eぶらあぼ 2013.11月号
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172■京響が新指揮者体制に 京都市交響楽団は、現・常任指揮者広上淳一の任期満了に伴う2014年度の新指揮者体制を発表した。広上淳一は14年4月以降も第12代常任指揮者として3期目を務めるほか、新たに常任首席客演指揮者として高関健、常任客演指揮者として下野竜也を迎える。任期はいずれも3年間(17年3月末まで)。広上は16年の楽団創立60周年に向け新設されたミュージック・アドバイザーも兼ねる。京都市交響楽団http://www.kyoto-symphony.jp■NHK交響楽団 第33回「有馬賞」が決定 NHK交響楽団は第33回「有馬賞」の受賞者を、「いわき芸術文化交流館アリオス」と酒井敏彦(NHK交響楽団第1ヴァイオリン次席奏者)に決定した。「有馬賞」は元同団副理事長の有馬大五郎氏の生前の音楽界への貢献と同団育成の偉業を記念するために1981年に創設され、同団の発展に顕著な功績をおさめた関係者・関係団体・同団職員を授賞の対象としている。 2008年オープンの「いわき芸術文化交流館アリオス」は、前身の平市民会館当時より数々のN響定期演奏会を開催。「芸術文化が持つエネルギーを通じて、いわきの『まち』と『ひと』に元気と勇気をもたらす施設とする」というコンセプトのもと、日常的にさまざまな自主事業を行っている。中でも、施設から飛び出して、市内の学校、公民館、福祉施設等に出張して音楽やワークショップを届ける「おでかけアリオス」は、東日本大震災と原発事故以降、被災地復興支援の柱として位置づけられ、震災復興に貢献している。NHK交響楽団http://www.nhkso.or.jp/■第7回静岡国際オペラコンクールが開催 静岡県にゆかりの深いプリマドンナ・三浦環(たまき)をたたえて、没後50年にあたる1996年から3年ごと■大阪フィル首席指揮者に井上道義が就任 大阪フィルハーモニー交響楽団は、2014年度から井上道義を首席指揮者として招くことを発表した。また、2003年からザ・シンフォニーホールに移していた定期演奏会の会場をフェスティバルホールに戻すことも同時に発表された。現在2日間開催されている定期演奏会は維持し、今後は平日と土曜日の開催も盛り込むなど、座席数2700席の圧倒的な収容力をもつ新生フェスティバルホールを拠点に、井上道義とともに、新たなクラシックファンの獲得に取り組む方針だ。 井上は「大阪フィルを大阪人の人懐っこさを生かしながらも泥臭さをなくしたオーケストラにしたい。そして、ボーダーレスな感覚の先端的な活動で、オーケストラとは今まであまりかかわりのなかった方々への新しいアプローチを試みます。そして、2020年に東京で開催が決まったオリンピックに向け、大阪をもう一つの“片肺”として東京と共に日本を盛り上げる役目を担いたい。大阪は戦後の1958年にフェスティバルホールを作った。また、音楽専用ホールがなかった82年に、ザ・シンフォニーホールという画期的なホールを作ってきた“大阪の先進性”をもう一度発掘したい」と抱負を語った。 なお、井上は、新日本フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団の音楽監督などを経て、現在、オーケストラ・アンサンブル金沢の音楽監督を務めているが、同ポストは2014年4月以降も続けていく。大阪フィルハーモニー交響楽団http://www.osaka-phil.com/井上道義/©Hikaru HOSHI広上淳一/Photo:Greg Sailor上:高関健©Masahide Sato下:下野竜也©Naoya Yamaguchi

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