eぶらあぼ 2013.10月号
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74Music Weeks in TOKYO 2013 プラチナ・シリーズ 3&4★11月7日(木)、10日(日)・東京文化会館(小) ●発売中問東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 http://www.t-bunka.jp 1990年に開館した水戸芸術館。初代館長は昨年惜しまれつつ亡くなった音楽評論家・吉田秀和(1913〜2012)だった。その吉田の生誕100周年を記念するコンサートが3つ開催される。まず水戸室内管弦楽団の第88回定期演奏会(10/5,10/6)。世界的ホルン奏者ラデク・バボラークが登場するほか、ホルン奏者アンドレイ・ズストも招聘し、ハイドン作と言われる「2つのホルンのための協奏曲」を共演。そしてバボラークはハイドンの交響曲「時計」などの指揮もする。次いで内田光子によるリサイタル(11/5)。内田は桐朋学園の「子供のための音楽吉田秀和を称えて水戸芸術館 吉田秀和 生誕100年記念コンサート教室」に学んだ幼少時から、吉田との関係の深かったピアニストだ。今回はバッハの平均律に始まり、シェーンベルク、シューマンと、彼女の得意とする作曲家の作品を披露。最後は2014年1月に行われる水戸室内管の演奏会で、小澤征爾が指揮をする予定だ(詳細未定)。日本の音楽評論&教育をリードしてきた吉田秀和。彼の遺産はより若い世代によって受け継がれる。文:片桐卓也水戸室内管弦楽団 第88回定期演奏会 ★10月5日(土)、6日(日)内田光子ピアノ・リサイタル ★11月5日(火)会場:水戸芸術館コンサートホールATM ●発売中問水戸芸術館チケット予約センター029-231-8000 http://arttowermito.or.jpラデク・バボラーク内田光子ⒸRichard Avedon小澤征爾ⒸShintaro Shiratori 「きりく・ハンドベルアンサンブル」は、この楽器の第一人者であり、さらなる新しい可能性を模索し続けている大坪泰子のもと、管・打楽器の経験を持つ若手奏者らによって組織された精鋭集団。清澄な音色で聴く者すべてを魅了し、ハンドベル芸術の最高峰と称えられている。そんな彼らがこの夏、4度目となる海外ツアーを敢行し、アメリカ西海岸へ。「驚異的、感動、信じられないほどの複雑さ、卓越したテクニック…圧巻の一言」と現地メディアも大絶賛。「多くの出会いを得て、温かく惜しみないエールに励まされた」と大坪は振り返ハンドベル芸術の最高峰きりく・ハンドベルアンサンブル アメリカツアー 凱旋コンサートる。その「凱旋コンサート」と銘打ったステージでは、アメリカツアーで取り上げた曲目を再現。シューベルト「アヴェ・マリア」やフォーレ「天国にて」などのクラシックから、「アイ・ガット・リズム」などのジャズ、「おぼろ月夜」など日本の歌まで、幅広いレパートリーから厳選した、まさに彼らのエッセンスとも呼べる数々の名曲を、たっぷりと聴かせる。文:笹田和人★10月9日(水)・紀尾井ホール ●発売中問ミリオンコンサート協会03-3501-5638 http://www.millionconcert.co.jp 東京文化会館の注目の新シリーズ《プラチナ・シリーズ》は、音響の素晴らしさで知られる649席の小ホールで、現代最高の名手たちが極上の音楽を奏でる魅力的なシリーズだ。 その第3回と第4回に登場するのが、チェリストの堤剛&ピアニストのルドルフ・ブッフビンダーという、日本とオーストリアを代表する2人の巨匠。プログラムも豪華で、「チェロの新約聖書」とも言われたベートーヴェンのチェロ・ソナタ全曲を2夜にわたって披露する。堤の格調高く澄み切ったチェロと、ブッフビンダーの渋み溢れる燻し銀のような日欧2大巨匠の豪華共演東京文化会館 プラチナ・シリーズ 堤剛(チェロ)&ルドルフ・ブッフビンダー(ピアノ)ピアノ。それぞれが生彩を帯び、デュオとしても緊迫した密度の高い音世界を形作るにちがいない。中でも注目なのが、古今のチェロ・ソナタの中でも最高傑作の一つに数えられる第3番(11/7)。大胆かつ洗練されたチェロの歌に、ピアノが巧みに拮抗しながら融合していく名作で、まさにこの2人にこそふさわしい。文:渡辺謙太郎堤剛Ⓒ鍋島徳恭ルドルフ・ブッフビンダーⒸMarco Boggreve

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