【19年1月定期】首席指揮者アンドレア・バッティストーニによる、「おとぎ話」プログラム

 年明け1月の東京フィル定期演奏会は、首席指揮者アンドレア・バッティストーニによる、ストーリーのある3作品による「おとぎ話」プロ。彼のストーリー・テラーとしてのセンスが存分に発揮される演目だ。
 まずデュカスの「魔法使いの弟子」。映画「ファンタジア」で使われたことでも知られる、映像的なオーケストラ作品の代表格だ。増えたホウキの動きが止まらなくなった焦燥感が迫真の演奏で描写される。そして、本公演の新発見となるのが、リッカルド・ザンドナーイの「白雪姫」。知名度は低くとも聴かれるべき作品の紹介に情熱を注ぐバッティストーニならではの選曲である。ザンドナーイは20世紀前半に活躍した、華麗なオーケストレーションによる作品群をのこしたイタリアの作曲家。生前は特にオペラ作曲家として著名な存在で、なかでもオペラ《フランチェスカ・ダ・リミニ》はメトロポリタン歌劇場などをはじめ現在でも上演されている。この「白雪姫」も音源が稀少だが、3管編成、5つの場面による20分ほどの作品で、ザンドナーイならではの華麗なオーケストレーションを楽しめるはず。

C)上野隆文

 メイン演目は、リムスキー=コルサコフの代表作「シェエラザード」。管弦楽法の大家の技が十全に発揮された絢爛な響きで、「千夜一夜物語」を題材に4つのストーリーが語られる様を楽しめる名作中の名作。主役となるヴァイオリン・ソロをはじめ、各楽器の個人技もたっぷり味わえる作品で、バッティストーニ率いる東京フィルのヴィルトゥオジティも聴きどころ。バッティストーニの案内による3曲で、しばし夢の世界に旅立とう。

第914回 サントリー定期シリーズ
2019.1/23(水)19:00 サントリーホール

第122回 東京オペラシティ定期シリーズ
2019.1/25(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール

第915回 オーチャード定期演奏会
2019.1/27(日)15:00 Bunkamuraオーチャードホール

指揮:アンドレア・バッティストーニ
デュカス/交響詩「魔法使いの弟子」
ザンドナーイ/「白雪姫」
リムスキー=コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」