eぶらあぼ2014.4月号
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59★6月20日(金)15:00/19:30・Hakuju Hall ●発売中問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 http://www.hakujuhall.jp それはベートーヴェンも聴いた響きだ。主に木管楽器を用いた管楽アンサンブル「ハルモニームジーク」は、野外等で市民が身近に楽しめることから、18世紀後半頃に大人気を博し、ベートーヴェンもオリジナル作品を書いている。そして各2本の管楽器にコントラバス等を加えた9人の編成は、豊かな表現力と柔軟性から広く好まれ、多くの作品が編曲された。その響きを21世紀のいま体感できる「N響精鋭メンバーによる管楽アンサンブル」の公演が、Hakuju Hallの『ワンダフル one アワー』で実現する。 メンバーは、オーボエの青山聖樹&200年を超えて甦る、佳きウィーンの愉悦Hakuju Hall ワンダフル one アワー 第10回N響精鋭メンバーによる管楽アンサンブル和久井仁、クラリネットの伊藤圭&山根孝司、ホルンの福川伸陽&勝俣泰、ファゴットの水谷上総&森田格に、コントラバス首席の吉田秀を加えた9名。全員テレビ等で顔を知る豪華メンバーだ。その上、管の全パートが首席奏者(または首席代行)&パートナーという普段からタッグを組む顔ぶれであるのも、同形態では重要なポイント。音色や奏法が揃い、ハーモニー作り等を熟知し合った奏者たち――しかもトップ・オーケストラの――が、文字通り“息の合った”アンサンブルを聴かせてくれる。演目も、ベートーヴェンの人気作、交響曲第7番(木管が活躍)や《フィデリオ》序曲など、この編成に合う弾んだ音楽が選ばれているのが嬉しい。 柔らかく芳醇かつクリアな響きと、オーケストラにはない躍動感や愉悦感に充ち溢れ、心地よい陶酔必至の当公演。昼夜2公演から選べるし、「休憩なし1時間」なので気分も軽く、豊かな響きの会場もこの音楽に最適…とくれば、行かない手はない。文:柴田克彦青山聖樹福川伸陽伊藤 圭水谷上総和久井 仁勝俣 泰山根孝司森田 格吉田 秀 東京フィルの4月定期公演で指揮台に立つのは、同楽団桂冠指揮者を務める尾高忠明。三善晃作曲の「オーケストラのためのノエシス」、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番、ブラームスの交響曲第1番の3曲が演奏される。 昨年亡くなった三善晃の「ノエシス」は、1978年に尾高忠明自身によって初演された東京フィル定期演奏会第200回記念委嘱作品。たびたびこの作品を取りあげていることからも、マエストロにとって少なからず思い入れのある作品であることが察せられる。 ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番は、古今のヴァイオリン協奏曲のなかでも、みずみずしいロマン的情感と高揚感の豊かさにおいて屈指の名曲である。今回は日本を代表する名手、竹澤恭子が独奏を務める。作品の魅力をあますところなく伝えてくれることだろう。 メインプログラムは名曲中の名曲、ブワールドツアーの成果を披露尾高忠明(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団ラームスの交響曲第1番。何度繰り返し聴いても新たな感動が訪れる傑作である。マエストロの棒のもと、暖かく重厚な響きが引き出されるにちがいない。 なお、東京フィルは竹澤と共に3月に大規模なワールドツアーを行う(指揮は大植英次)。ツアーを終えた後、日本での最初の定期公演が本公演となる。大ツアーでさらなる経験値を積んだオーケストラが、リフレッシュされたサウンドを聴かせてくれるのではないだろうか。文:飯尾洋一第85回 東京オペラシティ定期シリーズ★4月17日(木)・東京オペラシティコンサートホール第846回 オーチャード定期演奏会★4月20日(日)・Bunkamuraオーチャードホール ●発売中問 東京フィルチケットサービス03-5353-9522 http://www.tpo.or.jp尾高忠明ⒸMartin Richardson竹澤恭子 Photo:Tetsuro Takai

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