eぶらあぼ2014.4月号
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168■第62回「尾高賞」決定 第62回「尾高賞」の授賞作品が、猿谷紀郎の交響詩「浄闇(じょうあん)の祈り2673」(2013/伊勢神宮式年遷宮広報本部委嘱)、細川俊夫のトランペット協奏曲「霧の中で」(2013/サントリーホール・ハンブルク北ドイツ放送交響楽団共同委嘱)に決定した。 「尾高賞」は、N響の前身・日本交響楽団専任指揮者で作曲家でもあった故・尾高尚忠氏(1911-1951)の功績を讃え、すぐれた邦人作曲家によるオーケストラ作品を顕彰するために設けられた作曲賞。 授賞記者会見で、猿谷は「初めて“神”を意識して作曲するという経験でしたが、伊勢の深い森をイメージながら比較的自由に書かせていただきました」、細川は「この作品は、初演した素晴らしいトランペット奏者、イエルーン・ベルワルツの存在が非常に重要です。彼が再び『MUSIC TOMORROW』でこの曲を演奏してくれることに喜びを感じます」とそれぞれ述べた。 授賞2作品は、6月27日(金)に東京オペラシティコンサートホールで開催される「MUSIC TOMORROW 2014」(NHK交響楽団 指揮:高関健)で演奏される。NHK交響楽団http://www.nhkso.or.jp■オーケストラ・アンサンブル金沢が2014/  15シーズン・プログラムを発表 オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)が2014/ 15シーズンプログラムを発表した。アロンドラ・デ・ラ・パーラ、ネヴィル・マリナー、クリスチャン・ヤルヴィ、マックス・ポンマー(以上指揮)、チャールズ・ナイデック(クラリネット)、五嶋みどり(ヴァイオリン/OEK定期以外の共演歴はあり)といった豪華なアーティストが同シーズンのOEK定期初登場となる。 新進女性指揮者のデ・ラ・パーラはチャールズ・ナイデックとコープランドのクラリネット協奏曲で共演(10/10)、巨匠ネヴィル・マリナーはモーツァルト(10/30,11/2)やハイドン(11/2)を披露する。クリスチャン・ヤルヴィはグリーグの劇音楽「ペール・ギュント」全曲(2015/2/15)を、マックス・ポンマーはバッハとハイドン(2015/3/7)を軸に据えたプログラムを用意。五嶋みどりはバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番で■五島記念文化賞のオペラ新人賞受賞者発表 五島記念文化賞のオペラ新人賞受賞者が発表された。五島記念文化賞は「優れた人材の発掘と育成を通じて真に豊かな社会の実現に役立ちたい」という故・五島昇会長(元東急グループ代表)の遺志を継承し、わが国におけるオペラおよび美術における優秀な新人の顕彰と助成を目的として五島記念文化財団(1990年創立)が授与しているもので、これまで、多くの優れた歌手や演出家、美術家が受賞している。平成26年度(第25回)のオペラ新人賞の受賞者は下記の通り。●鬼原良尚(きはら よしなお)コレペティトゥア。1987年生まれ。ウィーン国立音楽演劇大学ピアノ科、グラーツ国立音楽演劇大学指揮科など卒業。本年6月よりオーストリア・グラーツを拠点に、ヨーロッパの歌劇場やオペラスタジオのオーディションに挑戦。さらに深いオペラへの関わりを目指す。●髙橋絵理(たかはし えり)ソプラノ。1980年生まれ。国立音楽大学声楽科卒業、新国立劇場オペラ研修所第10期生修了。二期会会員。本年10月より、イタリア・ボローニャを拠点に発声テクニック、作品による伝統的歌唱スタイルや解釈の習得、レパートリーの拡充に努める。●山本耕平(やまもと こうへい)テノール。1984年生まれ。東京芸術大学修士課程声楽(オペラ)専攻。二期会会員。本年6月よりイタリア、マントヴァを拠点に発声技術の向上に努め、イタリア語、フランス語のオペラを中心にレパートリーの拡充を図る。左より鬼原良尚、髙橋絵理、山本耕平左:猿谷紀郎 右:細川俊夫

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