えるほか、島添亮子、後藤和雄、高橋怜子、大森結城ほか、バレエ団総出演による満を持しての上演だ。めるのはプリンシパルの今井智也。ベテランのサポートを受けて新星が輝き出す瞬間を楽しみにしたい。もう一方のペアは、同シリーズ公演第1回目の『白鳥の湖』で主役を務めた佐藤麻利香と檜山和久。前回よりさらに磨きをかけた踊りはもちろん、一層の深みのある感情表現に期待が高まる。これからのカンパニーを担う若手をいち早くチェッ8/8(金)~8/10(土) 日本青年館ホール※リハーサル見学、ファンミーティングもあり(公演チケット購入者のみ対象) 問 サンライズプロモーション東京 0570-00-3337 http://www.royalelegancenight.com8/23(土)17:00、8/24(日)15:00 ゆうぽうとホール問 小林紀子バレエ・シアター03-3987-3648 www.nkbt-tokyo.com8/15(金)19:00、8/16(土)16:00 ゆうぽうとホール問 谷桃子バレエ団 03-3717-7806 http://www.tanimomoko-ballet.com©Johan Perssonクできる機会。ご贔屓のダンサーを見つけてみてはいかがだろうか。『眠れる森の美女』『エリート・シンコペーションズ』檜山和久植田綾乃©Kenichi Tomohiro

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