eぶらあぼ 2014.3月号
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64 英国王立音楽院を首席で卒業し、現在は東京芸大大学院でさらなる研鑽を積む新進気鋭のヴァイオリニスト、澤亜樹。6歳でヴァイオリンを始め、東京芸大付属高校時代にイギリスへ留学、早くも世界を舞台に飛躍を始め、2006年には第17回パリ国際バッハコンクールのヴァイオリン部門で第2位入賞を果たした。10年に再び渡英し、2年間にわたって王立音楽院へ留学。帰国後も音楽性や技術を磨きつつ、精力的な演奏活動を展開している。リサイタルでは、イザイの無伴奏ソナタを核に。そして、ソリスト花開く英国仕込みの夢澤亜樹(ヴァイオリン) としてだけでなく、室内楽でも高い評価を受けるピアノの名手・野田清隆の共演を得て、ベートーヴェンのソナタ第7番、ショーソンの「詩曲」、バルトークのラプソディー第2番などを披露する。彼女の幅広いレパートリーと豊かな音楽性を物語る、多彩なラインナップ。音楽界の未来を担う逸材の、魅力がほとばしるステージとなろう。文:笹田和人★4月27日(日)・東京文化会館(小) ●発売中 問 アスペン03-5467-0081 http://www.aspen.jp 東京オペラシティの《B→C》に、2011年からフランクフルト歌劇場管弦楽団の首席オーボエ奏者を務めている近藤那々子が登場。自らの魅力を「日替わりランチ」と語る。その心は、「毎回どんな音楽が生みだせるか自分でもワクワクするから」。だからこそ、その日のインスピレーションや会場の空気も大切で、演奏会はお客さんと一緒に作り上げるものだという。曲目はシリーズ名のとおり“B(バッハ)からC(コンテンポラリー)”まで。バッハが、「ヴァイオリン・ソナタ BWV1016」と、しばしばオーボエなどでも演奏される歌劇場で学んだことを発揮したい東京オペラシティ Bビートゥーシー→C 近藤那々子 (オーボエ)「フルート・ソナタ BWV1031」。19世紀生まれの作曲家からは、R.シュトラウス(歌曲「4つの歌」op.36をオーボエで)とパスクッリにケクラン。20世紀作品は、近藤の師インデアミューレのために書かれたシルヴェストリーニと西村朗の作品を吹く。彼女にとって、現代曲は演奏すると元気になるビタミンCのようなもの。だからこそ聴き手にも「楽しい」と思ってもらえるようにしたいのだという。まさに《B→C》シリーズのコンセプトにふさわしい方向性を持った、頼もしい音楽家だ。文:宮本 明★3月18日(火)・東京オペラシティ リサイタルホール●発売中問 東京オペラシティチケットセンター  03-5353-9999http://www.operacity.jp オペラの国、イタリアからやって来た歌手たちが熱唱する、アリアやカンツォーネの名旋律の数々。でも、ちょっと様子が変だ。「テノールの高音が出なくなった?」「“無茶振り”ばかりする歌手に、ヴァイオリン奏者がキレた?」。次々に起こる“事件”が、やがて抱腹絶倒を誘う。オペラ集団「アマルコルド」のステージはいつも笑いに溢れている。演ずるは、巨匠パヴァロッティの薫陶を受けたテノールのマッシミリアーノ・バルボリーニをはじめ、イタリア・オペラの長い伝統を受け継ぐ第一線の歌手たち。ここに、弦“爆笑間違いなし”のステージオペラ集団「アマルコルド」 抱腹絶倒!オペラ・コミック楽アンサンブルの名門イ・ソリスティ・ヴェネティで第1ソロ・ヴァイオリニストを務めるグラウコ・ベルターニンと、声楽伴奏のスペシャリストであるピアノのジョルジョ・ファッショーロ、ステージの振付を担当したバルバラ・ザナージらも役者として加わって、上質な笑いを紡ぐ。伝統と現代のエンタテインメントの、新たなる融合の形を追求したステージ。オペラ・ファンはもちろん、初めてという人にもぜひおすすめしたい。文:笹田和人★5月10日(土)・豊田市コンサートホール ●発売中問 豊田市コンサートホール0565-35-8200 http://www.t-cn.gr.jp

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