eぶらあぼ2014.4月号
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74 昨年の東京・春・音楽祭でデビューを飾り、情熱的で瑞々しい演奏が絶賛を博したルートヴィヒ・チェンバー・プレイヤーズ。多数の受賞暦を誇る若手7人で構成される、実力派揃いのアンサンブルだ。18〜19世紀の王道を行く室内楽曲を中心に、幅広い時代や編成の作品も取り上げている彼ら。今回の日本公演は、そんな俊才たちの魅力が最良の形で凝縮されている。例えば、ロッシーニ「セビリャの理髪師」序曲の七重奏版や、ブラームス「3つの間奏曲」の弦楽四重奏版では、原曲とは一味違う編曲の楽しみ日本とドイツ、それぞれの俊英たちの饗宴ルートヴィヒ・チェンバー・プレイヤーズを。そしてメインは、七重奏の定番・ベートーヴェンで直球勝負を。 ドイツの名門シュトゥットガルト放送響で活躍する弦や管の名手たちと、ウィーン国立歌劇場&ウィーン・フィルの契約団員を務めた白井圭(ヴァイオリン)、ミュンヘン国際コンクール第2位の横坂源(チェロ)、2007年からシュトゥットガルト放送響に籍を置く幣隆太朗(コントラバス)ら、日本期待の若手による“俊”の響きを存分に楽しめそうだ。文:渡辺謙太郎★4月28日(月)・めぐろパーシモンホール ●発売中問 テンプリント(鈴木)03-3263-7728白井 圭横坂 源幣 隆太朗ⒸMasato Tomiiマークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます) ヘルシンキ・アカデミー男声合唱団は、約60年前にフィンランドの名門アールト大学の合唱団を母体に結成された、同国を代表する名人集団。生誕150年のシベリウス・イヤーを来年に控えて初来日を果たし、日経ミューズサロンのステージに登場する。シベリウスをはじめ、マデトヤやハンニカイネンらフィンランドの作曲家による作品を中心に、クラシックからポップスまで幅広いレパートリーを誇る彼ら。近年では2010年のマデトヤ国際合唱コンクール(フィンランド)や翌年のコーンウォール国際男声合唱コンクール(イギリス)をフィンランドの誇る美しきハーモニー第424回 日経ミューズサロン ヘルシンキ・アカデミー男声合唱団 初来日公演制するなど、国際コンクールでの受賞も数多い。今回は、フィンランド合唱界の中心人物で、1997年から同合唱団の指揮者を務めているマッティ・アパヤラハティに率いられての来日。「北欧の名作、世界の名曲集」と題して、ハンニカイネン「アンニの歌」を美智子皇后の日本語訳詞で披露するほか、シューベルト「菩提樹」やビートルズの「イエスタデイ」、日本民謡まで多彩に取り上げる。文:笹田和人★5月21日(水)・日経ホール ●発売中問 日経ミューズサロン事務局03-3943-7066 http://www.nikkei-hall.comヘルシンキ・アカデミー男声合唱団(円内:マッティ・アパヤラハティ)★5月9日(金)・トッパンホール ●発売中問 トッパンホールチケットセンター03-5840-2222 http://www.toppanhall.com すでに「巨匠」の風格を持つフランスのピアニスト、ジャン=クロード・ペヌティエ。彼の放つピアノの音色は、音楽に対する深い愛情に裏打ちされており、作品が内包する歴史と文化の香りを届けてくれる。そんな彼が今年、実に斬新なプログラムを引っさげてトッパンホールに現れる。前半の核となるのは、彼の得意とするフォーレとショパンである。なんとペヌティエは、両者の前奏曲集から同じ調性、あるいは非常に近い関係にある調性のものを交互に組んで演奏するのだ。そしてさらに、20世紀のフラ前奏曲の小宇宙とソナタの深遠なる世界ジャン=クロード・ペヌティエ(ピアノ)ンス人作曲家オアナの前奏曲も一つだけ、最後から2番目に置いている(意味深?!)。さまざまな表情に富む前奏曲の世界を、これまでにない形で体感できるに違いない。後半には、シューベルトが最晩年に作曲した長大なピアノ・ソナタ第21番が用意されている。前奏曲の小宇宙とソナタの深遠なる世界――ペヌティエが作りあげる豊かなコントラストを堪能したい。文:飯田有抄ⒸJonathan Grimbert Barre

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