eぶらあぼ2014.4月号
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51第523回定期演奏会 サントリーホール・シリーズ★4月13日(日)・サントリーホール ●発売中問 新日本フィル・チケットボックス03-5610-3815 http://www.njp.or.jp 気鋭の若手指揮者アンドリス・ポーガが新日本フィル定期の指揮台に登場する。ポーガは1980年生まれ、ラトヴィアの出身。ラトヴィア出身の指揮者といえばマリス・ヤンソンス、アンドリス・ネルソンスの名を思い出すが、またひとり注目すべき才能があらわれた。2010年にエフゲニー・スヴェトラーノフ国際指揮コンクールで優勝し、パリ管弦楽団でパーヴォ・ヤルヴィのアシスタント・コンダクター、さらにボストン交響楽団のアシスタント・コンダクターを務めるほか、昨秋からこの若さでラトヴィア国立交響楽団の音楽監督に就任している。今年、すでにボストン交響楽団の定期演奏会にもデビューを果たし、さらなる躍進を遂げつつある。 ポーガが新日本フィルとの共演で選んだのは、メシアンの「キリストの昇天」とショスタコーヴィチの交響曲第13番「バービ・ヤール」という聴きごたえのあるプログラム。前者で神への祈りがもたらす瞑想が表現される一方、後者でラトヴィアから注目すべき才能がまた一人アンドリス・ポーガ(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団は現実世界が冷徹に描かれ、鮮烈なコントラストをなす。ポーガにとってショスタコーヴィチは「大好きな作曲家であり、彼の作品を指揮するときはいつも特別な気持ちで臨む」という大切なレパートリー。並ならぬ意欲で作品に立ち向かってくれるだろう。 「バービ・ヤール」で独唱を務めるのはエギルス・シリンス。METやスカラ座ほか主要歌劇場で実績を誇る実力者だが、彼もラトヴィアの出身である。隠れた音楽大国ラトヴィアの底力を知ることになりそうだ。文:飯尾洋一ⒸMarc Ginot キーシンのピアノには、どこか不思議な引力がある。完璧なテクニック、内側から湧き出すような音楽の自然さ。果てしない深さときらめきを持つ彼の演奏には、超自然的な魅力が宿っているように思う。しかもそんな天才性の背景には、練習魔で努力家であるという事実がある。 1986年に初めて日本を訪れ、滞在中に15歳の誕生日を迎えたキーシン。以来来日を重ね、2011年10月には40歳の誕生日をサントリーホールで祝った。今回の来日はそれから2年半ぶりと、待ちに待たれたものだ。 プログラムがまた良い。前半で取り上げるのは、わずか31年の生涯をかけぬけたシューベルト晩年の大作のひとつであるピアノ・ソナタ第17番。心の内を吐露するような輝かしい作品に、キーシンの確かなタッチとミステリアスな精神性が相まった、胸に響く演奏が期待できそうだ。 一方後半のスクリャービンは幻想超自然的な魅力を宿すピアニストエフゲニー・キーシン(ピアノ)ソナタから始め、練習曲へと続ける。特にキーシンが少年時代から取り組んできたという練習曲には、厳しさ、神秘性、豊かな色彩を感じさせるロシア的エッセンスが、強くにじんでいることだろう。 来日すれば毎回どの会場もいっぱいにする彼に、以前、もっと頻繁に来日してくれないのはなぜかと尋ねたら、「僕は日本が大好きなのですが、僕の身体が時差をなかなか受け付けてくれなくて」ということだった。次の来日も少し先になるかもしれないから、今回も必ずや会場に足を運び、天才の音をしっかり耳に刻んでおきたいものだ。文:高坂はる香★4月17日(木)・横浜みなとみらいホール、5月1日(木)、4日(日)・サントリーホール●発売中問 ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 http://www.japanarts.co.jp他公演 4/13(日)・大阪/ザ・シンフォニーホール(ABCチケットセンター06-6453-6000)、4/22(火)・武蔵野市民文化会館(0422-54-2011)、4/26(土)・福岡シンフォニーホール(アクロス福岡チケットセンター092-725-9112)ⒸSasha Gusov licensed to EMI Classics

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