eぶらあぼ2014.4月号
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70フィリップ・ジャルスキー&ヴェニス・バロック・オーケストラ★4月25日(金)・東京オペラシティ コンサートホール問 東京オペラシティチケットセンター  03-5353-9999★4月27日(日)・大阪/サンケイホールブリーゼ問 サモンプロモーションチケットセンター  0120-499-699●発売中 フィリップ・ジャルスキーが10年程前にバロック界の新星として登場した時、それまでにない新しいタイプのカウンターテナーが現れたと感じたのは筆者だけではなかろう。ピュアかつ艶やかな高音、驚異的なコロラトゥーラ技巧、そしてチャーミングな舞台プレゼンスによって、彼は古楽のジャンルを超え、世界中の多くの音楽ファンを熱狂させてきた。 そのジャルスキーがここ数年特に力を注いできたのは、18世紀オペラ界のスーパースターであったカストラート歌手のレパートリーの発掘である。4月のヴェニス・バロック・オーケストラとの来日公演でも、ファリネッリとカレスティーニという当時大人気を誇ったカストラートたちのライバル関係に光を当てた魅力的なプログラムが組まれている。 「映画『カストラート』でファリネッリの名前は一躍有名になりましたが、僕自身はむしろカレスティーニのほうに強く惹かれていました。彼は18世紀における最も美しい声の持ち主であっただろうと僕は考えています。たとえばヘンデルは最高傑作のオペラ《アリオダンテ》のタイトルロールをカレスティーニのために作曲しました。そのアリアを聴けば、彼がいかに素晴らしい歌手だったかがわかるでしょう。僕はこの歌手を世に知らしめたいと思い、数年前に彼の歌ったアリアを集めたアルバムを発表したのです」 「興味深いことに、カレスティーニがヘンデルの《アリオダンテ》を歌っていた同じ時期に、ロンドンの別の劇場ではファリネッリがポルポラのオペラ《ポリフェーモ》を歌っていて、オペラ・ファンたちはファリネッリ派とカレスティーニ派に分かれていたのです。この年のロンドンは、なんと活気に満ちたオペラ・シーズンだったのでしょう!ポルポラという作曲家は今では忘れ去られていますが、名声楽教師でもあり、ファリネッリの育ての親でもありました。ファリネッリといえばどうしても超絶技巧のイメージが強いですが、ポルポラが彼のために作曲した音楽は美しい旋律に満ちあふれ、弟子に対する愛情が込められていて、そこからファリネッリの深い音楽性も感じ取っていただけることでしょう」 このように1730年代のロンドンにおいて、ヘンデルおよびポルポラはそれぞれが推すスター歌手のために腕によりをかけ、競うように数々の名アリアを生み出していたのである。その伝説のライバル対決を、現代屈指のカウンターテナーであるジャルスキーが今、鮮やかによみがえらせてくれるのだ。取材・文:後藤菜穂子2大カストラートへのオマージュフィリップ・ジャルスキー(カウンターテナー)インタビューマークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます) 『音のパレット』は、作曲家・朝岡真木子の作品展。東京芸大作曲科を卒業後、歌曲から合唱曲、和洋それぞれの楽器のための器楽曲やオペラまで、幅広い作品を手掛ける朝岡は、ピアニストとしても活躍を続けている。第3弾となる今回は、国際的な活動の一方、宝塚歌劇団などの歌唱指導も行うソプラノの飯田純子が、2年前に初演した組曲「おばあちゃんの子守歌」(井上ふみ子作詩)で幕開け。友情出演の女優、栗原小巻による朗読を新たに加え、飯田の歌で全7曲が改訂初演される。そして、仙台在住の詩人、星乃ミミナが書き下ろした詩に基づく新作の組曲「春に あこが栗原小巻も出演の愉悦の時間音のパレットⅢれ」を初演。また、これら歌曲だけでなく、北條聖子、宮崎由起、用瀬加代子とソプラノ3人が加わっての「うめぼし」(浅田真知作詩)、「さんまのうた」(大竹典子作詩)、「黒豆のなっとう」(中野惠子作詩)など楽しいアンサンブル曲や、「リオの海風」などピアノ・ソロ曲も披露。ピアノは全曲、朝岡自身が担当する。文:笹田和人★4月29日(火・祝)・サントリーホール ブルーローズ(小) ●発売中問 日本演奏連盟(コンサート・アシスト)03-3539-5131 http://www.jfm.or.jp朝岡真木子栗原小巻飯田純子ⒸMarc Ribes

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