eぶらあぼ 2014.2月号
46/211

43日本フィル in Kyusyu・2014 第39回九州公演★2月8日(土)〜19日(水)・福岡、鹿児島、唐津、大牟田、佐賀、熊本、北九州、長崎、大分、宮崎 ●発売中 ※ツアーの詳細は日本フィルのウェブサイト(http://www.japanphil.or.jp)でご確認ください。杉並公会堂シリーズ2013 第6回 ★2月23日(日)・杉並公会堂 問 杉並公会堂03-5347-4450 今年も日本フィルが九州を訪れる。2月8日の福岡公演から19日の宮崎公演までの全10公演。指揮を担うのはフィンランドの俊英、首席客演指揮者のピエタリ・インキネンだ。 日本フィルと九州には特別な結びつきがある。九州ツアーは今回が39回目。1975年以来の長い歴史を持つ。単に演奏会を行うだけのツアーではなく、各地でボランティアスタッフが実行委員会に参加するなど、地域が主体となって音楽文化の一端を担っているのが特色だ。事前に日本フィルのメンバーが各地の病院や幼稚園、学校などを訪れて室内楽を演奏したり、本公演の後に地元実行委員会と楽団員、指揮者、ソリストが一緒になって懇親会で交流を深めるなど、「市民とともに歩む」日本フィルらしい活動が続けられている。 今回の九州公演ではシベリウスとチャイコフスキー作品が演奏される。どちらもインキネンにとっては重要なレ日本フィルが世界に誇る文化活動ピエタリ・インキネン(指揮) 日本フィルハーモニー交響楽団 九州ツアー&東京公演 パートリー。開催地によって、インキネン本人が強く希望したというチャイコフスキーの交響曲第4番、またはシベリウスの交響曲第2番のいずれかがメイン・プログラムとなる。同時に演奏されるチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(ピアノ/清水和音)またはヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリン/三浦文彰)では、ソリストの妙技にも注目が集まる。 なお、九州公演の後、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番、シベリウスの交響曲第2番他のプログラムが杉並公会堂でも演奏される。九州公演で熟成を経た演奏は、普段の公演とは一味違った味わいになるかもしれない。文:飯尾洋一ピエタリ・インキネンⒸ三好英輔三浦文彰ⒸS.Takehana清水和音ⒸK.Miura かくも劇的な最後があるだろうか? 来る3月、金聖響が神奈川フィルのシェフとしての最終公演を迎える。 メインはマーラーの交響曲第6番「悲劇的」。これは様々な意味がこめられたプログラムだ。 1998年ニコライ・マルコ国際指揮者コンクールで優勝後、内外で活躍する金聖響は、2009年4月、神奈川フィルの常任指揮者に就任。意欲的な取り組みで楽団に新風を吹き込み、新たなファンを開拓した。その柱となったのがマーラー・シリーズ。10年の交響曲第3番から13年の第10番まで、8番を除く全交響曲を取り上げ、ひたむきな熱気と繊細でしなやかな情感を併せ持つ、清新な演奏を繰り広げた。ゆえに最後がマーラーなのは必然でもある。 そして第6番にはさらに重い意味がある。シリーズで同曲が演奏されたのは、2011年3月12日。大震災の翌日だった。当日彼らは公演を中止せず、多からぬ聴衆に感動的な音楽を届け実りと祈りを捧げる、忘れがたき終幕金聖響(指揮) 神奈川フィルハーモニー管弦楽団た。大災害直後の「悲劇的」…この巡り合わせに何かを感じない人はいないだろう。今回は、当日聴くことが叶わなかった人々に向けた再演奏にして、鎮魂、祈り、訴えであるに違いない。 第6番は、緊迫の悲劇の中にも、妻アルマへの愛や一瞬の光など多様な要素を含んだ作品。従ってコンビ5年の成果を純粋に味わってもいい。だが通常とモチベーションが異なる公演だけに、特別な名演を期待せずにはおれない。20日の定期に続いて21日に相模原で最終公演が行われる。ぜひその場に立ち会いたい。文:柴田克彦第297回定期演奏会 ★3月20日(木)・横浜みなとみらいホール名曲シリーズ「オーケストラ名曲への招待」 (金聖響 常任指揮者 退任記念公演)★3月21日(金・祝)・相模女子大学グリーンホール(相模原市文化会館)●発売中問 神奈川フィル・チケットサービス045-226-5107 http://www.kanaphil.or.jp金 聖響ⒸEisuke Miyoshi

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です