eぶらあぼ 2014.2月号
69/211

66 身長180センチを超える恵まれた体躯と日本人離れした高音を武器に、オペラのプリモテノールとして檜舞台で活躍を続ける大澤一彰。2008年に日伊声楽コンコルソで第1位を獲得し、その披露コンサートでは、見事な美声でハイC♯やハイCを連発、大いに聴衆を沸かせて、一躍スターダムを駆け上がった。そして、東京芸大からパリ音楽院に学び、ミシェル・ベロフら錚々たる大家の薫陶を受けたピアノの本田聖嗣。特にフランス作品の深みある解釈が高い評価を受ける一方、ゲーム音楽の演奏も手掛けるなど、し大型テノールの美声に酔う大澤一彰(テノール)なやかな活動が光る。そんな2つの才能が、幸せな出逢いを遂げるリサイタル。《トゥーランドット》から〈誰も寝てはならぬ〉や、《ラ・ボエーム》から〈冷たい手を〉などのプッチーニ作品をはじめ、ドニゼッティやベッリーニ、マスカーニまで、オペラの名アリアの数々に加えて、「カタリ・カタリ」などナポリ歌曲も披露。さらに、本田がソロでスカルラッティのソナタを、間奏曲のように添える。文:笹田和人★2月24日(月)・東京文化会館(小) ●発売中問 東京コンサーツ03-3226-9755 http://www.tokyo-concerts.co.jp 我が国を代表するヴァイオリンの名手が、自身が愛してやまない2人の偉大な作曲家の佳品を特集する、全6回からなる意欲的な取り組み《堀米ゆず子 J.S.バッハ/ブラームス プロジェクト at Hakuju》。堀米は、その思い入れを「バッハは背骨のよう。ブラームスは心のひだ。感情表現の基本。この2人の作曲家は過去30年の演奏生活において、私の音楽作りの核となっています」と語る。その第2弾となる今回。まずは、パートナーに2007年のロン=ティボー国際コンクールの覇者であるピアノの俊英・田2大作曲家の真髄に迫る堀米ゆず子(ヴァイオリン) J.S.バッハ/ブラームス プロジェクト at Hakuju Vol.2村響を迎えて、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第2番を弾く。そして、堀米がソロで登場し、バッハの無伴奏ソナタ第2番をじっくりと披露。最後は、N響首席ヴィオラ奏者の佐々木亮、やはり昨年までN響首席チェロ奏者を務めた木越洋という2人の弦の名匠に、田村が加わって、ブラームスのピアノ四重奏曲第2番で締め括る。音楽への愛情あふれる、温かな好演が期待できそうだ。文:笹田和人★3月18日(火)・Hakuju Hall ●発売中 問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 http://www.hakujuhall.jp堀米ゆず子Ⓒ中村 治マークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます) 今年で結成25周年を迎えるエルデーディ弦楽四重奏団。東京芸大の出身者で構成され、メンバー全員が室内楽やオーケストラの第一線で活躍する腕達者たちだ。毎回凝った選曲で洗練された演奏を聴かせる彼らが今回届けてくれるのは、イタリアの作品でまとめられた華麗なプログラム。昨年生誕200周年を迎えたヴェルディの四重奏曲は、オペラ《アイーダ》のナポリ初演がソプラノ歌手の病気で延期になった際、空き時間を利用して書かれたという逸話でも有名歌心溢れるイタリア作品を集めてクァルテット・ウィークエンド エルデーディ弦楽四重奏団な作品だ。映画音楽の巨匠ニーノ・ロータの瀟洒な弦楽四重奏曲や、プッチーニやレスピーギにも匹敵するロマンの薫り高い、ピツェッティの第2番も大いに楽しみだ。いずれもイタリアものならではの歌心溢れる名演が期待される。特に注目なのは、ヴェルディ作品の最大の難所と言える最終楽章。音程を取り難いスケルツォ風のフーガが、彼らの妙技によって、ドラマティックかつクリアな伽藍のように立ち昇ることだろう。文:渡辺謙太郎★2月16日(日)・第一生命ホール●発売中 問 トリトン・アーツ・ネットワーク・チケットデスク03-3532-5702http://www.triton-arts.netⒸMichiharu Okubo

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です