eぶらあぼ 2014.1月号
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22リッカルド・シャイーRiccardo Chailly●指揮このプログラムは“音楽の街ライプツィヒ”が誇る輝かしい遺産ですぷれすてーじ PRESTIGE=PRE-STAGE この3月に、世界最古の自主運営オーケストラ、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が、第19代カペルマイスター(常任指揮者)のリッカルド・シャイーと共に日本ツアーを行う。今年還暦を迎え、いよいよ円熟の域に達したシャイー。訪日を心待ちにしているという彼に、今回の来日プログラムについて聞いた。「日本ツアーの曲目には、“音楽の街ライプツィヒ”が誇る輝かしい遺産が反映されています。ライプツィヒ、そしてゲヴァントハウス管と強い結びつきのある4人の作曲家を取り上げるというのがアイディアの発端です」 これまで15回以上も来日し、日本のホールや聴衆が大好きだという親日家のシャイーは、嬉しそうにこう続けた。「まずは、ベートーヴェン。ゲヴァントハウス管には、19世紀以来、絶えずその作品を演奏してきた伝統があります。とりわけピアノ協奏曲第5番『皇帝』は、ゲヴァントハウス管が初演を任された重要な作品です。ソリストには、これまで私たちと録音を共にしたこともある素晴らしいピアニスト、ネルソン・フレイレを迎えます。さらにマーラーの交響曲第7番『夜の歌』も取り上げますが、彼がライプツィヒ歌劇場の楽長を務め、この地の音楽文化に深みを与えた人物であることはご存じでしょう。そしてかつてのゲヴァントハウス管のカペルマイスター、すなわち私の大先輩にあたるメンデルスゾーンの序曲『ルイ・ブラス』とヴァイオリン協奏曲もお聴きいただきます。協奏曲のソリストは五嶋みどりさんですから、日本の皆さまにとっていっそう興味深い公演になるのではないでしょうか」 とはいえショスタコーヴィチの交響曲第5番は一見、意外な選択に見える。「実はショスタコーヴィチも楽団の伝統を象徴する作曲家のひとりなのです。ゲヴァントハウス管には、1970年代にロシア以外で唯一、ショスタコーヴィチのツィクルス演奏を行ったという歴史があります。こうしたライプツィヒ所縁の作曲家たちの作品を、現代を生きる私たち独自の解釈と演奏で、日本の皆さまにお楽しみいただこうと思っています」 この多彩なプログラムが、日本にいながら中部ドイproleリッカルド・シャイー●ミラノ生まれ。ベルリン放送響、ボローニャ歌劇場、コンセルトヘボウ管などのポストを経て、2005年にゲヴァントハウス管の第19代カペルマイスターに就任。今年夏には同団との契約を20年まで延長したことを発表した。コンサートとオペラ両方に力を注ぎ、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、シカゴ響、ミラノ・スカラ座、英ロイヤル・オペラなど超一級の場でも指揮活動を続けている。ゲヴァントハウス管とのコンビでは2009年にドイツの「世紀のブランド」に選出された。デッカと専属契約を結び100タイトル以上を録音しており、その多くが世界有数の賞を受賞。叙勲も多い。Concertリッカルド・シャイー(指揮)ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団共演: 3/17:ネルソン・フレイレ(ピアノ) 3/18,3/19,3/21:五嶋みどり(ヴァイオリン)2014年3月17日(月)19:00・東京オペラシティコンサートホール3月18日(火)19:00・ミューザ川崎シンフォニーホール3月19日(水)19:00・大阪/フェスティバルホール3月21日(金・祝)18:00・サントリーホール3月22日(土)17:00・京都コンサートホール3月23日(日)18:00・サントリーホール●発売中問:カジモト・イープラス0570-06-9960http://www.kajimotoeplus.comCD『ブラームス:交響曲全集』ユニバーサル ミュージックUCCD-1388/90(3枚組) ¥4500+税2014年1月15日(水)発売マークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケットが購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます)

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