eぶらあぼ 2014.5月号
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39チック・コリア ピアノ・ソロ・コンサート★6月16日(月)、17日(火)、18日(水)チック・コリア&ゲイリー・バートン★6月20日(金)、21日(土)、22日(日)会場:よみうり大手町ホール ●発売中問 読売新聞文化事業部  03-3216-8500http://yomi.otemachi-hall.com ストレートなリアル・ジャズからエレクトリックを大々的に導入したフュージョンまで、多彩な編成による斬新なパフォーマンスで常に聴き手に驚きを与え続けてくれる巨匠、チック・コリア。そんなジャズ・レジェンドが、3月にオープンしたばかりのよみうり大手町ホールに、ピアノ・ソロとゲイリー・バートンとのデュオで登場する。 「ソロ・ピアノはチャレンジであり、また自分の音楽をオーディエンスに伝えられるベストな方法だと考えている」というチック。今回の公演ではどんなチャレンジをきかせてくれるのか。 「ソロでは、あまり細かく決めずに本番に挑むのが好きなんだ。常にサプライズの要素を入れたいとも思っている。観客に対しても、自分にとってもね。それから、このツアーに合わせて新しいソロ・アルバムをリリースするんだ」 一方ゲイリー・バートンとのデュオは、名盤の誉れ高い『クリスタル・サイレンス』以来40年以上にわたって彼の音楽の中心的位置を占めてきたフォーマットの一つ。 「どうしてそんなに長いあいだ共演してきて新鮮さを保てるのかって? それは人生における秘密だね(笑)。それは冗談だけど、僕たちは単純に音楽を創るのが大好きで、新しいパフォーマンスやレコーディングのたびに、できるだけ喜びや興奮に満ちたものにしようとしているだけだよ。今回は2012年にゲイリーと作った『ホット・ハウス』の中から数曲、それから過去のアルバムからの曲も演奏するつもり。またコンサートの後半ではハーレム・ストリング・カルテットとの共演も予定しているよ」 現在72歳という年齢が信じ難い、エネルギッシュな創造性。その若々しさの秘訣はどこにあるのだろう。 「またもや秘密を明かさなきゃいけないのかい(笑)。いや、実際のところは秘密なんかなくて、体調管理に気をつけて、好きなことをできるだけ楽しもう(fun)としているだけ。ただ、僕の考える“fun”とは、自分のしていることに対して本当にふさわしくなれるための“努力を楽しむ”ことなんだけどね」 最後に日本のファンへのメッセージをきいた。 「1967年にスタン・ゲッツ・カルテットで初来日して以来今日に至るまで、ずっと僕の音楽に関心を持ち続けてくれるファンにお礼をいいたい。日本は、訪れるのも、そしてもちろん演奏するのも世界で最も好きな国の一つ。よみうり大手町ホールでのオープニングのために来日できること、そしてみなさんに会えることを本当に楽しみにしています」取材・文:藤本史昭ソロでは常にサプライズの要素を入れたいと思っているんだチック・コリア(ピアノ)インタビュー 様式的に相応しい楽器を使い、作曲者が想定した響きを目指し、バッハの全オルガン作品を弾く全12回シリーズも、いよいよ大詰めに。10年がかりのプロジェクトに取り組む椎名雄一郎は、ウィーンに学び、2000年にライプツィヒ・バッハ国際コンクール3位入賞を果たした逸材。第11弾は、バッハ晩年の傑作「ライプツィヒ・コラール集」を取り上げる。「この曲集のほとんどは、過去に作曲したコラール前奏曲から、バッハ自身が選りすぐってまとめたもので、まさに『珠玉のコラール集』。彼はそもそも、コラールの歌詞を音楽として丁寧に表現す“詩人・バッハ”のイマジネーション椎名雄一郎(オルガン) J.S.バッハ オルガン全曲演奏会 第11回「ライプツィヒ・コラール集」る作曲家で、まさに“詩人・バッハ”です」と椎名。「この作品は抜粋では演奏されるものの、全曲となると機会に恵まれません。しかし、本来は『フーガの技法』や『音楽の捧げ物』と同様、ツィクルスとして書かれています。今回は、作品の原曲となったコラールと交互に演奏し、比較してもらうことで、“詩人・バッハ”の想像力を実感していただければ」と熱っぽく語る。文:寺西 肇★5月18日(日)・東京芸術劇場●発売中問 アレグロミュージック03-5216-7131http://www.allegromusic.co.jp【CD】『チック・コリア/ポートレイト』(UCCO-1143〜4)はユニバーサルミュージックより6月11日(水)リリース。

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