eぶらあぼ 2013.10月号
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88 たとえ普段はクラシック音楽を聴かなくても、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの名を知らない人は少ないだろう。映画の監修や声優業など幅広く活躍する人気落語家・柳家三三による楽しいナビゲートと実際の演奏による名曲を通じて、この“ビッグネーム”の魅力の神髄に迫っていこうというコンサート。ステージでは、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」や「トルコ行進曲」、オペラ「フィガロの結婚」から序曲やアリア、さらにはアマデウスの父レオポルドの作曲した「おもちゃの交響曲」など、どこかで必ず一度は耳にしたことがあるはずの旋律が落語でモーツァルトをナビゲートなかのZEROクラシックフェスティバル 2013 柳家三さん三ざの「アマデウスを聴こう!」次々に登場する。しかも、演奏を担当する顔ぶれを見れば、田部京子(ピアノ)や赤坂達三(クラリネット)、大澤建(バリトン)、佐藤美枝子(ソプラノ)ら国内外で活躍する一線アーティストがずらり。クラシック初心者はもちろん、“モーツァルト通”もきっと満足できる、内容の濃さが期待できそうだ。文:笹田和人★10月20日(日)・なかのZERO ●発売中問なかのZEROチケットセンター03-3382-9990 http://nicesacademia.jp柳家三三Ⓒ山田雅子田部京子ⒸAkira Muto佐藤美枝子ⒸAkira Muto これまでどの音楽シーンでも耳にすることのなかった、新鮮な響きだ!  木星音楽団は、和楽器である尺八(三塚幸彦)と箏(小野美穗子)そして、ラテン民族楽器であるアンデスの笛ケーナ(八木倫明)とパラグアイのハープ アルパ(藤枝貴子)による、世界初のアンサンブル。すべての楽器が木でできているところから「木製楽器の四重奏団」としてその名を付した。 ホルスト「木星」、アンデスのフォルクローレ「コンドルは飛んで行く」といったクラシカルなメロディから、井上陽水「少年時代」、ビートルズ「イエスタデ世界初!和楽器とラテン民族楽器のクァルテット木星音楽団 ―尺八、箏、ケーナ、アルパによる4人の管絃楽―イ」などの名曲に至るまで、尺八、ケーナの風音と、箏、アルパの絃のゆらぎから生み出される絶妙なハーモニーによって、まったく新しい響きを創造する。それは言うなれば、世界をギュッと詰め込んだ箱庭にそよぐ、“一瞬の爽風”だ。異文化の融合がもたらした美しい音楽が、クラシック音楽の世界に新たな風を巻き起こす。文:寺司正彦(編集部)★10月17日(木)・東京文化会館(小)●発売中問プラネット・ワイ03-5988-9316 http://www.planet-y.co.jp/左より:八木倫明、藤枝貴子、小野美穗子、三塚幸彦 佐藤卓史は、同世代の中でも特別な存在感を放つピアニストだ。18歳の頃、日本音楽コンクール優勝で注目を集め、その後もシューベルト国際コンクール優勝など、数々の著名コンクールで成果を残した。精力的な演奏活動を行いながらも、留学先での研鑽やコンクールへの挑戦を続けてきた彼が、30歳を迎えて活動拠点を日本に戻すという。 デビュー10周年を記念する今回のリサイタルでプログラムに掲げるのは、ベートーヴェンの「4大ピアノ・ソナタ」(悲愴、ワルトシュタイン、月光、熱情)。ベートーヴェンへの意欲漲る佐藤卓史(ピアノ)ベートーヴェンは彼にとって特に大切な作曲家だというから、並々ならぬ意気込みがうかがえる。佐藤のピアノの魅力の一つは、考え抜かれた音楽づくりにある。絶妙にタッチを切り替えながら、決して力技に頼ることなく、誠実に譜面の奥にあるものを表現する。長らくハノーファーで学んだ後、2011年からウィーンに移ったことで一段と音楽に香りや遊びが加わった。ベートーヴェンが後半生を過ごした街で吸収したものが花開く一夜になりそうだ。文:高坂はる香★10月9日(水)・東京文化会館(小) ●発売中問アスペン03-5467-0081 http://www.aspen.jpマークのある公演は、「eぶらあぼ」からチケット購入できます(一部購入できない公演、チケット券種がございます)

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